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2006年08月29日 (火) | 編集 |
お昼ご飯にたまたま讃岐うどんを食べ、そのままフラフラと劇場へ。
私をこの映画に誘ったのは、間違いなく「UDON」の力だ(笑
「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が、故郷の香川県とソウルフード「讃岐うどん」への思いを詰め込んだグルメムービー。
とりあえず、讃岐うどんはウマイ!
NYでスタンダップコメディアンを目指していた松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、巨額の借金を抱え、夢破れて故郷の香川に帰る。
香助の実家は、このうどんの国で製麺所を経営していた。
不人気なタウン情報誌に職を得た香助は、讃岐うどんを雑誌のウリにする事を思いつく。
ライターの恭子(小西真奈美)や幼馴染の広告マン・庄介(トータス松本)の助けを借りた香助は、次第に讃岐うどんのもつディープな世界に魅せられてゆく。
彼らの紹介する「UDON」の奥深い世界は日本全国に大ブームを巻き起こすのだが、それは同時に香助にとって一度は背を向けた父(木場勝己)との邂逅でもあった・・・
思い返してみると本広克行という人の映画は殆ど観ている。
「踊る~」シリーズは勿論、古くは「友子の場合」「サトラレ」「スペーストラベラーズ」から、昨年の「サマータイムマシン・ブルース」まで、この人の映画には共通した特徴がある。
よほどサービス精神が旺盛なのか、それともテレビ局&代理店主導のマーケッティング映画の世界にあまりにもどっぷり漬かりすぎなのか、一言で言ってくどいのだ。
せっかく出来の良い料理を作れるのに、最後に余計なスパイスを加えてぶち壊しにしてしまう、勿体無い料理人という印象がある。
決して嫌いではない。
嫌いだったらたぶんこんなに沢山観てないだろうし、どこか魅力のある映画を作っている人だとは思う。
しかし、何ともくどいのだ。
「サトラレ」のクライマックスで、泣かせの演出を延々と繰り返すシーン。
「踊る~」の1作目で青島のリハビリの頑張りをしつこく強調するシーン。
「スペーストラベラー」のアニメキャラへの妙なこだわりの強調。
どれももう少し控えめな演出をしておけば、ジンワリと感動が湧き上がってくるのに、演出があまりにも強調してくるから、逆にあざとく感じてしまう。
本広監督の映画を観ると、いつもくどい部分を編集して切りたい欲求におそわれる。
残念ながら、今回の作品にもその特徴はアリアリ。
まずは要素がてんこもり過ぎだろう。
この映画には、それぞれに一本の映画を構成できる要素が三つもある。
まず前半の、うどんブームを巡る物語。
次に父と子の葛藤を中心とした、松井製麺所の家族の物語。
さらにはセミドキュメント風に語られる、香川のうどん文化そのものの物語。
ぶっちゃけ、映画の中心となるのは松井製麺所の父子の物語だし、うどんブームのところは無くても映画は成立する。
たぶん、香助たちと同じように、本広監督も取材を進めていくうちに、あまりにも奥深くて面白い香川のうどん文化を盛り込みたくなって、切るに切れなくなってしまったのだろうと想像するが、後半の松井製麺の味を再現する過程でうどん文化に切り込むという展開もアリだったと思うし、もう少し要素を整理する方法はいくらでもあったと思う。
それに、かなりオーバーに語られる、うどんブームの描写は正直違和感があった。
何故なら、グルメの世界で讃岐うどんの「ブーム」っていうのは、だいぶ前から実際に来ているからだ。
讃岐うどんブームって言われ始めて、もう3、4年にはなるんじゃないだろうか?
