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エミリー・ローズ・・・・・評価額1500円
2006年03月12日 (日) | 編集 |
久々の本格オカルト映画だと思って観に行ったら、真面目な裁判劇だった。
1970年代に当時の西ドイツで起こった、悪魔祓いによる死亡事件とその後の裁判をベースにした「エミリー・ローズ」は、オカルト映画的な恐ろしい描写も満載なのだが、悪魔が存在するか否かが争われた裁判を通して本質的な信仰のあり方を問う、中々に切れ味の鋭い佳作だった。

ある田舎町で、19歳の大学生エミリー・ローズ(ジェニファー・カーペンター)が非業の死を遂げる。
被疑者として逮捕されたのは、エミリーに悪魔祓いを施したカソリックのムーア神父(トム・ウィルキンソン)。
衰弱したエミリーに必要な医療を受けさせず、悪魔祓いの儀式を行った事で死に追いやったのではないかという嫌疑をかけられたのだ。
ムーアを弁護する事になったのは、売れっ子女性弁護士のエリン・ブリナー(ローラ・リニー)。
彼女は法廷で、敬虔なクリスチャンであり、神の使徒である神父が罪を犯したのなら、より厳しく裁かれるべきだと考えるイーサン・トマス検事(キャンベル・スコット)と対決する事となる。
争点は「悪魔は存在するのか否か」。
世間の注目を集める裁判が始まった・・・・


オカルト映画としてはかなりの変化球だろう。
実に正統派の法廷ドラマなのである。
裁判の始まりによってドラマの幕が開き、検察・弁護双方の論戦によって、徐々に事件の本質が観客に明らかにされるという仕組み。
その事件が、殺人や詐欺と言った定番の犯罪ではなく、「悪魔憑き」という点が本作の最大の特徴であり、売りだ。
通常の裁判物なら、いかに真実を証明するかがスリリングな展開を生む。
だがこの裁判の争点は、第一に「エミリーは医学による治療が必要な精神病だったのかどうか?」、第二に「精神病でなかったとしたら悪魔は存在するのか」なので、ぶっちゃけた話どっちも証明のしようがない。
検察・弁護双方は、お互いの主張が「真実」ではなく「可能性」に過ぎない事を強調し、どちらの可能性の方に信憑性があるかという所に落としてくる。
基本的に、エミリーが悪魔に魅入られてから死ぬまでの関係者の証言が、再現ドラマとして観客には提示されるので、観ている観客としては「これはどう見ても悪魔が憑いてるだろう」と思うのだが、実際の裁判では当然ながら「悪魔がいます」なんて主張する方が不利。
物語的には、科学的見地を強調する検察に対抗して、エリンとムーアがエミリーの中の悪魔がいた可能性を、いかにして陪審員に信じさせるのかが見物となる。

もっとも本質的には法廷ドラマとは言っても、この映画の恐怖描写は相当な物だ。
映画全体としては変化球だが、恐怖描写は直球勝負。
このジャンルには「エクソシスト」という金字塔が存在するが、「エミリー・ローズ」の恐怖描写は、「エクソシスト」を超えられないまでもかなり迫ったと思う。
特筆すべきは、タイトルロールのエミリーを演じたジェニファー・カーペンターの憑依演技で、これはかなり怖い。
悪魔憑きネタのオカルトは、憑かれたキャラクターの演技力で恐怖度が半分決まるような物だが、カーペンターの演技は、もはや伝説のリンダ・ブレア以来のベストアクトだったと思う。
面白いのはエミリーの主観による様々な恐怖のビジュアル化に、明らかに日本のホラー映画の影響が観られる点だ。
通りすぎる人々の顔が全てムンクの「叫び」の様に見える描写や、同級生の男の子の目が突然黒い穴になる描写などは「呪怨」や「回路」といった作品の影響が見て取れるが、西洋的なオカルト描写に取り込まれると意外や新鮮で恐ろしい。
ステーキに醤油をかけてみたら、意外と美味しかったみたいな物だ。

観客が恐怖描写に震えているうちに、裁判は佳境に入っていくのだが、元々真実の究明を目的とした裁判ではないだけに、最終的には「信仰のあり方」という個人の心の中の非常に曖昧な部分に入っていかざるを得ない。
実際の裁判とは違うのだろうが、映画的には「こう落とすしかないよね」というグレーな結論になっている。
全体にオカルト映画としても裁判劇としても中々面白いのだが、若干淡々とし過ぎている嫌いもある。
多分、最終的に心の問題を描いているのにも関わらず、視点がキャラクターの心の奥まで入っていかないから、ドラマ的な抑揚が不足しているのだ。
例えば悪魔を否定するトマス検事が敬虔なクリスチャンで、悪魔を信じさせようとするエリンが不可知論者であるという皮肉な設定は、あまり生かされていない。
後半の二人の精神的な逆転は、突っ込んで描けば非常に深いテーマが描けるのに、あっさりと終わってしまっている。
私は特に○○教の信者という事は無いが、スピリチュアルな世界は信じるし、神も悪魔も存在すると思っているので、信仰というテーマは非常に興味がある。
だからこそ、スコット・デリクソン監督には裁判を通してエリンやムーア、トマスの信仰観にどの様な変化が起こったのかもっと深く突っ込んで欲しかったのだが、このあたりは少し喰い足りなかった。
もっとも、そこまでやると上映時間を含めてかなりの大作になってしまうし、現状でも十分面白いのだが。

さて今回は物語の元となったドイツから、黒ビールの「ケストリッツァー シュヴァルツビア」をチョイス。
映画がわりと淡々としてあっさり味だったので、ちょっと濃い目のビールとソーセージでも合わせて満腹になりましょう。
ちょっとクセはあるけど、飲み応え十分の本場物ビールだ。

ちなみに私は悪魔に会った事は無いけど、お化けは見たことあります・・・

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