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ショートレビュー「殺人の告白・・・・・評価額1600円」
2013年06月11日 (火) | 編集 |
「殺人の追憶」への追憶。

邦題が思いっきり示唆するように、本作のモチーフになっているのはポン・ジュノ監督の傑作「殺人の追憶」と同じ、華城連続殺人事件である。
1986年から1991年にかけて、京畿道華城郡で10人の女性が殺害された事件は、最後の犠牲者が出て20年以上が経過した現在でも未解決のままだ。
もしもこの事件の犯人が、時効成立後に名乗り出ていたら?というところから発想された本作は、ポン・ジュノ作品にオマージュを捧げながらも、まったく別の面白さを持つ快作となった。

映画では事件の名称や細部は変えてあるが、時効の成立から2年後の2007年、パク・シフ演じるイ・ドゥソクという男が、自分が17年前の事件の犯人だと名乗り出るところから物語が動き出す。
マスコミが大騒ぎする中、彼は事件の詳細を書いた本を上梓し、その甘いマスクも相まって一躍ベストセラー作家として脚光を浴びるのだ。
しかし、事件の担当刑事だったチェ班長は彼の告白を信じない。
なぜなら、彼は17年前に一度犯人を取り逃がしており、その時に二人だけしか知らない会話を交わしていたからだ。
そして、イ・ドゥソクとチェ班長がテレビの討論番組で対決した時、真犯人だと名乗る“J”という謎の男から電話がかかってくる。
ここから、物語はイ・ドゥソクvsチェ班長vs“J”の三人に、真犯人に復讐を誓う事件の被害者遺族のグループまで加わった四つ巴の騙し合いに突入する。
イ・ドゥソクを誘拐する遺族グループに、奪還しようとする警察の大バトル、“J”が送りつけてくる新たな“証拠”に隠された秘密。
物語は二転三転し、まったく先を読ませないままに119分間を突っ走る。

これが長編劇映画デビュー作となるチョン・ビョンギル監督は、アクション畑の出身。
だからだろうか、本来物語の面白さで見せる話なのに、イ・ドゥソク誘拐のシークエンスやクライマックスの怒涛のカーチェイスなど、ジャッキー・チェン顔負けのアクションもてんこ盛り。
キャラクターもシリアスな人物もいれば、まるで別の映画から飛び込んで来た様な漫画チックなキャラクターまでごちゃ混ぜだ。
ポン・ジュノからスピルバーグまで、過去の映画的記憶を総動員したコテコテのテイストはお世辞にも洗練されているとは言いがたいが、バランス云々はともかく、やりたい事を全部詰め込んで、徹底的に面白いモノを見せてやる!というスクリーンから迸るようなパワーには圧倒されるしかない。
イ・ドゥソクがどう考えても若すぎるとか、彼をホテルのプールから誘拐するのにマムシを使うとか、凄いのか間抜けなのか良く分からない部分も、なんだか勢いで気にならなくなってしまうのだ。
これは言わば、「殺人の追憶」の続編的なアイディアから出発し、「悪魔を見た」などの猟奇殺人物や、さらに「グエムル~漢江の怪物~」のコメディテイストまで取り込んだ、ロマンス以外の韓流フルコース
少々濃すぎて胃もたれする部分もあるが、お腹いっぱいに堪能できる。

今回は、こってり系なのでスッキリ、サッパリの「ハイト プレミアム ドラフト」をチョイス。
発泡酒にスピリットを添加した日本で言うところの新ジャンルの一本。
ビールの様なコクや深みにが欠けるが、蒸し暑い梅雨の夜にはこの軽さがむしろ良い。
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コメント
この記事へのコメント
ノラネコさんこんにちは、

>ロマンス以外の韓流フルコース。

まさにそうですね、最初から最後迄、笑えるほどバカな失敗やカーアクション、騙しあいなどすごーく濃くて楽しめる作品でした〜♪
今年のお気に入りの1本です。
もっっと皆に観て欲しい!
2013/06/12(水) 11:47:21 | URL | mig #JTxNwRAU[ 編集]
こんばんは
>migさん
これ観てる人少ないですね。
物語も面白いし見せ場は満載だし、二時間があっという間。
もっと注目されて良い出来だと思うんですけど。
2013/06/13(木) 00:56:23 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
こんにちは♪
これは面白かったですね。
観てる方が少なくて残念です。
韓国映画はこういうのが好きなので満足でした。
ハリウッド並のアクションシーンも見応えありました。
2013/06/21(金) 12:48:31 | URL | yukarin #-[ 編集]
日韓の映画の違い。
>徹底的に面白いモノを見せてやる!

そう、ここなんですよね。
先日、この半年に観た日本映画を振り返ってみたのですが、
心に残っているのはすべて「ドラマ」ということに気づきました。
日本映画は、サスペンスやアクションなどのエンターテイメントでは韓国映画には劣るけど、
ドラマではけっこういいところを行っている気がします。
今後、どう切り開いていくか、
そこが課題でしょうね。
2013/06/22(土) 12:13:56 | URL | えい #yO3oTUJs[ 編集]
こんばんは
>yukarinさん
危うく観逃すところでしたが、実に面白かった。
「殺人の追憶」へのオマージュから始まってはいますが、全く別の面白さとまさかの展開の連続には舌を巻きました。
いや、お見事でした。

>えいさん
なんかもう、エンタメ欲求にはとことん応じるというか、出来ることは全て詰め込んでやるという意気込みを感じました。
こういう熱はやはり韓国の映画に勝てる気がしませんね。
勿論日本映画にも美点はあるわけで、例えれば唐辛子の辛さとわさびの辛さの違いみたいなものかも。
とは言えたまには日本映画にも唐辛子が欲しくなるんですけどね。
2013/06/25(火) 22:51:44 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
先を読ませない
ノラネコさん☆
これ本当に面白かったです。
先を読ませない展開も、先を読ませない予告編も素晴らしく良かった。
ときどき笑えるところも、激しくコメディタッチに走ってないし、イケメンのサービスショットも嫌味なく、バランスよく仕上がっていたと思います。
2013/07/03(水) 18:21:11 | URL | ノルウェーまだ~む #gVQMq6Z2[ 編集]
こんばんは
>ノルウェーまだ〜むさん
実に良くできた娯楽映画でした。
なんか「殺人の追憶」のぱちもん臭いし、DVDでも良いかなとか思ってたのですが、全く異なる良さを持った作品。
観逃さなくて良かったです。
2013/07/06(土) 19:21:04 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
シネマートでけっこうな長期間、上映してましたけど、観てる人の絶対数は少ないですよね。
花火といっしょで慎ましやかな線香花火をずっと長い時間やってるより、ドカンとでっかい打ち上げ花火を打ち上げんと、でかい商売にはつながらないんですよね。これをメジャー系列の映画館で公開しなかった理由って何なんだろう?
2013/12/09(月) 10:32:51 | URL | ふじき78 #rOBHfPzg[ 編集]
こんばんは
>ふじき78さん
まあ単純にお客が入らないからでしょう。
日本の韓流は良くも悪くもスターシステムのムーブメントで、しかも中心は劇場じゃなくてDVD。
本作はシネコンにかけられるほど知名度のある人が出てないからでしょう。
最低限イ・ビョンホンやチョン・ジヒョンが出てなきゃ無理って事ですね。
2013/12/11(水) 20:33:40 | URL | ノラネコ #xHucOE.I[ 編集]
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