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時をかける少女・・・・・評価額1600円
2006年07月25日 (火) | 編集 |
筒井康隆原作の、あまりにも有名なSFジュブナイル小説の三度目の映画化。
またまたリメイク作品である。
最初の映画化は83年の原田知世主演・大林宣彦監督版。
二度目は97年に、83年版の製作を手がけた角川春樹監督で映画化。
実は映画化される前にも、NHKの少年ドラマシリーズ枠で、「タイムトラベラー」のタイトルでドラマ化もされており、単発ドラマなども含めると今回で何と7回目の映像化となるそうだ。
ドラマ、映画、そして今回のアニメーション映画と、これほどまでに様々な手法で何度も作られるのは、所謂ジュブナイル小説の先駆けでもある原作が、非常にビジュアル的で映画化にピッタリの長さであり、尚且つ内容が普遍的だからだろう。
しかし、今回の細田守監督版は、単に過去の作品をそのままリメイクしたという訳ではない。
原作、そして今までの映像化は、高校生芳山和子と、ラベンダーの花を求めて未来から来た転校生の切ないラブストーリーだった。
今回は、芳山和子は脇に退き、弾けんばかりに元気一杯の彼女の姪・紺野真琴がタイムトラベラーとなるのだ。
つまり、成長した芳山和子というキャラクターを媒介として、旧作と新作、実写とアニメが時を越えてつながり、リメイクでありながら続編でもあるという凝った作りとなっている。

野球好きの女子高生紺野真琴(仲里依紗)は、同級生で野球仲間の二人の男友達、功介(板倉光隆)と千昭(石田卓也)といつも三人でつるんで遊んでいる。
ある日真琴は、ひょんな事から時間を飛び越えるタイムリープの能力を持ってしまう。
最初は戸惑って、やはり若い頃に同じ能力を持っていたという叔母の芳山和子(原沙知絵)に相談したりしていたものの、その便利さが判ると今度は時間を飛びまくり。
何しろこの能力さえあれば、どんな失敗にもリセットが効くのだ。
しかしある時、千昭が自分の事を好きだという事を知り、三人の関係を壊したくない真琴は、タイムリープで彼の心にもリセットをかけようとするのだが・・・・。


多くの人にとって、「時かけ」と言えば83年版が思い浮かぶだろう。
というか他の映像化は、殆んど忘れ去られていると言っても良いかも知れない。
これが映画デビュー作となった、当時16歳の原田知世が初々しく芳山和子を演じ、大林宣彦が故郷尾道・竹原の情緒的な風景を舞台に描いた、ジャック・フィニイ的SFファンタジーの佳作だった。
今回の細田監督版も、基本的なイメージは83年版を継承している。
舞台は首都圏と思われる街に改められているが、坂や階段が多い街並みの風景(しかもこれが効果的に演出に組み込まれている)や、レトロな雰囲気の真琴の家、印象的な音楽の使い方、そしてなによりも今回は真琴をそっと見守る叔母として登場する、芳山和子のキャラクターなどに旧作のイメージは強く残されている。
旧作へリスペクトを捧げつつ、本筋ではオリジナリティを追求する。
安直なリメイクとしなかった細田監督と脚本の奥寺佐渡子の狙いは的中。
この23年ぶりの「続編」は、懐かしくも新しいイメージに満ちている。

元々の主人公、芳山和子はどちらかというと大人しい控えめな少女として描かれていたが、姪っ子の真琴は正反対。
脳内どピーカン、超アクティブで底抜けに明るいお調子者。
元気を絵に描いたようなキャラクターだ。
このキャラクターをして、今回の映画を「現代的」と評する向きもあるようだが、別に80年代に比べて今の少女全般が特に元気になったとも思えない。
むしろ描きたい事に必要なキャラを作ったら、こうなったという感じではなかろうか。
勿論旧作との差別化の意味もあるだろうし、実際に劇中で芳山和子が自分と真琴の違いを語るシーンもある。

