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2021年11月14日 (日) | 編集 |
その悪夢は、実体化する。
現在最高のホラー・マイスター、ジェームズ・ワン監督による、2016年の「死霊館 エンフィールド事件」以来となる待望の新作ホラー。
しかも過去の作品とは、だいぶムードが違う新境地に挑んでいる。
舞台は現在のシアトル。
アナベル・ウォーリス演じる妊娠中の女性、マディソンが見た恐ろしくリアルな殺人の悪夢。
しかしそれはただの夢で終わらず、次々と現実化する。
彼女の夢に付き纏う、異形の連続殺人鬼”ガブリエル”は何者か。
まあこのガブリエルの正体に関しては、冒頭に描かれる93年の病院のシーンで、「悪性腫瘍を取り除く」と言ってるので、奇形嚢腫から生まれた「ブラックジャック」のピノコみたいな存在だと、早々に想像はつく。
タイトルの「マリグナント」も「悪性」という意味だし。
問題は、取り除かれたはずの意志を持った腫瘍が、20年以上たった今になって、なぜ、どうやって暴れ出したのかという点。
ピノコは、ブラックジャックによって子供の姿の仮の器を与えられて生き延びたが、こちらでも誰かが腫瘍を持ち出して、肉体を作ったのか?それとも幽霊?インシディアスに出てきた悪魔みたいに、霊的だけど肉体を持つ?などいろいろ想像してたのだが、終盤明かされるその正体は、想像の斜め上をゆくものだった。
アレがドーンと出現するシーンとか、もうビックリして唖然としてしまったが、ギャグとホラーのちょうど境界。
いやー、ジェームズ・ワン心底楽しんどるだろ。
冒頭の病院ショットから、妙に画が作り物っぽく安っぽいが、これは狙い。
この映画、全体が80年代に一世を風靡した、エンパイアピクチャーズあたりのラインナップにありそうな、懐かしいムードに満ちているのだ。
殺人鬼のオリジンを巡るミステリはアルジェントの「フェノミナ」、双生児の片割れの大暴れはヘネンロッターの「バスケット・ケース」、地下世界に蠢くクリーチャーはダグラス・チークが撮った「チャド」を思わせる。
シアトルが1889年の大火の後に上底された街で、今の街の地下に破棄された旧市街があるのは知らなかった。
調べてみると、あの地下廻りツアーも本当にあるみたいなので、いつか行ってみたい。
夢の連続殺人から、ガブリエルが正体を現した後の大虐殺まで、「R18+」も納得、ゴア描写も全く容赦無しだ。
まあこの手の映画の一番の顧客であろう、ホラーマニアのティーンが見られないのは、ちょっと残念だけど。
出世作の「ソウ」では、デスゲーム映画のブームを作った。
正統派オカルトは、「死霊館」と「インシディアス」で散々やった。
「ワイルド・スピード SKY MISSION」と「アクアマン」の大ヒットで、ホラーだけじゃないのも十分に証明できた。
ジェームズ・ワンは、このタイミングで、昔好きだった作品の悪ノリ再現的なものを、一度は作ってみたかったんだろうなあ。
妙に能天気な終幕まで、ひと昔の映画っぽい緩さ。
血の繋がりを超えるのはいいけどさ、州兵まで呼ばれちゃって、あんた今それどころじゃないだろ(笑
はたして21世紀の現在に、このテイストがどのくらい支持されるのかは分からないが、80年代オマージュが効きまくった、愛すべきモンスターホラーだ。
B級ジャンル映画好きには、たまらない。
悪夢の後には良い夢を、と言うことで「ドリーム」をチョイス。
ブランデー40ml、オレンジキュラソー20ml、ペルノ1dashを氷と一緒にシェイクし、グラスに注ぐ。
ブランデーのコクとオレンジキュラソーの甘味のバランスも良く、高いアルコール度数のおかげで、一杯で名前の通り夢に誘われる。
ナイトキャップにおすすめ。
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現在最高のホラー・マイスター、ジェームズ・ワン監督による、2016年の「死霊館 エンフィールド事件」以来となる待望の新作ホラー。
しかも過去の作品とは、だいぶムードが違う新境地に挑んでいる。
舞台は現在のシアトル。
アナベル・ウォーリス演じる妊娠中の女性、マディソンが見た恐ろしくリアルな殺人の悪夢。
しかしそれはただの夢で終わらず、次々と現実化する。
彼女の夢に付き纏う、異形の連続殺人鬼”ガブリエル”は何者か。
まあこのガブリエルの正体に関しては、冒頭に描かれる93年の病院のシーンで、「悪性腫瘍を取り除く」と言ってるので、奇形嚢腫から生まれた「ブラックジャック」のピノコみたいな存在だと、早々に想像はつく。
タイトルの「マリグナント」も「悪性」という意味だし。
問題は、取り除かれたはずの意志を持った腫瘍が、20年以上たった今になって、なぜ、どうやって暴れ出したのかという点。
ピノコは、ブラックジャックによって子供の姿の仮の器を与えられて生き延びたが、こちらでも誰かが腫瘍を持ち出して、肉体を作ったのか?それとも幽霊?インシディアスに出てきた悪魔みたいに、霊的だけど肉体を持つ?などいろいろ想像してたのだが、終盤明かされるその正体は、想像の斜め上をゆくものだった。
アレがドーンと出現するシーンとか、もうビックリして唖然としてしまったが、ギャグとホラーのちょうど境界。
いやー、ジェームズ・ワン心底楽しんどるだろ。
冒頭の病院ショットから、妙に画が作り物っぽく安っぽいが、これは狙い。
