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ホテルルワンダ・・・・・評価額1800円
2006年01月26日 (木) | 編集 |
この映画、本来日本公開の予定が無かったのだが、ネット上の署名活動で公開が決まったのだそうだ。
運動を展開した「『ホテル・ルワンダ』日本公開を求める会」、そして彼らに答えた配給会社には、深くお礼を申し上げたい。
これほどの作品が「商売にならなそうだから」なんて理由で未公開に終わったら、そら恥ですわ。
(もちろんこの作品の興行が困難なのは理解しているが)
アメリカでも僅か7館から公開が始まって、口コミで話題を呼び最終的に800館を越える劇場で公開された。
日本でも公開中のシアターNは連日満員だという。
いや映画ファンも捨てたもんじゃないね。

1994年。
嘗ての支配民族で少数派ツチ族と、多数派フツ族の内戦が続くアフリカ、ルワンダ。
ベルギー系四つ星ホテル「ミル・コリン」の支配人でフツ族のポール・ルセサバギナは、そんな状況に不安を感じつつも、ツチ族の妻と二人の子供と幸せな生活を送っていた。
しかし和平協定が結ばれるはずの日、フツ族の大統領機が撃墜された事をきっかけに、フツ族民兵によるツチ族市民の無差別虐殺が始まる。
ポールは妻子をミル・コリンに避難させるが、ホテルには市内各地から助けを求めるツチ族の避難民が押し寄せてくる。
その数1200人。
混迷を極める現地情勢に、国連軍も旧宗主国のベルギー軍も去った。
ホテルを守るのは、それまでに培った四っ星ホテルの品格と、ポールの機転だけ・・・・


わずか10年ほど前に、中部アフリカのルワンダで起こった大虐殺を題材にした大変な労作だ。
映画は一軒のホテルと一人の男を中心に、極限状態の100日間を一気に見せる。
物語は終始主人公のポールを中心に描かれ、突然生活の全てを破壊される事態に直面し、それでも自分自身に誠実であろうとする彼の心の軌跡を追って行く。
単に硬派なだけの戦争ドラマではなく、物語はポールとミル・コリン・ホテルに降りかかる絶体絶命の危機また危機を、いかに乗り越えるのかという構造を持っているので、話としても十分面白い。
観客を全く飽きさせず、同時に伝えるべき物は伝えるという脚本は見事な仕上がりだ。
あえて言えば、非常に限定された場所から描いているので、犠牲者80万とも100万もと言われるルワンダ虐殺の全体像が見えにくい、という事はいえるかもしれない。
が、私も昔興味を持って調べた事があるけど、映画の背景となるツチ族とフツ族の対立は、周辺国や植民地時代からの様々な要素が絡み合って非常に複雑で、一般の観客にリアリティをもってアフリカの紛争を感じ取ってもらうには、この様にパーソナルな視点からアプローチするのが正解だったと思う。
実際、映画を観た事で、アフリカの現実に興味を持つ人は沢山いるはず、というかこれ観て無関心のままだったらヤバイでしょ、人として。
この映画を観た観客に、「もっと知りたい」と思わせた時点で映画の目的は達成されてると思う。
そこから先は観た人個々の問題な訳だし。

テリー・ジョージ監督は、北アイルランド紛争に材をとったジム・シェリダン監督の「父の祈りを」の脚本家として知られる人物だが、自身も北アイルランド紛争に絡んで拘留された事があるそうだ。
そういう体験のせいか、視点は常に冷静で現象を少し引いた目線で見つめ、イデオロギーは勿論キャラクターに過度に感情移入するのも極力避けている。
ごくごく平凡なポールは、我々がルワンダの現実をリアルにイメージするための目だ。
その意味でこの映画は、アフリカを舞台に暗躍する武器商人を描いた「ロード・オブ・ウォー」と共通する手法で描かれている。
ただ目になる人物がずっと我々に近い普通の男だけに、観客としてはずっとリアルに感情移入できるのだが。

だが、虐殺される市民「ホテルルワンダ」と武器商人「ロード・オブ・ウォー」という、アフリカの紛争を全く逆の立場から描いた2本の映画が、ほぼ同じ時期に作られた事はある意味歴史的必然だろう。
ルワンダでは94年以降、民族和解の努力が続けられているが、アフリカ(だけではないが)各地では今も戦火が続いているのだ。
今、この瞬間にも無数のポール・ルセサバギナが世界に向けて助けを求め、同時にユーリー・オルロフが銃を売りまくっているはずだ。
是非この2本はセットで観て何かを感じ、考えて欲しい物だ。

殆ど出ずっぱりで主人公ポールを演じるドン・チードルがとても良い。
ポールは、何も大きな使命感に駆り立てられて英雄的な行為をする訳ではない。
民兵に連行される隣人を見捨てるなど、むしろ何処にでもいるヘタレだ。
しかしこの眉毛の下がった気の弱そうな男が、迫り来る死の影にビビリながらも、父として夫として、そして誇り高きホテルマンとして誠実に行動した結果、1200人もの命が救われた。
彼は何か特別な事をしたわけでなく、人間として自分の立場で当たり前のことを当たり前に実行しただけ。
ただ戦争という当たり前でない時に、それを実行できるかどうかは、やはりその人の心の本質的な強さだろう。
そう言えばずっと前に何かで読んだんだが、オスカー・シンドラー杉原千畝の様に、戦時下自らの危険を顧みず人を助けた人には、幼少期に周囲の愛に満ちた生活を送ったと言う共通項があるそうだ。
逆にヒトラーの様な独裁者達は愛に飢えた幼少期を過ごした人が多いとも・・・。
勿論それだけでは無いだろうが、やはり人間最後の希望は愛か。

さて付け合せだが、面白かったのが、登場人物がみんな極限状態にも関わらずしょっちゅう酒飲んでる事。
まあ飲まなきゃやってられねえって事なのかもしれないが、物語的にも酒が「命の水」という扱いで生かされているし、実に美味そうだった。
と言うわけで、劇中の物とは違うが、私のお勧めベルギービールの「ヒューガルテンホワイト」を。
フルーティかつライトな飲み口で映画を観て余韻に浸るのにはぴったり。

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