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2005年11月25日 (金) | 編集 |
二年前の夏、ニューヨークを中心に、アメリカ北東部の大部分が停電するという、未曾有の大停電が起こった。
都市の生命線が止まり、街は中世に戻ったように真っ暗。
すわ、人々がパニックに陥り略奪や暴動が起こるのでは、という予想に反して大都市の住民は全く冷静で、むしろクールなニューヨーカーには普段はあまり見られない相互扶助の精神まで見られた。
人々は蝋燭を手に街のバーでゆったり世間話をし、普段は見られない都会の星空を眺めたりして大停電の夜を過ごしたそうである。
この「ちょっと良い話」をNY以上の大都会である東京の、もっとも輝くクリスマスイブの夜に舞台を移して映画化するという発想は良いと思う。(ちょいベタではあるけど)
ただでさえクリスマス前後は無国籍ぶりが際立つ東京だが、元ネタがNYのせいか映画自体も往年のハリウッド人情映画を目指しているフシがある。
実際、美術陣の健闘もあって、この映画にでてくる東京はちょっと浮世離れした華やかさがあって、実に魅力的だ。
東京、クリスマスイブの夜。
様々な人がそれぞれの思いを載せて、聖なる夜を迎えている。
街は光に溢れ、ある者には幸せな、ある者には悲しい、またある者には切なげな夜になるはずだった。
だが、郊外の変電所に隕石(実は人工衛星)が落下。
大都会東京は、一瞬にして停電してしまう。
そしてその停電は、その夜東京にいた人々の人生を少しずつ変える事となるのだ。
前記したように、大元の発想や設定は良いんだよね。
しかし残念ながら映画はそれを生かす事が出来なかった。
原因はハッキリしていて、要するに登場人物が多すぎるのだ。
ざっと数えてみただけで、メインキャラだけで12人もいる!
しかも一見関係ない彼らの人生は、少しずつ互いの人生にかかわりを持っていて、なおかつ彼ら自身の置かれている現在の状況が他の誰かの過去とかぶさるという、実に複雑な作劇をしている。
群像劇とはいっても二時間少々で描ききれる数ではないし、複雑な作劇のわりに脚本もそれほど練った形跡が無い。(例えば、人工衛星マニアの少年と乳癌の少女のエピソードは全く本筋に絡んでこず、物語の世界を広げる以上の役割を果たしていない)
キャラクターの造形自体はそれなりに皆個性的で面白いのに、それぞれの人格に軽くタッチするだけで終わってしまう。
例えば生き別れの母子の40年ぶりの再会など、本来泣きのシーンなのに、私は全く泣けなかった。
感動の対面までの母親の登場シーンは僅か2,3シーン、時間にして5分あるかないか過ぎないのだ。
我々観客には「彼女はなんとなくこんな人?」って設定を説明された程度のインフォメーションしかない。
これでは感動したくても感情移入出来ない。
一応、一番じっくり描いているのは、豊川悦司と田畑智子演じる、イブの夜で閉店するという場末のバーの、ジャズベースシストくずれの店主と、彼に思いを寄せるキャンドル屋の女の子のお話。
この二人のエピソードは場所が固定されていて、会話劇だったおかげでそれなり突っ込んで描けていた。
いっそのこと、この擬似ニューヨークであるバーのある路地を中心に、舞台劇の様な構造にしたら面白かったのに。
全体に、舞台装置は凝っているのに、描きたい事が多すぎて全て表層を撫でただけで終わってしまった。
画面に入り込んでいけないから、ディテールに余計目が行ってしまい、 「ホテルの非常電源ってあんな何時間も持つんか?」とか「停電なのに天文台の蛍光灯はつくんだ」とか「スゲエ数の蝋燭だなあ、テイクのたんびに消したり点けたり大変だったろうなあ」とかどうでもいいことが頭をよぎってしまう。
クリスマスの夜の寓話に甘く酔いたいのに、アルコールの入ってないカクテルを出されたような気分。
もっとずっと面白く作れた気がするだけに、「もったいない」という思いが強い。
オープニングタイトルロールにも出てくる”TRACKS SANTA” とは北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が毎年実地しているサンタ追跡のボランティアサービス。
なんと日本語サイトまである。
こういう所にもエネルギーを惜しまない、アメリカ人のエンターティナーぶりは流石です。
もっともこれも出てきただけで映画的にほとんど生かされて無いのが残念だが。
ちなみにこの映画、やたらと酒を飲むシーンが出てくる。
日本酒からシャンパン、ビール、ウィスキー、カクテル・・・なにせ舞台の一つがバーだから、ありとあらゆる酒が画面に写ってる。
さてそんな「大停電の夜に」飲みたいのはシングルモルトのお湯割り。
いや、なに宇津井健がお湯割りを飲むシーンが、CMみたいで格好よかったからさ。
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余市12年物。
国産ウィスキーではニッカが一番好きです。