旧作では、ラベンダーの香りと共に幻想的に描かれていたタイムリープも、今回は真琴のキャラに合わせたのか、豪快にジャンプをする事で起こる。
物語の前半は、偶然獲得したタイムリープの能力に、真琴が能天気に喜ぶ。
テストがあれば前日に戻って答えを暗記し、妹に食べられたプリンは食べられる前に戻って先に食べ、カラオケは時間切れになれば最初に戻る。
この過程はテンポもよく、ちょっと「ドラえもん」チックなギャグ描写の連続で抱腹絶倒。
問題が起これば過去に戻ってリセットというのは、確かに「現代的」かもしれない。

しかし、調子に乗ってタイムリープを繰り返しているうちに、真琴は周りの人々の心までも操ろうとしてしまう。
真琴といつも一緒の功介と千昭。
三人組の微妙な関係を壊したくない真琴は、彼らの恋心を都合よくコントロールしようとするのだが、過去をいじればいじるほどに綻びが生じてしまう。
そうして、心の痛みを伴うタイムパラドックスの果てに、真琴は知る。
変わらない関係など無いという事を。
どんなに真琴があがいても、時は否応無く流れてゆく。
そして初めて、誰かを愛する自分の本当の心にも気付くのだ。
後半の物語の流れは、コメディタッチの前半とは打って変わって、タイムパラドックスを効果的に使ったスリリングかつ切ない恋愛SFファンタジーとなり、「時かけ」の世界へ回帰する。

細田守監督は、「劇場版デジモンアドベンチャー」「ONE PIECE THE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島」などでも、キッズだけに独占させておくのは勿体無い、独特のムードのある演出を見せていたが、今回も十分楽しませつつ作家性はしっかりと出している。
私は、実写と違ってゼロから作るアニメーションとは、最終的にはディテールの勝負だと思っている。
それは単純な画の上手い下手や、モーションのスムーズさの問題ではなく(勿論それも重要だが)、絵空事をいかにリアルに感じさせるかというセンスの部分が大きい。
細田監督は、メインのキャラクターの動かし方以外に、間合いの取り方や、ちょっとした日常のリアリティの表現が抜群に上手い。
この人は「デジモン」の評価で、スタジオジブリの「ハウルの動く城」の監督に抜擢されながら、制作途中に宮崎駿と衝突して降板させられた人。
正直なところ「ハウルの動く城」を観てがっかりした私としては、今回の仕上がりを観て、細田版の「ハウル」を観たかったなあという思いが強くなった。

真琴役の仲里依紗、功介役の板倉光隆と千昭役の石田卓也をはじめ、芳山和子をしっとりと演じた原沙知絵、クラスメート役の垣内彩未(旧作で津田ゆかりが演じた役かな?)、内気な下級生役の谷村美月ら、若い実写の俳優中心のキャストも、総じて好演。
私はアニメーション映画で、声優以外の人を使うのは必ずしも効果的でないと思っているのだが、今回の作品に関しては、技術的な拙さより彼らの生なリアル感が上手く生かされ、悪くなかったと思う。

厳密に観ると、SF的な理屈の部分でやや脚本の処理が荒っぽかったり、後半の展開が駆け足になってしまっていたり、イマイチな部分もある。
アニメーションとしても、例えばジブリ作品ほどの映像的なクオリティは無い。
しかしこの細田版「時かけ」には、青春真っ只中の真琴達と同世代の人にも、「芳山和子」と同世代の人にも、同時にアピールする、ちょっと懐かしくて新鮮な楽しさが十分につまっている。

今回は、83年版のロケ地広島は竹原の地酒「誠鏡 純米大吟醸」を。
純米大吟醸としてはやや辛口で、フルーティ。
竹原は知る人ぞ知る広島の酒どころの一つ。
そう言えば旧作の尾美としのりは、造り酒屋ならぬ醤油醸造所の息子って設定だったね。

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