現実世界でとっくにブームになっている物を、映画でいかにも作り物臭いブームの描写をしても、ウソに見えるだけではないか。
観客はとっくに、ブームが映画みたいな物ではない事を知っているのだ。
香助が子供の頃に夢想したという設定で、物語の中でかなりのウェイトを占める「キャプテンUDON」というキャラクターも今ひとつしっくり来なかった。
私は、子供はあんなキャラクターを考えないと思う。
父親の職業に憧れるなら、「かっこいいうどん屋になりたい」とか「かっこいい運ちゃんになりたい」とかは考えるだろうが、親父をスーパーヒーローに夢想する子供には、自分が子供だった頃を含めて、会った事が無い。
ああいうのは代理店のマーケッティングの発想だろうと思う。
物語のオチにも繋がってくるキャラクターなのだが、これも不必要に過剰なサービス精神と商業主義の副産物に見えてしまうのが悲しい。
せっかく香川のソウルを表現する機会なのに、そのスタイルは劇中でうどんブームを仕掛けようとするテレビ局と同じに見えてしまう。
しかし、そういう表層的な表現の部分とは対照的に、本広監督が「大いなる自主映画」と語るように、この映画には彼自身の故郷香川への思いが一杯つまっているのも事実だ。
讃岐富士とも呼ばれる美しいフォルムの飯ノ山がそびえ、キラキラと陽光を反射する沢山の溜め池が点在する讃岐平野の風景は、ある意味日本のハートランドと呼ぶに相応しい。
殆どドキュメンタリーの様に登場する実在のうどん屋は、それだけで香川に飛んで行きたくなるほど食欲をそそる。
混乱した作劇のせいでややかすんでしまったが、松井製麺所の家族の物語をはじめ、恭子や庄介の人生がちらりと垣間見られるエピソードもなかなか良い。
香助と父の四十九日のエピソードには、正直言って少し泣かされた。
映画のベースには、素晴らしい作品になりえるポテンシャルは十分にあったのだ。
なのに、やっぱり・・・決定的に詰め込み過ぎでくどい。
四十九日のエピソードにしても、ああいうファンタジーは一回で良いのに、わざわざ二度見せるしつっこさが余韻を壊している。
観客はそんなに想像力が無くもなければ、バカでもない。
これが本広克行という演出家のスタイルなのかもしれない。
しかし私は、もうちょっと肩の力を抜いて、観客を信頼して映画を撮ってみるべきだと思う。
しっかりとした技術と情熱で打ったうどんは、素のままでも十分美味しい。
その事は彼自身が十分知っているだろうが、讃岐うどんにいえる事は、実は映画にもそのまま当てはまるのだ。
私は余計なスパイスや場違いな具の入っていない、素の本広克行監督作品が観てみたいと思う。
ソウルフードって、得てしてシンプルな物だと思うんだけどな。
さて、讃岐うどんにはやはり香川の地酒。
明治24年からこの地で酒作りを続ける川鶴酒造の「無濾過 旨口 純米」を。
それほど辛口でなく、すっきりとしてとても飲みやすい。
うどんが小麦の美味さなら、こちらは米の美味さ。
釜上げの讃岐うどんに天麩羅を肴にしたら最高だろう。
冷でも燗でもいけるのも、うどんっぽい?
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私をこの映画に誘ったのは、間違いなく「UDON」の力だ(笑
「踊る大捜査線」シリーズの本広克行監督が、故郷の香川県とソウルフード「讃岐うどん」への思いを詰め込んだグルメムービー。
とりあえず、讃岐うどんはウマイ!
NYでスタンダップコメディアンを目指していた松井香助(ユースケ・サンタマリア)は、巨額の借金を抱え、夢破れて故郷の香川に帰る。
香助の実家は、このうどんの国で製麺所を経営していた。
不人気なタウン情報誌に職を得た香助は、讃岐うどんを雑誌のウリにする事を思いつく。
ライターの恭子(小西真奈美)や幼馴染の広告マン・庄介(トータス松本)の助けを借りた香助は、次第に讃岐うどんのもつディープな世界に魅せられてゆく。
彼らの紹介する「UDON」の奥深い世界は日本全国に大ブームを巻き起こすのだが、それは同時に香助にとって一度は背を向けた父(木場勝己)との邂逅でもあった・・・
思い返してみると本広克行という人の映画は殆ど観ている。
「踊る~」シリーズは勿論、古くは「友子の場合」「サトラレ」「スペーストラベラーズ」から、昨年の「サマータイムマシン・ブルース」まで、この人の映画には共通した特徴がある。
よほどサービス精神が旺盛なのか、それともテレビ局&代理店主導のマーケッティング映画の世界にあまりにもどっぷり漬かりすぎなのか、一言で言ってくどいのだ。
せっかく出来の良い料理を作れるのに、最後に余計なスパイスを加えてぶち壊しにしてしまう、勿体無い料理人という印象がある。
決して嫌いではない。
嫌いだったらたぶんこんなに沢山観てないだろうし、どこか魅力のある映画を作っている人だとは思う。
しかし、何ともくどいのだ。
「サトラレ」のクライマックスで、泣かせの演出を延々と繰り返すシーン。
「踊る~」の1作目で青島のリハビリの頑張りをしつこく強調するシーン。
「スペーストラベラー」のアニメキャラへの妙なこだわりの強調。
どれももう少し控えめな演出をしておけば、ジンワリと感動が湧き上がってくるのに、演出があまりにも強調してくるから、逆にあざとく感じてしまう。
本広監督の映画を観ると、いつもくどい部分を編集して切りたい欲求におそわれる。
残念ながら、今回の作品にもその特徴はアリアリ。
まずは要素がてんこもり過ぎだろう。
この映画には、それぞれに一本の映画を構成できる要素が三つもある。
まず前半の、うどんブームを巡る物語。
次に父と子の葛藤を中心とした、松井製麺所の家族の物語。
さらにはセミドキュメント風に語られる、香川のうどん文化そのものの物語。
ぶっちゃけ、映画の中心となるのは松井製麺所の父子の物語だし、うどんブームのところは無くても映画は成立する。
たぶん、香助たちと同じように、本広監督も取材を進めていくうちに、あまりにも奥深くて面白い香川のうどん文化を盛り込みたくなって、切るに切れなくなってしまったのだろうと想像するが、後半の松井製麺の味を再現する過程でうどん文化に切り込むという展開もアリだったと思うし、もう少し要素を整理する方法はいくらでもあったと思う。
それに、かなりオーバーに語られる、うどんブームの描写は正直違和感があった。
何故なら、グルメの世界で讃岐うどんの「ブーム」っていうのは、だいぶ前から実際に来ているからだ。
讃岐うどんブームって言われ始めて、もう3、4年にはなるんじゃないだろうか?
