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2006年04月09日 (日) | 編集 |
ハリソン・フォードの映画を劇場で観たのは「ホワット・ライズ・ビニーズ」以来だから6年ぶりになる。
「ハリウッド的殺人事件」は食指が動かず未見だし、「K-19」は飛行機の機内映画で観てしまった。
久しぶりに大スクリーンで観ると、さすがに白髪が目立つし、顔の皺も深い。
もう63歳だから、そらハン・ソロも年をとるわな・・・。
ジャック・スタンフィールド(ハリソン・フォード)は、シアトルのランドロックパシフィック銀行のセキュリティ担当者。
銀行は合併に伴う作業中で、色々と問題も出ているが、彼の張り巡らせた鉄壁のファイアウォールは、全米でも屈指の性能を誇り、何者も侵入できない。
ジャックは郊外の高級住宅地で、妻のべスと二人の子供と幸せに暮らしているが、ある夜家に武装したグループが押し入り、家族を人質に捕られてしまう。
ビル・コックス(ポール・ベタニー)と名乗る犯人の若い男は、家族の命と引き換えに、ジャックに自らが構築したファイアウォールを破り、一億ドルを指定口座に送金する様に命じる。
果たしてジャックは家族を救う事が出来るのだろうか・・・
人質に取られた家族を救うべく、お父さんが孤軍奮闘する「正しい」ハリウッド映画である。
リッチな家族は絵に描いたように幸せで、海辺の住宅地に高級セダンとSUVを所有。
勿論犬も飼っている。
悪役は悪役らしく狡猾で、ボスキャラはちょっと知的な印象。
犯人グループにオタクっぽいパソコン青年がいたりするのも、最近のハリウッド映画のお約束。
あらゆる面が予定調和で強い個性は無いが、リチャード・ロンクレイン監督の、見せ場のツボを押さえた手堅い演出は安心して観ていられる。
全体に、ちょっとテレビっぽい感が無きにしも非ずだが、プロフィールを見ると映画よりもむしろテレビで豊かなキャリアを持つ監督の様で、なるほどナットク。
まあテレビっぽい印象なのは、メアリー・リン・ライスカブやロバート・パトリックなど、どちらかというと映画よりもテレビで印象的な俳優たちが目立っているのも一因かもしれない。
タイトルの「ファイアウォール」で判るように、コンピューターセキュリティをサスペンスのネタにしたのがこの作品の特徴。
しかしこの点においてあまり成功しているとは思えない。
ハイテク犯罪物としては、肝心のファイアウォールの突破、そして犯人から金を奪い返すための頭脳戦の部分があまりにもあっさり、単純で物足りない。
物語は二時間の間よどみなく進んでいくが、徹底的にジャックを調べ上げているはずの犯人グループが、銀行の合併でセキュリティ部門が移転する可能性を把握していなかったり、細かい脚本の穴が沢山あり、いちいち興ざめしてしまう。
携帯カメラや犬用GPSといった、ハイテク小道具を使っての複線の張り方などは良く出来ているだけに、対照的に大味な描写がもったいない。
もっと脚本を練ればよかったのに。
クライマックスでは結局肉弾戦になってしまうし、サスペンスなのかアクションなのかどっちつかずの印象になってしまているのも、作品の印象を曖昧にしている。
アクションシーンは単体としては良く出来ていると思うが、この作品では徹底的にハイテクサスペンスに徹して頭脳戦の面白さを前面に出したほうが良かったんじゃないだろうか。
タイトルもせっかく「ファイアウォール」な訳で。
それにしても今回のハリソン・フォードは頑張る。
息子ほど若いポール・ベタニー相手に、どつかれるは、二階から蹴り落とされるは、爆発に吹っ飛ばされるは、(かなりの部分がスタントにしろ)まだまだ立派に現役アクションスターしている。
「インディ4」でまともな動きが出来るのか心配だったが、これならまだ大丈夫そうだ。
そんなフォードが、命をかけて守る妻のベスにはバージニア・マドセン。
最近では「サイドウェイ」が記憶に新しいが、私の中では断然「エレクトリックドリーム」(84)でコンピューターに恋をされる美少女である。
あれから早22年。
この人ももう45歳か・・・・歳月の流れを実感する今日この頃。
儲け役なのはジャックの秘書で、途中から窮地の彼を助けるジャネット役のメアリー・リン・ライスカブ。
この人は美人じゃないけど、何とも愛嬌のある特徴的な顔で強い印象を残す。
テレビの「24」でも地味に印象的だったが、この作品でも結果的に美味しいところを持っていく。
まあ全体にまずまずよく出来た娯楽映画だと思うが、あえてこれを映画館で観なければという理由は見つけにくい。
「家族が一番!」という定番中の定番フレーズ以外、テーマ性も見当たらないし、金の掛かったテレビの2時間ドラマみたいな印象なのだ。
まあ暇つぶしという映画の観方においては、これほど最適な作品もあるまい。
映画館のドアを出た瞬間に、もう映画のことは忘れてたけど、観てる間は退屈せずにそこそこ楽しめた。
まあ余韻が残らないから、付け合せも何でも良いんだけど、私は観終わって直ぐにアメリカンファミレスのシズラーで、「キリン一番絞り」を呑みながらサラダバーをいただいた。
ファミレスに一番身近なビール、正しくそんな感じの映画だった。
ハリソン・フォードは「インディ」が終わったら、もうちょっと作家性の強い監督と組んで欲しいな。
80年代はピーター・ウェアーやロマン・ポランスキーと癖のある作品も作ってたんだから。
