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アンジェラ・・・・・評価額850円
2006年05月14日 (日) | 編集 |
やたらとプロデュース作が多いので、毎月のように名前を見ているが、監督作品は1999年の「ジャンヌ・ダルク」から6年ぶりとなるリュック・ベッソン監督の新作。
デビュー作の「最後の戦い」以来となるモノクロ映像を駆使して、チビのダメ男と長身の金髪美人の不思議な冒険を描く、異色のラブストーリーだ。

巨額の借金で首が回らなくなった28歳のダメ男アンドレ(ジャメル・ドゥブーズ)は、セーヌ川に身投げしようとして、なぜか同じように身投げしようとしていた謎の美女アンジェラ(リー・ラスムッセン)を助ける嵌めに。
「私はあなたの半身」
そう言うアンジェラは、突飛な行動でアンドレの運命を徐々に好転させてゆく。
慎重180cmで娼婦の格好をしたブロンド美人アンジェラ。
対してチビでブサイクのダメ男アンドレ。
アンドレは、一体アンジェラは何故自分を助けるのか、次第に疑問を抱くのだが・・・


よく言えば、フランス版「猟奇的な彼女」。
ダメ人間の男が、美人だけけど変な女の子に振り回されて、一皮剥けるという構造は似ている。
しかし似てるのはそれだけ。
この映画にはその設定を生かすセンスも、相応しい物語も用意されていない。

正直、私はこの映画に対してあまり語る言葉を持たない。
はっきり言ってどうでもいいというか、なんか気の抜けたシャンパン、あるいは見た目は綺麗だけど味の無い料理を食べさせられた気分だ。
リュック・ベッソンは映画の撮り方を忘れてしまったのだろうか。

一番面白いのは映画の冒頭、アンジェラが登場する前だ。
どっからどうみてもダメそうな主人公が、金策に右往左往するのシークエンスはそれなりに笑えるし、テンポも良い。
しかし、肝心のアンジェラが登場すると、何だか映画全体がグダグダになってしまう。
アンジェラはダメ男に染み付いたコンプレックスを取り除き、ある種のポジティブシンキングを叩き込もうとする。
この映画の殆んどはこの二人の掛け合いで進んでいくのだが、これがあまりにも陳腐。
場当たり的に面白そうなシチュエーションが、右から左へとどんどん流れてゆくが、一つ一つのシーンの感情が次に繋がらない。
物語が紡がれていないのだ。

観ているうちに、童顔の主人公が、どんどん頭の悪い男子中学生に見えてくる。
実際にこのキャラクターの中身は中学生並のメンタリティだ。
対応するアンジェラも、コミケで売ってる中高生作家の漫画同人誌あたりに出てきそうなキャラクターで、この二人の掛け合いは正直言ってどこまでがシリアスでどこまでがギャグなのか判らない。
いや、物によっては中高生作家のキャラクターの方が、よっぽどリアリティがあるかもしれない。
終盤、アンドレが始めて「言いたい事を言う」シーンで、アンジェラが涙するあたりは噴出しそうになった。
途中で何度も、「もしかしたらこれはコメディなのか??」と自問自答したが、最後まで観るかぎりでは、どうやらシリアスのつもりだったようだ。
ジャメル・ドゥブーズリー・ラスムッセンの凹凸コンビ自体はビジュアル的に悪くないだけに、このキャラクター造形はあまりにも勿体無い。

主役二人がそうなのだから、生みの親たるリュック・ベッソンの描き出す二人の心の交わりもローティーン並みの代物だ。
何の捻りも無いラストシーンまで、あらゆる心情を全て口に出し、ベタベタな台詞の羅列で突っ走る。
とてもじゃないけど、「ニキータ」「レオン」を生み出したのと同一人物の作品とは思えない。
あのしっとりとした余韻を残す、「ニキータ」の大人なラストを生み出した感覚はどこ行っちゃったのよ?
撮影監督ティエリー・アルボガストによるモノクロ映像も、確かに綺麗だけどアンジェラのビジュアル以外にたいして意味のある物にはなってなかったし。

とりあえずこれは無かった事にして忘れてあげるから、次の「Arthur and the Minimoys」ではしっかりと映画の撮り方を思い出すこと。

さてと、というわけで劇中のアンドレじゃないけど、「ウォッカトニック」でも飲んでダメ映画は忘れましょう。
ウォッカとトニックウォーターを4:7で、氷を入れたグラスに注ぎ、軽くステアしてライムを落として完成。
まあ酔って流しちゃいましょ。

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