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2006年03月26日 (日) | 編集 |
「BROKEBACK MOUNTAIN」とは、直訳すれば「壊れ背の山」。
ワイオミングにはスキーや山歩きをしに何度も行った事があるが、この地名は記憶に無い。
映画から想像するに、ロッキー山脈かティートン山脈の一部の様だが、創作された聖域なのかもしれない。
この映画は、あまりにも美しいワイオミングの自然に抱かれた、二人の男の二十年余りにわたる秘められた愛の物語である。
1963年夏。
カウボーイのジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)とイニス・デルマー(ヒース・レジャー)は、ワイオミングのブロークバック・マウンテンで出会った。
彼らは羊の放牧のために、ひと夏を山で過ごす事となったのだ。
雄大な自然の中に人間はたった二人。
二人は直に打ち解け、友情を育んでゆく。
ある夜、テントの中でジャックはイニスを誘い、二人は結ばれた。
戸惑いながらも幸せなひと夏が過ぎ、山を降りた二人は思い出を胸に秘め、それぞれの街へ帰っていった。
やがて二人とも結婚し、子供も出来た。
数年の歳月が過ぎた頃、ジャックからイニスへ手紙が届く。
「会いたい」
再会した二人は、直にあの愛が真実であったことを確信する。
二人は何時しか、思い出のブロークバック・マウンテンへと向かっていた。
1963年のあの夏の様に・・・・
「ゲイのカウボーイのラブストーリー」というセンセーショナルな側面ばかりクローズアップされているが、実際のところお話そのものはごく普通。
二人の若者がブロークバック・マウンテンの自然の中で出会い、愛し合う。
やがて別れが訪れ、二人はそれぞれに家庭を持つが、秘められた愛は長く続いてゆくという物。
たまたま愛し合うカップルが男同士であるという要素が加えられているだけで、ある意味で不倫物ラブストーリーの王道的な物語だ。
原作はアニー・プルーの短編小説だが、元々同性愛あるいはバイセクシャルという素材は女性の創作する物語では珍しくない。
この作品の設定はハーレクインロマンス、あるいは竹宮恵子あたりの少女漫画にもありそうだ。
勿論男が観ても十分伝わる物はあるけど、どっちかというとこの映画は女性受けするんじゃないだろうか。
面白いのはアン・リー監督の淡々とした演出も、どこか70年代の少女漫画調で、耽美的な美しさを求めている様に見える事。
この人の作風は一作ごとにわりと自由に変化するけど、この作品や「グリーンデスティニー」などを観ても、何気に漫画っぽさは一つのキーワードだ。
勿論少女漫画なら画的な美しさは不可欠で、主役はイケメン二人だし、二人の愛を抱くワイオミングの雄大な自然は、撮影監督ロドリゴ・プリエトの素晴しいカメラによって切り取られ、作品に神聖さをもプラスしている。
感情を露にし、時に刹那的にすら見えるジャックを演じたジェイク・ギレンホール、家庭人としての自分と、禁断の愛との間で葛藤するイニスを演じたヒース・レジャーは共に今までのベストと言って良い。
そしてイニスの妻アルマを演じたミッシェル・ウィリアムスは更に素晴しい。
夫とジャックのキスシーンを目撃してしまい、絶望と愛の狭間で葛藤する心理を上手く演じている。
物語中でも比較的比重の重いイニスの家庭描写は、彼女の好演で非常にリアリティのある物となっている。
ジャックの妻で典型的な仮面夫婦のラリーンを演じるのは、アン・ハサウェイ。
お姫様役のイメージから脱皮しようと頑張っているが、芸達者な共演者の中に入るとまだちょっと力不足。
ズラ似合ってなかったし。
1963年から20年に渡る、二人の長い長い愛と葛藤の日々の終わりは、ジャックからイニスへと託された「ある物」で締めくくられる。
これは完全にネタバレになるので具体的に書かないが、ある物は非常に象徴的だ。
最初それはジャックの物がイニスの物を包む様にして登場するのだが、最終的にイニスはそれを逆にする。
