FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
かもめ食堂・・・・・評価額1800円
2006年04月13日 (木) | 編集 |
なんだか「ふわ~」とか「ほへ~」とか脱力系の擬音が出ちゃいますな。
この心地よさは一体何だろう。
友達の家でも彼女の家でもいいや、自分が凄くリラックスできる空間で、腹八分目程度に美味しいご飯を食べて、ま~たりしてる感じと言えば、この映画の空気を想像できるだろうか。
是非この映画をイラクの戦場で上映してほしい。
「かもめ食堂」は、観た人の戦闘意欲を100%取り除き、のんびり優しい良い気分にしてくれる、副作用なしの精神安定剤みたいな映画だ。

北欧フィンランドはヘルシンキの街の片隅に、その小さなお店「かもめ食堂」はある。
日本人のサチエさん(小林聡美)が一月前に開いたお店は、まだ一人もお客が来ない。
ある日、初めて店にやってきた日本かぶれのフィンランド人青年トンミ(ヤルッコ・ニエミ)に、「ガッチャマンの唄」の歌詞を聞かれたサチエさんは、偶然本屋で会った旅行者のミドリさん(片桐はいり)に声をかける。
二人は意気投合し、ミドリさんはしばらく「かもめ食堂」を手伝う事になる。
ガッチャマン青年はミドリさんに「豚身昼斗念」と日本名を命名してもらい大喜び。
コーヒーに詳しいマッティさん(マルック・ペルトラ)に教えてもらった、コーヒーを美味しく入れる呪文も効き、サチエさんの焼くシナモンロールの匂いつられて、近所のおばさんたちも店にやってきた。
しかし段々と賑わってきた店を、憎々しげに見つめる一人の女リーサ(タリア・マルクス)の姿が。
同じ頃、ヘルシンキ空港で荷物を無くされたマサコさん(もたいまさこ)も、運命に導かれるように「かもめ食堂」のドアをくぐった・・・
  

あらゆる物がシンプル、かつ絶妙に調和している。
映画文法における引き算の素晴しさを堪能できる作品だ。
お話はゆるいし、テンポも鈍い。
物語の起承転結が明確にあるわけでもなく、三人の日本人女性と彼女達の働く「かもめ食堂」を中心に、のんびりした日常を淡々と描くだけである。
そもそも、なぜ「かもめ食堂」がフィンランドのヘルシンキに存在してるのかすら明確には描写されないし、三人がヘルシンキを訪れた理由も明かされない。
「まあ人生色々あるよね」って想像できる程度だ。
普通の映画で「ドラマチック」に使われる要素は全て物語りの裏側に隠され、隠し味のスパイス的に扱われる。

それでもこの作品の持つ独特の空気は観る人を魅了する。
何よりも舞台となる「かもめ食堂」が良い。
飲食店で働いた事のある人なら判ると思うが、このお店のキッチンには所謂業務用の器具は殆ど無い。
北欧の淡い光がほんのりと射し込み、胎内を思わせる縦長のお店は、家庭のオープンキッチンの延長みたいな作りで、優しい色使いのインテリアと相俟って、とてもリラックスできる空間に仕上げてある。
また家具やちょっとしたキッチンウェア、登場人物のファッションなども、華美では無いがとても細やかに選択されており、画面の隅々までしっかりと作りこまれている。
そして特筆すべきは、劇中に登場するご飯がとても美味しそうなのである。
邦画に出てくる食べ物は、豪華な物でも全然美味しそうに見えない事が多くてがっかりするのだが、この作品に出てくる食べ物は、目の前にあれば思わず手を伸ばしたくなるくらい美味しそうだ。
その物自体はおにぎりだったり、鮭の塩焼きだったり、シナモンロールだったりと、ちっとも豪華でも特別な物でもない。
だがきちんとフードコーディネーターを立てているのだと思うが、「かもめ食堂」の空間とのマッチングが絶妙で、映画的にはとても見栄えがする。
観客はお店のお客となって、心地よい時間を過ごしながら、登場人物の繰り広げる小さな悲喜劇を眺めるのだ。
それも過度にドラマチックでなく、いかようにも解釈できるような曖昧さを持つから、逆に観る人それぞれの人生に当てはめて色々想像して楽しめる。

登場人物に共通するのは、今日と言う日を誠実に生きている事。
サチエさんはお客が来なくても、毎日毎日お皿を磨いているし、幼い頃からやっている合気道の練習も欠かさない。
そんな彼女の店にやってくる人々は、ちょっと狂ってしまった「日常のリズム」みたいな物を取り戻して帰ってゆく。
平凡な毎日をしっかりと生きる事が、なんだかとてもステキに見える。

荻上直子監督とは、ずい分昔に一度仕事をしたことがある。
当時彼女はまだ学生だったが、読ませてもらったプロットなども人間の内面への深い興味が印象的だった。
デビュー作の「バーバー吉野」、二作目の「恋は五・七・五」は共に意欲作だったが、若干空回りしている部分があったし、ギクシャク感もあった。
しかしこの「かもめ食堂」では、肩の力が抜けたように、映画を構成する全ての要素に心地よい調和が感じられる。
舞台となるかもめ食堂の空間デザイン、それをそっと包み込むヘルシンキの街。
必要最小限の音楽と、静寂の中に聞こえてくる街の息吹。
そしてそこに登場する多様な登場人物と、彼らの持つ生き方の「間」。
一切の無駄が無いとも言えるし、逆に無駄なシーンだけで映画が構成されていると言えるかもしれない。
でも、こんなステキな無駄なら無駄も良いではないか。
荻上監督は、小津安二郎に匹敵するような、心地よい映画のリズムを掴んだ様だ。

観終わってもジンワリと後を引く。
「かもめ食堂」の人々は、映画の後どうなるのだろうか。
サチエさんの言葉を借りれば「人は皆変わっていく」ものだし、いつかみんな再び旅を始めるのだろう。
でも渡り鳥であるカモメが、毎年同じ港に帰ってくるように、ヘルシンキの「かもめ食堂」は、旅人が帰る事の出来る場所として優しく存在し続けるに違いない。

さあて気持ちよい映画のあとは、気持ちよい酒が最高!
今回はやっぱり、劇中にも登場する「コスケンコルヴァKOSKENKORVA」だねえ。
日本では手に入り難いし、フィンランドウォッカというと「フィンランディア」の方が有名だけど、私はコスケンコルヴァの方が好き。
度数やフレーバーも何種類かあるが、強いストレートの物を口に含むと若干塩っぽい後味を引き、特にスモークサーモンとの相性は絶妙。
たぶんフィンランディアの方がフルーティなテイストなので、飲みやすいのだと思うが、こちらも日本でも手に入りやすくして欲しい酒だ。
ただし、強いから二日酔いにならない程度に・・・・ね。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!

ウォッカウォッカ 40°(700ml)【フィンランディア】
こちらは日本でも手に入る「フィンランディア 40°700ml」 \1800 





スポンサーサイト