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2005年11月07日 (月) | 編集 |
なんか昔ばなし系が続くなあ・・・。
んー、例えばコクと旨味タップリの濃厚トンコツラーメンを食べに、博多の専門店に行ったとする。
ところが出てきたのは、何とも特徴の無い薄味のファミレスラーメンだった・・・・例えて言えばそんな映画だった。
物語は19世紀初頭、フランス占領下のドイツが舞台で、まだ作家になる前のグリム兄弟が主人公だ。
彼らは著名なモンスターハンターとして生計を立てているのだが、実はその対峙するモンスターは全て仲間の仕込み。
田舎の迷信深さを利用して、偽の事件をでっちあげ、それを自分で解決して金をせしめるペテン師の兄弟であった。
同じ頃、呪い伝説のあるある森で、11人の少女が失踪するというミステリアスな事件が起こり、フランス占領軍の命令を受けたグリム兄弟は、嫌々ながら「本物」の魔物と対決せざるを得なくなる。
このプロットは、偽プロフェッショナルが本物の事件と対峙することで、図らずも本物として成長するという「サボテンブラザース」や「ギャラクシークエスト」と同じパターンで、特に目新しい物ではない。
もちろん上記の二本は傑作だし、このパターンでもいくらでも面白い映画にはなると思うが、率直に言って私には何故テリー・ギリアムがこの映画を撮ったのかが判らない。
「グリム兄弟が作家になる前に、モンスターハンターだったての面白くない?」
「ああ、それ良いねえ!ファンタジーブームだしねえ」
こんな程度のノリ以上の要素があったとは思えないのだ。
この映画にはテリー・ギリアムという強烈な個性を持つ作家が殆んど見えない。
物語には何のメタファーも無いし、ひねった世界観も無い。
いや、正確には細かな描写で若干ギリアムっぽい毒はあるし、占領軍のフランスを近代の象徴とし、中世の破壊者としての役割を与えようとしているフシはある。
が、その辺はあまりにもあっさりしすぎていて、かなり深読みしなければ判らないし、むしろ演出の力点としてはハリウッドステロタイプ的な悪役である事を強調する方向に向いている。
どっちにしろ「近代vs中世」「自然vs人間」なんてベタなテーマは、こっちはミヤザキアニメで食傷気味なくらいなんだよね。
ついでながらこの作品中のフランス人の扱いは、ナチスドイツ並の酷さである。
イタリア人の描写もあんまりと言えばあんまりだ。
ネタバレになるので書かないけど、終盤のイタリア人の行動の心理もサッパリわからない。
ギリアムはラテン民族に何か恨みでもあるのだろうか??
グリム童話をモチーフとした映画で真っ先に思い浮かぶのは、同じく英国のニール・ジョーダン監督の「狼の血族」だが、あれはセクシャルな心理メタファーとしての童話という明確な演出イメージがあった。
この映画では「ヘンゼルとグレーテル」や「赤頭巾」などの有名な童話のエピソードが散りばめられているが、単にモチーフであるに過ぎず、この映画がグリム兄弟の話である事を観客に思い出させるデコレーション以上の意味は持たない。(逆に思い出させてくれないと、グリム兄弟の話であることすら忘れてしまう)
まあ一言で言って、作家性の薄い普通のハリウッド娯楽映画なのだが、問題は作家性の無いテリー・ギリアムなどはっきりいって無価値って事なのだ。
この人の面白さは「タイムバンデット」や「未来世紀ブラジル」で見せた全ての事象を斜め読みするようなひねくれた世界観であり、寓話性の強いメタファーの表現だったはず。
職人的な演出の技術は決して上手くないし、単純に面白いかどうかで言えば、ギリアムは絶対にスピルバーグみたいには賞賛されない。
正直この映画のテリー・ギリアムは、やりたい事が無かったか、見失って惰性で撮った様な感じ。
ビジュアル的には凝っているので、それなりには観られるが、ギリアムファンには薄味過ぎて物足りないだろうし、単純に面白い娯楽ファンタジーが観たい人には少々かったるいだろう。
私的にもかなり物足りない思いが残ったので、今夜は「電気ブラン」でも飲んで忘れてしまおうと思う。
電気ブランは浅草の神谷バーの名物で、明治15年以来日本で作られ今に伝えられる最古のカクテルである。
正確な作り方は秘伝とされているが、ブランデーをベースに、ワイン、ジン、キュラソーなどをカクテルしてあり、かなりキツイ。
私は調子にのってこれを飲み続け、意識を失った事があります(笑
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電気ブラン、浅草まで来られなくてもお試しを