イニスの物がジャックを包み込むのだ。
この愛の物語は、初めての夏からずっとジャックがイニスを求め続けた。
七夕の織姫と彦星の様に、二人だけの聖域で年に数回しか会えない関係でも、常にジャックがイニスに会いに行き、イニスはその愛の激しさに戸惑いながらも応えてきた。
全てが終わった時、イニスは始めて自分からジャックを包み込み、ジャックの狂おしいまでの愛は、遂にイニスの永遠の愛を勝ち取るのだ。
それは禁じられていたが故に、純粋さが突き詰められた究極の愛の勝利といっても良いと思う。
普遍的かつ究極的な愛の物語である「ブロークバック・マウンテン」は文句なしに名作だとは思うのだが、私は微妙に奥歯に物が挟まった様な感覚を覚えた。
私は二人の主人公のうち、どっちかというとイニスに感情移入して観たのだが、劇中最も強く感情移入してしまったのがイニスの妻のアルマだったのだ。
たぶん、私自身が昔似たシチュエーションでアルマの気持ちを味わった事があるからかもしれない。(別に彼女がレズビアンだったって訳じゃなかったけどさ)
だからラストでジャックとイニスの愛が永遠となり、全てが昇華された時も、「いや、あんたたちは良かったかもしれないけど、あたしの気持ちはどうしてくれるのよ?」って感じが残ってしまったのだ。
この映画、観る人間の恋愛観や過去の経験で微妙に感想が異なるかもしれない(笑
さて今回は、映画の舞台となっているワイオミングの地ビール「スネーク リバー」をチョイス。
アメリカにはmicrobreweryと呼ばれる地ビールの業者が無数にあり、こちらは冬季オリンピックの舞台としても知られるジャクソンホール近郊の会社。
残念ながら日本では入手できない様だが、ジャクソンや隣接するグランド・ティートン国立公園、イエローストーン国立公園などで飲むことが出来る。
スッキリとした味わいで、夏の山にも冬のスキーの後にもぴったり。
これにヘラジカのローストがあればもう最高!
アメリカ旅行の機会に是非お試しあれ。
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原作小説
ワイオミングにはスキーや山歩きをしに何度も行った事があるが、この地名は記憶に無い。
映画から想像するに、ロッキー山脈かティートン山脈の一部の様だが、創作された聖域なのかもしれない。
この映画は、あまりにも美しいワイオミングの自然に抱かれた、二人の男の二十年余りにわたる秘められた愛の物語である。
1963年夏。
カウボーイのジャック・ツイスト(ジェイク・ギレンホール)とイニス・デルマー(ヒース・レジャー)は、ワイオミングのブロークバック・マウンテンで出会った。
彼らは羊の放牧のために、ひと夏を山で過ごす事となったのだ。
雄大な自然の中に人間はたった二人。
二人は直に打ち解け、友情を育んでゆく。
ある夜、テントの中でジャックはイニスを誘い、二人は結ばれた。
戸惑いながらも幸せなひと夏が過ぎ、山を降りた二人は思い出を胸に秘め、それぞれの街へ帰っていった。
やがて二人とも結婚し、子供も出来た。
数年の歳月が過ぎた頃、ジャックからイニスへ手紙が届く。
「会いたい」
再会した二人は、直にあの愛が真実であったことを確信する。
二人は何時しか、思い出のブロークバック・マウンテンへと向かっていた。
1963年のあの夏の様に・・・・
「ゲイのカウボーイのラブストーリー」というセンセーショナルな側面ばかりクローズアップされているが、実際のところお話そのものはごく普通。
二人の若者がブロークバック・マウンテンの自然の中で出会い、愛し合う。
やがて別れが訪れ、二人はそれぞれに家庭を持つが、秘められた愛は長く続いてゆくという物。
たまたま愛し合うカップルが男同士であるという要素が加えられているだけで、ある意味で不倫物ラブストーリーの王道的な物語だ。
原作はアニー・プルーの短編小説だが、元々同性愛あるいはバイセクシャルという素材は女性の創作する物語では珍しくない。
