FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
タイフーン・・・・・評価額1200円
2006年04月18日 (火) | 編集 |
「プロミス」での扱いはかなりアレだったが・・・こっちはチャン・ドンゴン本来のギラギラした男臭さを前面に押し出した、熱血ポリティカルアクション。
二つの祖国に裏切られ、両親を殺され、たった一人の姉とも生き別れになった男が、海賊として成長し国家に復讐する話だが、この復讐劇はかなりスケールが大きい。
何しろ朝鮮半島全体に核廃棄物をばら撒き、死の世界に変えてしまおうというのだ。
物語も太平洋から始まり、タイ、シンガポール、ロシア、そして朝鮮半島と、大陸と大洋を巡り、大作らしい雄大なスケールを醸し出している。

アメリカの機密物資を載せた貨物船が、太平洋上で海賊に襲撃され、物資を奪われた。
奪われたのは、アメリカが密かに台湾で製造した核ミサイル誘導装置。
韓国海軍のカン・セジョン大尉(イ・ジョンジェ)は、極秘のうちにこの事件を捜査するように命じられる。
タイに飛んだセジョンは、事件を起こしたシン(チャン・ドンゴン)と呼ばれる海賊が、20年前に北京で韓国に亡命申請した脱北者のチェ一族の少年である事を突き止める。
チェ一族は、韓国政府に亡命を拒否され、北朝鮮に送還される途中で銃殺されたのだが、幼い姉弟の二人が生き延びていたのだ。
シンの行方を追うセジョンは、シンの姉のミョンジョンがウラジオストックでロシア人相手の娼婦に身を落していることを知る。
セジョンはウラジオストックでミョンジョンを保護すると、彼女を囮にしてシンを捉えようとする。
やがてウラジオストックに姿を表したシンは、核ミサイル誘導装置をロシアに売り渡し、代わりに30トンもの核廃棄物を手に入れる。
シンの本当の狙いは、自分達を裏切った南北二つの祖国に対する復讐だった・・・・


この作品の最大の美点は、とにかくキャラクターが立っている事だ。
チャン・ドンゴンは勿論だが、セジョン大尉を演じるイ・ジョンジェも負けず劣らず素晴らしい。
ビシッと姿勢が良く、鋭さの中に優しさを感じさせる目。
どこから見ても、役柄通りの人間味溢れる本物の軍人に見える。
シンの生き別れの姉ミョンジュを演じるイ・ミヨンは、もう見るからに薄幸そうで、シンとの二十年ぶりの再会シーンでは、来るぞ来るぞと判っていても泣かされてしまった。
彼らのキャラクターはある意味もの凄く判りやすく、ベタベタではあるのだが、存在に十分な説得力があるのだ。
メインキャラクターだけではない。
シンには幼馴染として育ったトトソムチャイという二人の腹心がいるのだが、この二人も実に魅力的だし、終盤にセジョンと共に出動する同期の軍人達も、ほんの僅かな登場シーンにも関わらず、強い印象を残す。
これはビジュアルを含めたキャラクター造形が非常にしっかりしていると共に、脚本の表現の仕方が絶妙だからだ。
例えばシンの幼馴染トトが、好きな女の子に肉を多めに配給しようとして、彼女の兄でもあるソムチャイに叱られるシーン。
これだけで彼らの性格や関係が見て取れる。
セジョンの国情院の上司が、何度注意されてもタバコを止めないシーンや、セジョンが独身隊員だけで特攻隊を組織した時のやり取りなど、ちょっとしたシーンで、登場人物の人となりが理解できるように工夫が凝らされている。

クァク・キョンテク監督の演出もキャラクターの魅力を抽出しながら、テンポ良く進む。
「友へ/チング」でもそうだったが、この人の演出は男を輝かせる。
少々気合が入り過ぎて暑苦しい気もしないでもないが、この映画のチャン・ドンゴンやイ・ジョンジェは韓流オバサマよりは「男が惚れる男」だろう。
この監督が東映任侠映画全盛の頃に日本にいたら、超売れっ子になっていたに違いない。
アクションシーンの出来も中々の物で、オープニングのアメリカ船襲撃からウラジオストックでの銃撃戦、クライマックスの台風の中の特攻攻撃まで、ハリウッドの派手なアクションを見慣れた目にも決して遜色の無い仕上がりだ。