メイキングです。

監督自身によるノベライズ版。
都市の生命線が止まり、街は中世に戻ったように真っ暗。
すわ、人々がパニックに陥り略奪や暴動が起こるのでは、という予想に反して大都市の住民は全く冷静で、むしろクールなニューヨーカーには普段はあまり見られない相互扶助の精神まで見られた。
人々は蝋燭を手に街のバーでゆったり世間話をし、普段は見られない都会の星空を眺めたりして大停電の夜を過ごしたそうである。
この「ちょっと良い話」をNY以上の大都会である東京の、もっとも輝くクリスマスイブの夜に舞台を移して映画化するという発想は良いと思う。(ちょいベタではあるけど)
ただでさえクリスマス前後は無国籍ぶりが際立つ東京だが、元ネタがNYのせいか映画自体も往年のハリウッド人情映画を目指しているフシがある。
実際、美術陣の健闘もあって、この映画にでてくる東京はちょっと浮世離れした華やかさがあって、実に魅力的だ。
東京、クリスマスイブの夜。
様々な人がそれぞれの思いを載せて、聖なる夜を迎えている。
街は光に溢れ、ある者には幸せな、ある者には悲しい、またある者には切なげな夜になるはずだった。
だが、郊外の変電所に隕石(実は人工衛星)が落下。
大都会東京は、一瞬にして停電してしまう。
そしてその停電は、その夜東京にいた人々の人生を少しずつ変える事となるのだ。
前記したように、大元の発想や設定は良いんだよね。
しかし残念ながら映画はそれを生かす事が出来なかった。
原因はハッキリしていて、要するに登場人物が多すぎるのだ。
ざっと数えてみただけで、メインキャラだけで12人もいる!
しかも一見関係ない彼らの人生は、少しずつ互いの人生にかかわりを持っていて、なおかつ彼ら自身の置かれている現在の状況が他の誰かの過去とかぶさるという、実に複雑な作劇をしている。
群像劇とはいっても二時間少々で描ききれる数ではないし、複雑な作劇のわりに脚本もそれほど練った形跡が無い。(例えば、人工衛星マニアの少年と乳癌の少女のエピソードは全く本筋に絡んでこず、物語の世界を広げる以上の役割を果たしていない)
キャラクターの造形自体はそれなりに皆個性的で面白いのに、それぞれの人格に軽くタッチするだけで終わってしまう。
例えば生き別れの母子の40年ぶりの再会など、本来泣きのシーンなのに、私は全く泣けなかった。
感動の対面までの母親の登場シーンは僅か2,3シーン、時間にして5分あるかないか過ぎないのだ。
我々観客には「彼女はなんとなくこんな人?」って設定を説明された程度のインフォメーションしかない。
これでは感動したくても感情移入出来ない。
一応、一番じっくり描いているのは、豊川悦司と田畑智子演じる、イブの夜で閉店するという場末のバーの、ジャズベースシストくずれの店主と、彼に思いを寄せるキャンドル屋の女の子のお話。
この二人のエピソードは場所が固定されていて、会話劇だったおかげでそれなり突っ込んで描けていた。
いっそのこと、この擬似ニューヨークであるバーのある路地を中心に、舞台劇の様な構造にしたら面白かったのに。
全体に、舞台装置は凝っているのに、描きたい事が多すぎて全て表層を撫でただけで終わってしまった。
画面に入り込んでいけないから、ディテールに余計目が行ってしまい、 「ホテルの非常電源ってあんな何時間も持つんか?」とか「停電なのに天文台の蛍光灯はつくんだ」とか「スゲエ数の蝋燭だなあ、テイクのたんびに消したり点けたり大変だったろうなあ」とかどうでもいいことが頭をよぎってしまう。
クリスマスの夜の寓話に甘く酔いたいのに、アルコールの入ってないカクテルを出されたような気分。
もっとずっと面白く作れた気がするだけに、「もったいない」という思いが強い。
オープニングタイトルロールにも出てくる”TRACKS SANTA” とは北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)が毎年実地しているサンタ追跡のボランティアサービス。
なんと日本語サイトまである。
こういう所にもエネルギーを惜しまない、アメリカ人のエンターティナーぶりは流石です。
もっともこれも出てきただけで映画的にほとんど生かされて無いのが残念だが。
ちなみにこの映画、やたらと酒を飲むシーンが出てくる。
日本酒からシャンパン、ビール、ウィスキー、カクテル・・・なにせ舞台の一つがバーだから、ありとあらゆる酒が画面に写ってる。
さてそんな「大停電の夜に」飲みたいのはシングルモルトのお湯割り。
いや、なに宇津井健がお湯割りを飲むシーンが、CMみたいで格好よかったからさ。

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