この作品の設定はハーレクインロマンス、あるいは竹宮恵子あたりの少女漫画にもありそうだ。
勿論男が観ても十分伝わる物はあるけど、どっちかというとこの映画は女性受けするんじゃないだろうか。
面白いのはアン・リー監督の淡々とした演出も、どこか70年代の少女漫画調で、耽美的な美しさを求めている様に見える事。
この人の作風は一作ごとにわりと自由に変化するけど、この作品や「グリーンデスティニー」などを観ても、何気に漫画っぽさは一つのキーワードだ。
勿論少女漫画なら画的な美しさは不可欠で、主役はイケメン二人だし、二人の愛を抱くワイオミングの雄大な自然は、撮影監督ロドリゴ・プリエトの素晴しいカメラによって切り取られ、作品に神聖さをもプラスしている。
感情を露にし、時に刹那的にすら見えるジャックを演じたジェイク・ギレンホール、家庭人としての自分と、禁断の愛との間で葛藤するイニスを演じたヒース・レジャーは共に今までのベストと言って良い。
そしてイニスの妻アルマを演じたミッシェル・ウィリアムスは更に素晴しい。
夫とジャックのキスシーンを目撃してしまい、絶望と愛の狭間で葛藤する心理を上手く演じている。
物語中でも比較的比重の重いイニスの家庭描写は、彼女の好演で非常にリアリティのある物となっている。
ジャックの妻で典型的な仮面夫婦のラリーンを演じるのは、アン・ハサウェイ。
お姫様役のイメージから脱皮しようと頑張っているが、芸達者な共演者の中に入るとまだちょっと力不足。
ズラ似合ってなかったし。
1963年から20年に渡る、二人の長い長い愛と葛藤の日々の終わりは、ジャックからイニスへと託された「ある物」で締めくくられる。
これは完全にネタバレになるので具体的に書かないが、ある物は非常に象徴的だ。
最初それはジャックの物がイニスの物を包む様にして登場するのだが、最終的にイニスはそれを逆にする。
イニスの物がジャックを包み込むのだ。
この愛の物語は、初めての夏からずっとジャックがイニスを求め続けた。
七夕の織姫と彦星の様に、二人だけの聖域で年に数回しか会えない関係でも、常にジャックがイニスに会いに行き、イニスはその愛の激しさに戸惑いながらも応えてきた。
全てが終わった時、イニスは始めて自分からジャックを包み込み、ジャックの狂おしいまでの愛は、遂にイニスの永遠の愛を勝ち取るのだ。
それは禁じられていたが故に、純粋さが突き詰められた究極の愛の勝利といっても良いと思う。
普遍的かつ究極的な愛の物語である「ブロークバック・マウンテン」は文句なしに名作だとは思うのだが、私は微妙に奥歯に物が挟まった様な感覚を覚えた。
私は二人の主人公のうち、どっちかというとイニスに感情移入して観たのだが、劇中最も強く感情移入してしまったのがイニスの妻のアルマだったのだ。
たぶん、私自身が昔似たシチュエーションでアルマの気持ちを味わった事があるからかもしれない。(別に彼女がレズビアンだったって訳じゃなかったけどさ)
だからラストでジャックとイニスの愛が永遠となり、全てが昇華された時も、「いや、あんたたちは良かったかもしれないけど、あたしの気持ちはどうしてくれるのよ?」って感じが残ってしまったのだ。
この映画、観る人間の恋愛観や過去の経験で微妙に感想が異なるかもしれない(笑
さて今回は、映画の舞台となっているワイオミングの地ビール「スネーク リバー」をチョイス。
アメリカにはmicrobreweryと呼ばれる地ビールの業者が無数にあり、こちらは冬季オリンピックの舞台としても知られるジャクソンホール近郊の会社。
残念ながら日本では入手できない様だが、ジャクソンや隣接するグランド・ティートン国立公園、イエローストーン国立公園などで飲むことが出来る。
スッキリとした味わいで、夏の山にも冬のスキーの後にもぴったり。
これにヘラジカのローストがあればもう最高!
アメリカ旅行の機会に是非お試しあれ。

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