これはプレゼントにいいかも
「ブラザー」よりこっちのがオススメ
ギリアムならやっぱ「ブラジル」が一番好きです
んー、例えばコクと旨味タップリの濃厚トンコツラーメンを食べに、博多の専門店に行ったとする。
ところが出てきたのは、何とも特徴の無い薄味のファミレスラーメンだった・・・・例えて言えばそんな映画だった。
物語は19世紀初頭、フランス占領下のドイツが舞台で、まだ作家になる前のグリム兄弟が主人公だ。
彼らは著名なモンスターハンターとして生計を立てているのだが、実はその対峙するモンスターは全て仲間の仕込み。
田舎の迷信深さを利用して、偽の事件をでっちあげ、それを自分で解決して金をせしめるペテン師の兄弟であった。
同じ頃、呪い伝説のあるある森で、11人の少女が失踪するというミステリアスな事件が起こり、フランス占領軍の命令を受けたグリム兄弟は、嫌々ながら「本物」の魔物と対決せざるを得なくなる。
このプロットは、偽プロフェッショナルが本物の事件と対峙することで、図らずも本物として成長するという「サボテンブラザース」や「ギャラクシークエスト」と同じパターンで、特に目新しい物ではない。
もちろん上記の二本は傑作だし、このパターンでもいくらでも面白い映画にはなると思うが、率直に言って私には何故テリー・ギリアムがこの映画を撮ったのかが判らない。
「グリム兄弟が作家になる前に、モンスターハンターだったての面白くない?」
「ああ、それ良いねえ!ファンタジーブームだしねえ」
こんな程度のノリ以上の要素があったとは思えないのだ。
この映画にはテリー・ギリアムという強烈な個性を持つ作家が殆んど見えない。
物語には何のメタファーも無いし、ひねった世界観も無い。
いや、正確には細かな描写で若干ギリアムっぽい毒はあるし、占領軍のフランスを近代の象徴とし、中世の破壊者としての役割を与えようとしているフシはある。
が、その辺はあまりにもあっさりしすぎていて、かなり深読みしなければ判らないし、むしろ演出の力点としてはハリウッドステロタイプ的な悪役である事を強調する方向に向いている。
どっちにしろ「近代vs中世」「自然vs人間」なんてベタなテーマは、こっちはミヤザキアニメで食傷気味なくらいなんだよね。
ついでながらこの作品中のフランス人の扱いは、ナチスドイツ並の酷さである。
イタリア人の描写もあんまりと言えばあんまりだ。
ネタバレになるので書かないけど、終盤のイタリア人の行動の心理もサッパリわからない。
ギリアムはラテン民族に何か恨みでもあるのだろうか??
グリム童話をモチーフとした映画で真っ先に思い浮かぶのは、同じく英国のニール・ジョーダン監督の「狼の血族」だが、あれはセクシャルな心理メタファーとしての童話という明確な演出イメージがあった。
この映画では「ヘンゼルとグレーテル」や「赤頭巾」などの有名な童話のエピソードが散りばめられているが、単にモチーフであるに過ぎず、この映画がグリム兄弟の話である事を観客に思い出させるデコレーション以上の意味は持たない。(逆に思い出させてくれないと、グリム兄弟の話であることすら忘れてしまう)
まあ一言で言って、作家性の薄い普通のハリウッド娯楽映画なのだが、問題は作家性の無いテリー・ギリアムなどはっきりいって無価値って事なのだ。
この人の面白さは「タイムバンデット」や「未来世紀ブラジル」で見せた全ての事象を斜め読みするようなひねくれた世界観であり、寓話性の強いメタファーの表現だったはず。
職人的な演出の技術は決して上手くないし、単純に面白いかどうかで言えば、ギリアムは絶対にスピルバーグみたいには賞賛されない。
正直この映画のテリー・ギリアムは、やりたい事が無かったか、見失って惰性で撮った様な感じ。
ビジュアル的には凝っているので、それなりには観られるが、ギリアムファンには薄味過ぎて物足りないだろうし、単純に面白い娯楽ファンタジーが観たい人には少々かったるいだろう。
私的にもかなり物足りない思いが残ったので、今夜は「電気ブラン」でも飲んで忘れてしまおうと思う。
電気ブランは浅草の神谷バーの名物で、明治15年以来日本で作られ今に伝えられる最古のカクテルである。
正確な作り方は秘伝とされているが、ブランデーをベースに、ワイン、ジン、キュラソーなどをカクテルしてあり、かなりキツイ。
私は調子にのってこれを飲み続け、意識を失った事があります(笑

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