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インサイド・マン・・・・・評価額1500円
2006年06月11日 (日) | 編集 |
スパイク・リーはこんなのも撮れるのか・・・
長年彼の作品を観続けてきた印象からすると、正直言ってちょっと意外。
「インサイド・マン」は、緻密なプロットに基づく、よく出来たクライムムービーである。

※重要なネタバレを含みます

その男の名はダルトン・ラッセル(クライブ・オーウェン)。
完全犯罪者。
ニューヨークのマンハッタン信託銀行に銀行強盗が入る。
急報を受けて現場に急行したのは、NY市警のネゴシエイター、フレイジャー(デンゼル・ワシントン)。
同じ頃、連絡を受けた信託銀行の会長アーサー・ケイス(クリストファー・プラマー)は、急遽敏腕弁護士のマデリーン・ホワイト(ジョディ・フォスター)を呼び寄せる。
ケイスは自分自身の過去に纏わるある「秘密」を銀行の貸し金庫に隠してあり、それを警察にも強盗にも触れさせないためにホワイトを現場に送り込む。
現場責任者のダリウス警部(ウィレム・デフォー)の元、犯人グループとコンタクトを試みるフレイジャーだったが、ラッセル以下四人の犯人グループは、人質全員を自分たちと同じコスチュームに着替えさせ、警察にバス二台と燃料満タンのジャンボジェットを要求する。
一体犯人グループの真の狙いは何なのか・・・


いきなりクライブ・オーウェンの独白から始まる。
「私は完全な銀行強盗を成し遂げた」
その犯罪がいかなるものなのか、事件発生から解決までを映画は急ピッチで見せて行く。
展開は早いが、決して駆け足ではない。
スパイク・リーの演出は、まるでベテランの職人監督のように淀み無く滑らかだ。
ラッセル・ジェウィルスの脚本も、過不足無く事件の細部まで描きこまれ、犯罪映画のお手本の様に展開する。
それでいて、この監督・脚本のコンビは、アラブ人と間違えられたシーク教徒が激怒する描写、犯人が人質を射殺したと思ったフレイジャーが激情に駆られて突進するシーン、あるいは意表を付く音楽の使い方などに、しっかりと「らしさ」を見せ付ける。

演技陣は正にオールスターキャストという感じで壮観。
デンゼル・ワシントンクライブ・オーウェンは、この手の映画ではお約束の対照的なキャラクターを好演。
ジョディ・フォスターは、ゲスト出演的な「ロング・エンゲージメント」を除けば、最近の彼女には珍しく完全な脇役だが、野心的で強気な弁護士というキャラクターを上手く纏めている。
クリストファー・プラマーも、最近の彼の定番である怪しい陰のある老紳士。
唯一ウィレム・デフォーの警部は、あまり面白みが無くて別にデフォーでなくてもよかったような気がするが、全体的にそれぞれの俳優のイメージを、そのままキャラクターに反映させて作品世界に無難にフィットさせている。
誰も強烈な印象は残さないが、脚本の面白さで魅せる犯罪映画なら、これは正しい。

一言で言って面白い。しかし、全体の印象は今ひとつピリッとしない。
その原因は、完全犯罪と動機がリンクしないからだろう。
物語のメインフレームとなる強盗事件の顛末と、物語的なテーマに繋がるケイスの戦争犯罪という秘密が上手く絡み合っていないのだ。
物語の流れを読む限り、ラッセルたちははじめからケイスの秘密を知って、彼の銀行を狙ったように見えるし、映画全体のオチもケイスの罪への「罰」となっている。
だとすると、この物語はキャラクターの感情の流れがケイスの罪へと収束してこなければならないが、そうはなっていない。
そもそもダルトン・ラッセルという男が何者なのか、映画では最後まで説明されないので、彼と彼の犯罪とケイスの秘密との間にどのような相関があるのか観客には判らないのだ。
ラッセルはなぜこのような犯罪を犯したのか?
これがしっかりと描写されないから、ケイスの戦争犯罪という要素は、クライムムービーに無理やり取ってつけたテーマ、物語の添え物になってしまっている。
事件後にラッセルの捜索そっちのけでケイスの秘密を追うフレイジャーの行動にしても、彼は60年前の戦争犯罪を追及するほど、正義感の強い人物には見えないから無理やりな印象が拭えない。
ぶっちゃけケイスの秘密に関しては、クリストファー・プラマーが出てきて、自分の過去に纏わる秘密を守れと語り始めた瞬間、カンの鋭い人はナチス絡みの戦争犯罪だろうなあと読めてしまうと思う。
これが話の本筋に上手く絡めばよりよかったが、ラッセル・ジェウィルスは本筋の銀行強盗のプロットで知恵を使い果たしてしまった様だ。
まあ肝心の所で無理やり感が残ってしまうのが残念だが、練りに練られた完全犯罪の計画など実に見ごたえがあるし、少なくとも上映時間のラスト15分までは十分に面白いクライム・ムービーである事は間違いなく、決して観て損は無い作品だと思う。

今回は映画の「獲物」に引っ掛けて「ダイヤモンド・フィズ」をチョイス。
ドライ・ジン45mlとレモン果汁20mlとシロップ適量をシェイクして、氷を入れたグラスに注ぎ、スパークリングワインを満たして、最後にスライスしたレモンを載せる。
複雑な犯罪映画で込み入ったをほぐしてくれる、実にすっきりとした味わいのカクテルだ。

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