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SPIRIT スピリット・・・・・評価額1350円
2006年03月20日 (月) | 編集 |
全メニューがコレステロールの塊みたいな中華料理店「満豚記」の超コッテリ料理で気合を入れ、ジェット・リー最後のクンフー映画であるという「SPIRITスピリット」を観た。
全中学生に衝撃を与えた武術映画「少林寺」から25年。
様々なヒーローを演じてきたリーの、華麗な美技の見納めだというのだから、これは観ない訳にはいかない。(まあ、2年もしたらまたやってると思うけど)

二十世紀初頭の天津。
武道家のフォ・ユァンジア(ジェット・リー)は天津一の武道家を目指して、他流試合で連戦連勝。
勝ち続ける事こそ全てと信じるフォに、母は「武道とは他人を倒すための物ではなく、自分に打ち勝つ事こそが大切だ」と諭すのだが、強さゆえに傲慢になっていたフォは聞く耳を持たない。
ある時誤解から激情に駆られたフォは、試合で天津一を争うライバルの武道家チンを殺してしまう。
名実共に天津一となったフォだが、その代償はあまりにも大きかった。
フォの母親と愛娘がチンの家族によって殺されたのだ。
全てに絶望し放浪するフォがたどり着いたのは、山深い少数民族の村。
都会の喧騒とは無縁なその山里で、盲目の少女・月慈(スン・リー)との穏やかな暮らしによって徐々に癒されてゆくフォ。
数年後、生まれ変わったフォは再び天津に帰るのだが、そこで彼が見たのは、列強に侵略されすっかり自信を失った中国の姿だった・・・


クンフー映画に少し詳しい者なら、フォ・ユァンジアの名前くらいは知っているだろう。
中国では伝説の武道家であり、ブルース・リーの「ドラゴン怒りの鉄拳」の主人公は、フォの弟子という設定だった。
これはそのフォ本人の生涯を描いた伝記映画なのだ。
まあしかし伝記といっても、それ程リアルでもシリアスでもない。
私はフォの生涯にそれ程詳しい訳ではないが、それでもこの映画がかなり神話的なフィクションを交えた、講談調の物語なのは判る。
心に傷を負った英雄が、清浄なる地で癒され、希望を失った世の中のために再び立ち上がる英雄伝なのだ。
その意味では、百年前の中国を舞台にした「北斗の拳」みたいな物だ。(あれほど派手じゃないけど)

アクションシーンはテンコ盛りだが、最大のクライマックスは、中村獅童演じる日本の武道家・田中との一騎打ち。
日本刀VS三節昆、空手VS拳法の戦いは、かなり「ありえね~」要素が入ってるが、アクション監督のユェン・ウーピンのアイディア一杯で見ごたえ十分だ。
この映画は、日本を含む列強により中国が侵略され、中国人が希望を失っている時代の話なので、必然的に日本人も敵役になるのだが、中村のキャラクターは悪役と言うよりは威風堂々とした魅力的なライバルとして描かれている。
まあケンシロウに対するラオウみたいなもの(?)だが、こんなところも少年漫画的だ。
かわりに列強の腹黒さの代表は、原田眞人演じるミスター三田が担当してくれている。
この人は本来監督だけど、「ラストサムライ」以来、悪の日本人役が妙に様になってきた(笑

最近はハリウッドでB級ホラーばっかり撮ってた、ロニー・ユー監督の演出は手堅い。
フォの幼少期からの成長と、その強さ故の傲慢さがもたらす悲劇から、少数民族の村で月慈の優しさに癒され、精神的に生まれ変わるまではなかなかに快調だ。
この月慈の村は、ここだけ突然童話調な美しい里山なのだが、この村の風景と言うのは中国人にとっての精神的な理想郷なのかもしれない。
と、一時間は物語の流れに任せて自然に過ぎてゆくのだが、後半再び天津に帰ってきてからの展開は、あまりにも駆け足だ。
癒されて帰ってきたフォが過去の所業を悔い改めるのは良いのだが、その後再び試合にいたるまでの心情描写が完全に不足している。
街に外国人が溢れていて、外人レスラーが中国人武道家に連勝してるという新聞記事を読んだだけで、突然憂国の志士になってしまうのだから、訳が判らない。
ここはもう少ししっかりとフォの内面を描くべきだった。
想像するに中国人にとってのフォと言うのは、日本人における力道山みたいなものなのかもしれない。
力道山が空手チョップで白人レスラーをなぎ倒し、敗戦で自信を失っていた日本人を熱狂させたように、フォ・ユァンジアもまた、その戦う姿を大衆に見せる事で、中国人の自尊心を回復させたのだろう。
死を賭した田中との悲壮な戦いのシーンは、先日観た「力道山」のクライマックスと重なり、思わず熱い物がこみ上げてきた。
ジェット・リーの魂のアクションには観る人を感動させる十分な力があるだけに、物語のフォロー不足が残念。
リーアクションの集大成と言うにはちょっと不満が残る。

あとこれだけは言っておきたいのだが、エンドクレジットに流れる妙チクリンな日本語主題歌は一体何??
映画の内容と全くマッチしないばかりか、大して魅力的でもない楽曲で映画の余韻がぶち壊しだ。
勿論こんな曲は本国版には無いし、本来の主題歌はずっと映画に合った物だ。
この手のタイアップは昔からあるが、よほど慎重にやらない限りは全く相乗効果など望めないばかりか、映画ファンの怒りを買う結果になる。
一体こんなセンスの無いタイアップ企画に、何の効果を期待しているのか理解に苦しむ。
私が監督なら絶対許可しないよ、こんなの。

さて、今日は映画の前に食べた中華が腹に堪えているが、さらに紹興酒で中華尽くし。
紹興酒とは浙江省紹興市でもち米と麦麹から作られた酒の事だが、元々私は紹興酒の美味さってよく判らなかった。
だがある中国人に「なぜ普通に飲まない?」といわれて目から鱗が落ちた。
それまで私はずっと日本風の燗に砂糖を入れる飲み方で飲んでたんだけど、実はクオリティの高い紹興酒は普通にストレートで飲んだ方が美味いのだ。
砂糖入りで飲んでる方、お試しあれ。

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