この映画、全体が80年代に一世を風靡した、エンパイアピクチャーズあたりのラインナップにありそうな、懐かしいムードに満ちているのだ。
殺人鬼のオリジンを巡るミステリはアルジェントの「フェノミナ」、双生児の片割れの大暴れはヘネンロッターの「バスケット・ケース」、地下世界に蠢くクリーチャーはダグラス・チークが撮った「チャド」を思わせる。
シアトルが1889年の大火の後に上底された街で、今の街の地下に破棄された旧市街があるのは知らなかった。
調べてみると、あの地下廻りツアーも本当にあるみたいなので、いつか行ってみたい。
夢の連続殺人から、ガブリエルが正体を現した後の大虐殺まで、「R18+」も納得、ゴア描写も全く容赦無しだ。
まあこの手の映画の一番の顧客であろう、ホラーマニアのティーンが見られないのは、ちょっと残念だけど。
出世作の「ソウ」では、デスゲーム映画のブームを作った。
正統派オカルトは、「死霊館」と「インシディアス」で散々やった。
「ワイルド・スピード SKY MISSION」と「アクアマン」の大ヒットで、ホラーだけじゃないのも十分に証明できた。
ジェームズ・ワンは、このタイミングで、昔好きだった作品の悪ノリ再現的なものを、一度は作ってみたかったんだろうなあ。
妙に能天気な終幕まで、ひと昔の映画っぽい緩さ。
血の繋がりを超えるのはいいけどさ、州兵まで呼ばれちゃって、あんた今それどころじゃないだろ(笑
はたして21世紀の現在に、このテイストがどのくらい支持されるのかは分からないが、80年代オマージュが効きまくった、愛すべきモンスターホラーだ。
B級ジャンル映画好きには、たまらない。
悪夢の後には良い夢を、と言うことで「ドリーム」をチョイス。
ブランデー40ml、オレンジキュラソー20ml、ペルノ1dashを氷と一緒にシェイクし、グラスに注ぐ。
ブランデーのコクとオレンジキュラソーの甘味のバランスも良く、高いアルコール度数のおかげで、一杯で名前の通り夢に誘われる。
ナイトキャップにおすすめ。

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この記事へのコメント
こんにちは。
「ホンモノ」のホラーを鑑賞した、と思いました。
怖かったです、ホント。
だけどやっぱりDV夫を持つのは人生最大の悪手だな(確信)。
「ホンモノ」のホラーを鑑賞した、と思いました。
怖かったです、ホント。
だけどやっぱりDV夫を持つのは人生最大の悪手だな(確信)。
>ここなつさん
そもそもあいつがいらんことしなければ、ずっと眠っていたのにね。
流産させるくらいの力は持ってたから、いつかは復活したかもしれないけど。
懐かしいムードに満ちた、愛すべきホラー映画でした。
そもそもあいつがいらんことしなければ、ずっと眠っていたのにね。
流産させるくらいの力は持ってたから、いつかは復活したかもしれないけど。
懐かしいムードに満ちた、愛すべきホラー映画でした。
> 流産させるくらいの力は持ってたから
ガブリエルって聖母マリアに受胎告知をする大天使の名前です。そんな教え方はいかん!
ガブリエルって聖母マリアに受胎告知をする大天使の名前です。そんな教え方はいかん!
2021/12/04(土) 23:44:14 | URL | fjk78dead #-[ 編集]
>ふじきさん
受胎告知ね。
まあ完全に皮肉なんだろうけど、天使の名を持つ悪魔ってのがいかにもB級でよろしい。
受胎告知ね。
まあ完全に皮肉なんだろうけど、天使の名を持つ悪魔ってのがいかにもB級でよろしい。
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漆黒の殺人鬼が登場する恐ろしい殺人事件の「悪夢体験」に苛まれ始めた女性マディソン。 さらに、夢の中で見た殺人の数々が現実世界でも起こってしまった。 リアルな殺人を疑似体験することによって、マディソンは自身の秘められた過去に導かれていく…。 ホラー。 R-18 ≪ヤツは[一番近く]にいる。≫
2021/11/16(火) 22:56:09 | 象のロケット
こえーよ…。こんなに怖い映画は何十年ぶりに観た。小学生の感想文みたいでごめんなさい。でも本当にそんな気持ちである。余計なお世話だが私の隣にいたカップルは、終始女性の方が限界点を超えたみたいな感じで男性の方に体を寄せており、それが狙いだったのかもしれないけれど、最初の方のデートでこの作品に連れて行かれたら、私なら今後のお付き合いを考えてしまうかもしれない。ありゃー、怖かったよねー、と後々語り合...
2021/11/25(木) 15:22:21 | ここなつ映画レビュー
◆『マリグナント 狂暴な悪夢』ユナイテッドシネマ豊洲6
▲謎が分かった後だと、このスチール1枚でもニヤニヤしてしまう。
五つ星評価で【★★★★ジェームズ・ワンという人は頭がおかしい。そのおかしさに拍手】
うわ、まだこんな手があったのかって呆れるわ。やっぱ収監されてからが無双すぎて大笑い。しかし、これは続いてしまいそうだけど続けば続くほどつまらなくなる予感しかない(それって、まるで『SAW...
2021/12/04(土) 23:45:42 | ふじき78の死屍累々映画日記・第二章
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