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2006年02月26日 (日) | 編集 |
衣装箪笥の扉は不思議への扉♪
C・S・ルイス原作のファンタジーの古典、「ナルニア国物語~ライオンと魔女~」の最初の映画化。
ちなみにテレビシリーズは昔あったね。
第二次世界大戦中のイギリス。
ペベンシー家の四兄妹、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーは、ドイツ軍による爆撃が激しくなったロンドンから疎開して、田舎に住むカーク教授の邸宅に預けられる。
ある日、かくれんぼをして遊んでいたルーシーは、空き部屋に置かれた古い衣装箪笥の中から、不思議の国「ナルニア」に迷い込んでしまう。
そこは嘗て偉大な王アスランの建てた魔法の国。
しかし今アスランは去り、百年の冬でナルニアを支配するのは冷酷な白い魔女。
最初はルーシーの言う事を信じなかったピーターたちだが、ある日偶然にも全員が箪笥を通り抜けてナルニアに入ってしまう。
そこで彼らは、自分達こそナルニアの予言に記された、魔女を倒しナルニアの支配者となるべき、アダムとイブの4人の子供達である事を知るのだが、次男のエドマンドが予言の阻止を狙った白い魔女の手に落ちてしまう。
残された3人は、再び動き出したアスランに会うために長い旅にでるのだが・・・
お話はほぼ原作通り。
「パリポタ」や「ロード・オブ・ザ・リング」は長大な物語をいかに短くするかに腐心していたが、「ナルニア」の場合原作自体が非常にシンプルな物語構成で、それほど長い物でもないので、細かなところまで忠実に再現している。
むしろ原作ではあっさりとしか触れられていないディテール部分は、映画版が大きく膨らませているくらいだ。
クライマックスの魔女の軍勢とアスランの軍勢の戦闘シーンも、原作ではスーザンとルーシーの視点で、僅か数ページほどで描写されているだけだが、映画版はピーターとエドマンドを中心にたっぷり描写され、迫力満点。
ホーンや物言う獣たちなど不思議な住人達もイメージ通りで、「原作の忠実な映像化」を待ち望んでいたファンにとっては、かなり満足のいく物になっていると思う。
ただ、単体の映画としてみると、手放しでは賞賛できないのも事実。
ぶっちゃけ異世界を舞台としたファンタジー映画って、観客に「その世界へ行ってみたい!」と思わせれば半分勝ちだと思う。
「ロード~」も「ハリポタ」も、少なくともビジュアル化された世界観は、原作ファンのイマジネーションを超える物があったと思う。
中つ国が本当にあったら世界中から観光客が押し寄せるだろうし、ホグワーツ魔法学校には定員の一万倍の応募があるだろう。
しかし、ここに描かれた「ナルニア国」は、ちょっと面白そうな生き物はいるものの、それほど行ってみたいとは思わない。
画面がディズニー的(というかシュレック的?)に妙に明るく、ファンタジー映画の魅力であるしっとりした奥行き感に欠けるのも、神話的な雰囲気を構成しきれないマイナスポイントだ。
正直言って、イメージ通りではあるが、挿絵の想像力を超える物ではない。
それではお話がビジュアルの弱さを補完しているか、というとそうでもない。
上記の通り、原作のストーリーラインは極めてシンプルで、特にお話を捻ったところもない。
これは「ナルニア」が例えば重厚な「ロード~」などと比べると、比較的低年齢から読める様に配慮された良質の児童小説であることも影響しているのだが、映画にそのまま置き換えると一本調子な物語になってしまう。
2時間20分というたっぷり目の上映時間を考えても、物語の構成は映画的にもう一ひねりしても良かったのではないか。
例えば魔女とエドマンドの関係や、救出のくだりなどは、物語的に深く広げる余地はあったと思うのだ。
逆に原作にあくまでも忠実に作るなら、現在の上映時間は少し長い。
中ダレする部分もあるし、2時間程度に纏めればもっと物語りのテンションを高いまま保てたと思う。
個人的には、原作では殆ど触れられていない現実世界での戦争(第二次世界大戦)により深く言及したために、ファンタジー世界での戦争とリンクして、「戦う子供達」に妙なリアリティが出てしまったのが残念だ。
絶望的な戦いに剣をとって挑む子供達の姿が、なんだか痛々しい。
ファンタジーの世界で子供達が一段成長する、それはそれで良いのだが映画版ではナルニアを取り戻す戦いが強調され過ぎて、本来描かれていたイマジネーションの飛躍とか家族としての思いやりとかの内面的成長がどこかへ飛んでいってしまった。
アンドリュー・アダムソンの演出は、破綻も無くこの大作を上手く纏めていると思うが、「シュレック」「シュレック2」で見せたような破壊的なエネルギーやスピード感は残念ながら見られない。
偉大な原作をリスペクトし過ぎたか、萎縮してしまったのか、それともスタジオの介入が個性を消し去ったのか。
才能ある人だと思うし、もう少しとんがった個性をだしても良かったと思う。
原作小説の忠実な映像化という点では良く出来た作品だと思うのだが、一本の独立した映画としてみるとそれほどでもないというのが正直なところ。
とは言っても決してつまらない訳じゃないし、原作への強い思い入れも、映画への過度な期待も無い普通の観客には、「ナルニア入門」として最適の作品だと思う。
アメリカでのヒットで続編の製作も決定したらしいので、次がより魅力的になる事を期待したい。
ハリー・グレッグソン・ウィリアムズの音楽はなかなか良かった。
さて今回はイギリスらしくブリティッシュ・マティーニを。
ドライジン40mlに紅茶リキュールのティフィン20mlをステアして、レモンを適量絞る。
本来は食前酒として飲まれる事が多いが、この映画はそれほど腹にもたれないので、観賞後に飲みなおしてもう一本観てもいいかも。