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「ハリウッド的殺人事件」は食指が動かず未見だし、「K-19」は飛行機の機内映画で観てしまった。
久しぶりに大スクリーンで観ると、さすがに白髪が目立つし、顔の皺も深い。
もう63歳だから、そらハン・ソロも年をとるわな・・・。
ジャック・スタンフィールド(ハリソン・フォード)は、シアトルのランドロックパシフィック銀行のセキュリティ担当者。
銀行は合併に伴う作業中で、色々と問題も出ているが、彼の張り巡らせた鉄壁のファイアウォールは、全米でも屈指の性能を誇り、何者も侵入できない。
ジャックは郊外の高級住宅地で、妻のべスと二人の子供と幸せに暮らしているが、ある夜家に武装したグループが押し入り、家族を人質に捕られてしまう。
ビル・コックス(ポール・ベタニー)と名乗る犯人の若い男は、家族の命と引き換えに、ジャックに自らが構築したファイアウォールを破り、一億ドルを指定口座に送金する様に命じる。
果たしてジャックは家族を救う事が出来るのだろうか・・・
人質に取られた家族を救うべく、お父さんが孤軍奮闘する「正しい」ハリウッド映画である。
リッチな家族は絵に描いたように幸せで、海辺の住宅地に高級セダンとSUVを所有。
勿論犬も飼っている。
悪役は悪役らしく狡猾で、ボスキャラはちょっと知的な印象。
犯人グループにオタクっぽいパソコン青年がいたりするのも、最近のハリウッド映画のお約束。
あらゆる面が予定調和で強い個性は無いが、リチャード・ロンクレイン監督の、見せ場のツボを押さえた手堅い演出は安心して観ていられる。
全体に、ちょっとテレビっぽい感が無きにしも非ずだが、プロフィールを見ると映画よりもむしろテレビで豊かなキャリアを持つ監督の様で、なるほどナットク。
まあテレビっぽい印象なのは、メアリー・リン・ライスカブやロバート・パトリックなど、どちらかというと映画よりもテレビで印象的な俳優たちが目立っているのも一因かもしれない。
タイトルの「ファイアウォール」で判るように、コンピューターセキュリティをサスペンスのネタにしたのがこの作品の特徴。
しかしこの点においてあまり成功しているとは思えない。
ハイテク犯罪物としては、肝心のファイアウォールの突破、そして犯人から金を奪い返すための頭脳戦の部分があまりにもあっさり、単純で物足りない。
物語は二時間の間よどみなく進んでいくが、徹底的にジャックを調べ上げているはずの犯人グループが、銀行の合併でセキュリティ部門が移転する可能性を把握していなかったり、細かい脚本の穴が沢山あり、いちいち興ざめしてしまう。
携帯カメラや犬用GPSといった、ハイテク小道具を使っての複線の張り方などは良く出来ているだけに、対照的に大味な描写がもったいない。
もっと脚本を練ればよかったのに。
クライマックスでは結局肉弾戦になってしまうし、サスペンスなのかアクションなのかどっちつかずの印象になってしまているのも、作品の印象を曖昧にしている。
アクションシーンは単体としては良く出来ていると思うが、この作品では徹底的にハイテクサスペンスに徹して頭脳戦の面白さを前面に出したほうが良かったんじゃないだろうか。
タイトルもせっかく「ファイアウォール」な訳で。
それにしても今回のハリソン・フォードは頑張る。
息子ほど若いポール・ベタニー相手に、どつかれるは、二階から蹴り落とされるは、爆発に吹っ飛ばされるは、(かなりの部分がスタントにしろ)まだまだ立派に現役アクションスターしている。
「インディ4」でまともな動きが出来るのか心配だったが、これならまだ大丈夫そうだ。
そんなフォードが、命をかけて守る妻のベスにはバージニア・マドセン。
最近では「サイドウェイ」が記憶に新しいが、私の中では断然「エレクトリックドリーム」(84)でコンピューターに恋をされる美少女である。
あれから早22年。
この人ももう45歳か・・・・歳月の流れを実感する今日この頃。
儲け役なのはジャックの秘書で、途中から窮地の彼を助けるジャネット役のメアリー・リン・ライスカブ。
この人は美人じゃないけど、何とも愛嬌のある特徴的な顔で強い印象を残す。
テレビの「24」でも地味に印象的だったが、この作品でも結果的に美味しいところを持っていく。
まあ全体にまずまずよく出来た娯楽映画だと思うが、あえてこれを映画館で観なければという理由は見つけにくい。
「家族が一番!」という定番中の定番フレーズ以外、テーマ性も見当たらないし、金の掛かったテレビの2時間ドラマみたいな印象なのだ。
まあ暇つぶしという映画の観方においては、これほど最適な作品もあるまい。
映画館のドアを出た瞬間に、もう映画のことは忘れてたけど、観てる間は退屈せずにそこそこ楽しめた。
まあ余韻が残らないから、付け合せも何でも良いんだけど、私は観終わって直ぐにアメリカンファミレスのシズラーで、「キリン一番絞り」を呑みながらサラダバーをいただいた。
ファミレスに一番身近なビール、正しくそんな感じの映画だった。
ハリソン・フォードは「インディ」が終わったら、もうちょっと作家性の強い監督と組んで欲しいな。
80年代はピーター・ウェアーやロマン・ポランスキーと癖のある作品も作ってたんだから。
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