しかし、キャラクターやアクションに関しては非常に魅力的なこの作品も、全体を通してみると妙に居心地が悪い。
それは作品のテーマとも重なる、物語上の設定が大味で漫画チックだからだ。
物語を動かす政治的な設定やサスペンスの構造にリアリティが無くて甘い。
物語が設定の矛盾を解消できず、キャラクターの力に頼って場当たり的に進んでいってしまうのだ。
政治的なメッセージを持つポリティカルアクションの体裁を取る以上、これは致命的。

具体的に言えば、まずアメリカの機密が盗まれたのに、何故いきなり韓国の情報機関が動くのかが判らない。
積荷が奪われた時点では、シンが脱北者であることも、朝鮮半島への核テロを計画している事も判っていなかったはず。
普通に考えれば奪われた当事者であるアメリカが捜査するはずで、関係ない韓国に掻き回されたらそりゃ怒るだろ。
最終的にシンの狙いは朝鮮半島の滅亡にある事が判るが、途中までセジョン達が何故動いてるのか判らない。
設定が矛盾だらけだから、セジョンがいかにしてシンやミョンジュを探し出すのかという、本来ならスリリングな展開を期待できる部分も、殆ど物語に生かされる事なくあっさりと通り過ぎてしまう。
またシンは自分の計画を遂行するために、巨大台風を効果的に使おうとするのだが、都合よく台風が来なかったらどうするつもりだったのか。
アイディア自体は面白いが、二十年もかけた復讐計画が最終的には天気任せとはあまりと言えばあんまりだろう。

キッチリと描きこまれたキャラクターや心理描写の的確さから比べると、この物語設定の甘さは別の脚本家が書いたのかと思えるくらいスカスカだ。
この作品のテーマは国家に裏切られた脱北者の問題であって、脱北者を生み出す北朝鮮、それに見て見ぬフリをする韓国の双方を批判している。
実にタイムリーだし、日々伝えられる報道を見ても、シンの家族がたどった悲惨な運命が決して絵空事ではない事は理解できる。
だからこそ、背景となる政治的なサスペンスには説得力とリアリティが必要だったはず。
残念ながらその部分が出来の悪い007並みだったので、せっかくの強いメッセージも観客には中途半端にしか届かなかっただろう。
テーマへのアプローチは真摯だし、ラストを含めて印象的なシーンも多いから、なんだか勿体無いなあと思ってしまう映画だった。

今回は結構暑苦しい映画だったので、あっさり系にしようかと思ったが、ちょっと象徴的なお酒として「ムンベ酒」を合わせたい。
ムンベとは山梨の事で、その香りがする事から名付けられた蒸留酒で、韓国の地酒の中でも最高ランクのものだ。
この酒が世界的に有名になったのは、その味以上に南北首脳会談時の乾杯の酒として選ばれたからだ。
この酒で南北首脳が乾杯した後も、多くの脱北者が困難に直面している訳で、一体あの会談は何だったのかと6年を経過した今になって思う。
ちなみに香りはフルーティだが、お味は政治家の腹同様に、結構癖がある。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!

ムンベ酒
ムンベ酒  \8431





スポンサーサイト



映画バトン♪
2006年04月18日 (火) | 編集 |
カリスマ映画論の睦月さんから映画バトンが回ってきたのでやってみました。
案外普通・・・?
自分の映画の原点がわかるみたいで面白かったな。

-----------------------------------------------------------------
ほんじゃま、ぼちぼち行きましょう。

1、持っているDVD、あるいはビデオの数

ざっと数えてみると、全部でちょうど100本!
ただしこのうち30本は、意地で買い続けてるディアゴスチーニの隔週刊「X-ファイル」(笑
仕事関連から貰った短編映画やPV、Vシネもあるから純粋な劇映画は50本ほど。
ただし半分ぐらいは買っただけで封を切ってない。だって忙しくてさ。
昔はビデオテープを300本くらい持ってた頃もあるけど、引越しのたびに泣く泣く処分したりでだいぶ減りました。
最近買ったのは、知る人ぞ知る邦画の名作「薄れゆく記憶の中で」。


2、あなたのお気に入りの監督・俳優・脚本家などの映画人(5人まで)