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C・S・ルイス原作のファンタジーの古典、「ナルニア国物語~ライオンと魔女~」の最初の映画化。
ちなみにテレビシリーズは昔あったね。
第二次世界大戦中のイギリス。
ペベンシー家の四兄妹、ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシーは、ドイツ軍による爆撃が激しくなったロンドンから疎開して、田舎に住むカーク教授の邸宅に預けられる。
ある日、かくれんぼをして遊んでいたルーシーは、空き部屋に置かれた古い衣装箪笥の中から、不思議の国「ナルニア」に迷い込んでしまう。
そこは嘗て偉大な王アスランの建てた魔法の国。
しかし今アスランは去り、百年の冬でナルニアを支配するのは冷酷な白い魔女。
最初はルーシーの言う事を信じなかったピーターたちだが、ある日偶然にも全員が箪笥を通り抜けてナルニアに入ってしまう。
そこで彼らは、自分達こそナルニアの予言に記された、魔女を倒しナルニアの支配者となるべき、アダムとイブの4人の子供達である事を知るのだが、次男のエドマンドが予言の阻止を狙った白い魔女の手に落ちてしまう。
残された3人は、再び動き出したアスランに会うために長い旅にでるのだが・・・
お話はほぼ原作通り。
「パリポタ」や「ロード・オブ・ザ・リング」は長大な物語をいかに短くするかに腐心していたが、「ナルニア」の場合原作自体が非常にシンプルな物語構成で、それほど長い物でもないので、細かなところまで忠実に再現している。
むしろ原作ではあっさりとしか触れられていないディテール部分は、映画版が大きく膨らませているくらいだ。
クライマックスの魔女の軍勢とアスランの軍勢の戦闘シーンも、原作ではスーザンとルーシーの視点で、僅か数ページほどで描写されているだけだが、映画版はピーターとエドマンドを中心にたっぷり描写され、迫力満点。
ホーンや物言う獣たちなど不思議な住人達もイメージ通りで、「原作の忠実な映像化」を待ち望んでいたファンにとっては、かなり満足のいく物になっていると思う。
ただ、単体の映画としてみると、手放しでは賞賛できないのも事実。
ぶっちゃけ異世界を舞台としたファンタジー映画って、観客に「その世界へ行ってみたい!」と思わせれば半分勝ちだと思う。
「ロード~」も「ハリポタ」も、少なくともビジュアル化された世界観は、原作ファンのイマジネーションを超える物があったと思う。
中つ国が本当にあったら世界中から観光客が押し寄せるだろうし、ホグワーツ魔法学校には定員の一万倍の応募があるだろう。
しかし、ここに描かれた「ナルニア国」は、ちょっと面白そうな生き物はいるものの、それほど行ってみたいとは思わない。
画面がディズニー的(というかシュレック的?)に妙に明るく、ファンタジー映画の魅力であるしっとりした奥行き感に欠けるのも、神話的な雰囲気を構成しきれないマイナスポイントだ。
正直言って、イメージ通りではあるが、挿絵の想像力を超える物ではない。
それではお話がビジュアルの弱さを補完しているか、というとそうでもない。
上記の通り、原作のストーリーラインは極めてシンプルで、特にお話を捻ったところもない。
これは「ナルニア」が例えば重厚な「ロード~」などと比べると、比較的低年齢から読める様に配慮された良質の児童小説であることも影響しているのだが、映画にそのまま置き換えると一本調子な物語になってしまう。
2時間20分というたっぷり目の上映時間を考えても、物語の構成は映画的にもう一ひねりしても良かったのではないか。
例えば魔女とエドマンドの関係や、救出のくだりなどは、物語的に深く広げる余地はあったと思うのだ。
逆に原作にあくまでも忠実に作るなら、現在の上映時間は少し長い。
中ダレする部分もあるし、2時間程度に纏めればもっと物語りのテンションを高いまま保てたと思う。
個人的には、原作では殆ど触れられていない現実世界での戦争(第二次世界大戦)により深く言及したために、ファンタジー世界での戦争とリンクして、「戦う子供達」に妙なリアリティが出てしまったのが残念だ。
絶望的な戦いに剣をとって挑む子供達の姿が、なんだか痛々しい。
ファンタジーの世界で子供達が一段成長する、それはそれで良いのだが映画版ではナルニアを取り戻す戦いが強調され過ぎて、本来描かれていたイマジネーションの飛躍とか家族としての思いやりとかの内面的成長がどこかへ飛んでいってしまった。
アンドリュー・アダムソンの演出は、破綻も無くこの大作を上手く纏めていると思うが、「シュレック」「シュレック2」で見せたような破壊的なエネルギーやスピード感は残念ながら見られない。
偉大な原作をリスペクトし過ぎたか、萎縮してしまったのか、それともスタジオの介入が個性を消し去ったのか。
才能ある人だと思うし、もう少しとんがった個性をだしても良かったと思う。
原作小説の忠実な映像化という点では良く出来た作品だと思うのだが、一本の独立した映画としてみるとそれほどでもないというのが正直なところ。
とは言っても決してつまらない訳じゃないし、原作への強い思い入れも、映画への過度な期待も無い普通の観客には、「ナルニア入門」として最適の作品だと思う。
アメリカでのヒットで続編の製作も決定したらしいので、次がより魅力的になる事を期待したい。
ハリー・グレッグソン・ウィリアムズの音楽はなかなか良かった。
さて今回はイギリスらしくブリティッシュ・マティーニを。
ドライジン40mlに紅茶リキュールのティフィン20mlをステアして、レモンを適量絞る。
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