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奇談・・・・・評価額1100円
2005年12月07日 (水) | 編集 |
異才、諸星大二郎の「妖怪ハンターシリーズ」から二度目の映画化。
にしても何でタイトルが「奇談」なの?
「妖怪ハンター」じゃないにしても、これじゃ内容の想像も出来ない。
作品世界を現すのに、あまりもあっさりし過ぎじゃないの?

大学院で民俗学を専攻する里美は、奇妙な夢に導かれるように、東北の奥地の嘗ての隠れキリシタン村を訪ねる。
彼女は16年前に、この村に預けられ、神隠しにあっていたのだ。
村で里美は、調査にやってきていた民俗学者稗田礼二郎と出会う。
稗田によると、この村には「はなれ」と呼ばれる謎の集落があり、そこにはカソリックの聖書とは全く異なる「世界開始の科の御伝え」という創世神話が伝えられているという。
その頃、「はなれ」の善次という男が十字架にかけられて殺害され、「はなれ」の住人が一人を除いて全員失踪するという事件が起こる。
ただ一人残った重太という男は、みんな「いんへるの」へ行ったと言う。
「いんへるの」とはどこなのか?「世界開始の科の御伝え」の秘密とは?


う~ん、名は体を現すというか・・・
諸星大二郎の原作漫画を、独特の雰囲気を損なわず映像に置き換えている、という意味ならこれは非常によく出来ている。
しかし独立した一本の映画としてみると、何か物足りない印象が残る
全体に話の運びがあっさりしすぎているのだ。
元々原作は一時間くらいの中篇にするのにぴったりというボリュームしかないので、この映画版は原作になっている「生命の木」に「妖怪ハンター」の別のエピソードである「天神さま」の、神隠しにあった子供が時を越えて帰ってくるという設定を加える事で、物語にふくらみを持たせようとしている。
だが、残念ながら、神隠しのエピソードは物語に効果的に組み込まれているとは言えない。
そもそも神隠しは何の意味があるのか?なぜ七歳の子供なのか?なぜ女の子だけは帰ってこられるのか?作中の謎には一切の説明も解決も提示されない。
結果的に二つの謎解きを観客に仕掛けておいて、一方だけ答えを明かし、もう一方はほったらかしで終わってしまっている。
勿論謎を謎のままとして終わらせる物語もあるけど、それならそれなりの作劇が必要で、これはどう考えても脚本の失敗だ。
たぶん原作を読んでない人は、混乱して訳が判らなくなるのではないか。

脚本を複雑化させているのに、個々のエピソードの描写はやけにあっさり。
例えばクライマックスの舞台になる、何百年もの間密かに隠されてきた異界「いんへるの」への入り口は、なんと村の真ん中から展望できる場所にあるのだ。 (少なくとも劇中ではその様にしか見えない)
オイオイ、あんなわかり易い所にあったら、とっくに誰かが見つけてるだろう。
これは原作でももう少し判りにくい場所の設定だったぞ。

撮り方によっては、クライマックスへの盛り上がりの重要なポイントになる、善次の復活もB級ホラーの1シーンをなぞった様な描写で終わってしまっている。
妙に物語を複雑化させるよりも、原作の描写を膨らませていった方が効果的だったような気がしてならない。

「はなれ」の人々の正体や「いんへるの」の意味なども、原作同様に全てセリフでの説明に終始している。
いくら原作に忠実とはいっても、このあたりはストーリーの盛り上げとしてはキモの部分なのだから、映画ならではの語り口を見せて欲しかった。

見るからに深い山々に、100年は経っていそうな茅葺の家々が点在するロケーションはムード満点。
主人公の稗田礼二郎を演じる阿部寛も、前回の映画化の時の沢田研二ほどミスマッチではなく、まあ納得できる。
「みなパライソさいくだあ!」のセリフで有名な昇天シーンのVFXも、やや荒いながらもほぼ原作通りのビジュアルイメージを見せてくれた。
画的な部分では健闘してるだけに、映画としては妙に小さく纏まってしまったのが残念だ。
二時間ドラマだと思えば不満もでないけどねえ・・・・。

さて、この映画の舞台となっている東北は酒どころ。
こんな山奥で自然に抱かれながら飲みたい酒に「出羽桜」の大吟醸をチョイス。
酸味はそれほど強くなく、何よりもフルーティな旨味が口いっぱいに広がる。
日本酒度は+6程度あり、適度な辛味も感じられる。
天童杜氏の巧みの技が生きている一品だ。

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