多すぎるんで、とりあえず現役の監督限定でいきますわ。
全体に、わりと正攻法で適度に個性のある作家監督が好き。
以下の監督作品はデビュー作から全部観てる。

スティーブン・スピルバーグ
何だかんだ言って、私の世代にとっては映画といえばスピルバーグ。
神です。拝んでます(マヂで)。

アラン・パーカー
不思議な透明感と英国人らしいシニカルな映画文法。
学生時代に嵌って大きな影響を受けた人。

ポン・ジュノ
同世代では断然この人。
「殺人の追憶」は「参った!」としか言葉が出ない。
新作の「怪物」も楽しみ。

デビット・リンチ&デビット・クローネンバーグ
なぜか私の中ではこの二人はセット。
多感だった十代の頃に、この二人の映像ドラックでかなり脳をやられました。

ピーター・ジャクソン
生涯のベスト1作品の監督をあげない訳にはいかないよね。
この人の魅力は愚直なまでの映画への愛かな。


3、一番最近観た映画

「タイフーン」レビュー書いてます。
本当は「リバティーン」を観るつもりだったけど、時間を間違えてこれになった。
DVDで最近観たのは「アナコンダ2」。見事な地雷にて爆死。

4、人生で初めて観た映画

映画館で観たのは、邦画「キングコングvsゴジラ」(旧日劇で東宝チャンピオンまつりのリバイバル)、洋画「スターウォーズ」(今は無きテアトル東京のシネラマ)。
子供の頃は映画に行く=東京に行くだったので、ちょっとした祭りだった。
未だにSFと怪獣と聞くと観に行きたくなるのは、初体験の刷り込みによるものと思われる。
テレビで最初に観たのはどれか覚えてないけど、印象に残ってるのは「吸血鬼ゴケミドロ」と「東海道四谷怪談」(たぶん中川信夫版)。
この二つは夏休みに田舎の祖父の家で観て、あまりの恐ろしさにトラウマになった。


5、今、観たい映画

「ダ・ヴィンチ・コード」
ミステリ好き、歴史ヲタクとしては外せない。

「花よりもなほ」
是枝監督の作品は嫌いな物が無い。これもかなり楽しみ。

「怪物」
ポン・ジュノの新作で、しかも怪獣が出てくると聞けば観るしかないでしょ。

「父たちの星条旗」&「硫黄島からの手紙」
イーストウッド&ポール・ハギス。楽しみです。


6、何度も観てしまう映画、あるいは特別な思い入れがある映画(5本)

「ロード・オブ・ザ・リング/旅の仲間」
ちょうど人生の転機になる頃に観た映画。
この頃あの9.11事件とかがあって、世相的にも自分的にも色々先行き不安で、映画の世界と自分のメンタルが重なったのか異常に嵌り、結局映画館で9回も観てしまった。
三部作トータルで自分の中で生涯のベスト1。

■ 「レイダース/失われたアーク」
今ではジェットコースタームービーなんて言われてるけど、連続活劇というジャンルを復活させた傑作。
小学校の高学年か中学の頃に観て、あまりにも面白すぎて3回くらい連続で観た気がする。
映画館に通い始めたのはこれがきっかけ。

「E.T」
これが公開された頃に、テレビでスピルバーグの特番をやたらと放送してて、彼に憧れて自分も8ミリを廻し始めた。
この作品がなければ違う人生を歩んでいたはず。

「バーディ」
アラン・パーカーにはまるきっかけになった作品。何ともいえない不思議な透明感と、思いっきり人を馬鹿にしたようなオチ。ある意味で映画の理想形。最高です。

「七人の侍」
中学生の頃テレビではじめて観たんだけど、面白すぎてビックリした。後にニュープリント版がアメリカで復元された時も劇場に駆けつけ、やっぱり凄いと再確認。


う~ん五本じゃ足りない。しかしこうしてみるとやっぱり十代の頃観た作品が多いな。
その頃に観た作品が映画観を形作るんだろうね。
この他にあげるとすると「ゴッドファーザー」「生きる」「遊星からの物体X」「鴛鴦歌合戦」「ベティ・ブルー」・・・・etc、我ながら全然脈略が無い・・・。


7、バトンを回したい人
う~ん、困った。
交友関係広くないからなあ・・・。
とりあえず自分の興味で勝手に送らせてもらいます。

■ 「映画を観たよ」のなななさん
いつもレビューを拝見していて、しっかりした目を持ってるなあと感心しきりです。
自分が十代の頃はもっとアホでした。


「Hard Rock Life'n Travels」 のhebimetasanMさん
映画バトンを受け取ってくれるか不安ですが、さすらいのテレビマン。映画レビュー以外でも面白い記事を楽しみにしてます。


シャーロットの涙のcharlotteさん
観てる数も凄いし、レビューも親しみの持てる文体でとても判りやすく、楽しみに読ませてもらってます。

----------------------------------------------------------------
まあこんなんでよろしゅう・・・


ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!