現実世界でとっくにブームになっている物を、映画でいかにも作り物臭いブームの描写をしても、ウソに見えるだけではないか。
観客はとっくに、ブームが映画みたいな物ではない事を知っているのだ。
香助が子供の頃に夢想したという設定で、物語の中でかなりのウェイトを占める「キャプテンUDON」というキャラクターも今ひとつしっくり来なかった。
私は、子供はあんなキャラクターを考えないと思う。
父親の職業に憧れるなら、「かっこいいうどん屋になりたい」とか「かっこいい運ちゃんになりたい」とかは考えるだろうが、親父をスーパーヒーローに夢想する子供には、自分が子供だった頃を含めて、会った事が無い。
ああいうのは代理店のマーケッティングの発想だろうと思う。
物語のオチにも繋がってくるキャラクターなのだが、これも不必要に過剰なサービス精神と商業主義の副産物に見えてしまうのが悲しい。
せっかく香川のソウルを表現する機会なのに、そのスタイルは劇中でうどんブームを仕掛けようとするテレビ局と同じに見えてしまう。
しかし、そういう表層的な表現の部分とは対照的に、本広監督が「大いなる自主映画」と語るように、この映画には彼自身の故郷香川への思いが一杯つまっているのも事実だ。
讃岐富士とも呼ばれる美しいフォルムの飯ノ山がそびえ、キラキラと陽光を反射する沢山の溜め池が点在する讃岐平野の風景は、ある意味日本のハートランドと呼ぶに相応しい。
殆どドキュメンタリーの様に登場する実在のうどん屋は、それだけで香川に飛んで行きたくなるほど食欲をそそる。
混乱した作劇のせいでややかすんでしまったが、松井製麺所の家族の物語をはじめ、恭子や庄介の人生がちらりと垣間見られるエピソードもなかなか良い。
香助と父の四十九日のエピソードには、正直言って少し泣かされた。
映画のベースには、素晴らしい作品になりえるポテンシャルは十分にあったのだ。
なのに、やっぱり・・・決定的に詰め込み過ぎでくどい。
四十九日のエピソードにしても、ああいうファンタジーは一回で良いのに、わざわざ二度見せるしつっこさが余韻を壊している。
観客はそんなに想像力が無くもなければ、バカでもない。
これが本広克行という演出家のスタイルなのかもしれない。
しかし私は、もうちょっと肩の力を抜いて、観客を信頼して映画を撮ってみるべきだと思う。
しっかりとした技術と情熱で打ったうどんは、素のままでも十分美味しい。
その事は彼自身が十分知っているだろうが、讃岐うどんにいえる事は、実は映画にもそのまま当てはまるのだ。
私は余計なスパイスや場違いな具の入っていない、素の本広克行監督作品が観てみたいと思う。
ソウルフードって、得てしてシンプルな物だと思うんだけどな。
さて、讃岐うどんにはやはり香川の地酒。
明治24年からこの地で酒作りを続ける川鶴酒造の「無濾過 旨口 純米」を。
それほど辛口でなく、すっきりとしてとても飲みやすい。
うどんが小麦の美味さなら、こちらは米の美味さ。
釜上げの讃岐うどんに天麩羅を肴にしたら最高だろう。
冷でも燗でもいけるのも、うどんっぽい?

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