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酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
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親指さがし・・・・・評価額300円
2006年09月11日 (月) | 編集 |
あぶないあぶない。
危うく寝そうになった。
どんなに疲れていても、映画館で寝た事だけは無い私が落ちそうになった。
いやはや一言で言って、観客からお金を取って良いレベルに達していない。
ベストセラー小説の映画化だかなんだか知らないが、こんな物を劇場にかけて恥ずかしくないのだろうか。
ビデオ直行、 ネット配信ONLYでも仕方が無い出来である。
(ネタバレしてます、どうでもいいですが・・・・)

同窓会で久々に出会った武(三宅健)、智彦(松山ケンイチ)、知恵(伊藤歩)、綾(永井流奈)、信久(尾上寛之)、の五人は共通のトラウマを持っていた。
8年前、廃屋のホテルで「親指さがし」という心霊あそびの最中に、五人の友達だった由美子が失踪したのだ。
特に武は、由美子の失踪に人一倍強い責任を感じていた。
親指さがしの世界に、由美子が閉じ込められていると信じる武は、「親指さがし」を再現して、由美子を連れ戻そうとするのだが、失敗。
ところがその夜に、信久が何者かに親指を切り取られて殺害されるという事件が起こる。
ネットに流布する「親指さがしの呪い。」
それは、「親指さがしでいなくなった子供は、大人になると帰ってくる。呪いを解かないと、一緒に遊んだ子供は皆殺される」という物だった。
残された四人は、親指さがしの謎を解こうとするのだが・・・・


困ったな、これ。
本当に褒める所が無い・・・・
脚本もダメなら演出もダメ、演技は総じて学芸会並。
特に主役の三宅健は酷い。
あらゆる台詞のトーンが同じに聞こえる。
彼にとって「感情を込める」とは、「力む」と同義らしい。

もっとも、若い役者たちに同情の余地はある。
彼らを導くべき演出はもっと酷い。
この状況で、人間はこういう動きをしないだろうという演出が多すぎる。
例えば親指さがしの結果、心霊現象(?)で不思議な部屋へ行った少年時代の武は、いきなり机の引き出しを調べ始める。
想像してみて欲しい。
あなたがふと気付くと、見覚えの無い部屋にいる状況を。
まずは部屋を隅々まで見渡し、窓の外を覗いたりしないだろうか。
机の引き出しなどディティールに目が行くのはその後のはずだ。
だが武は、真っ先に机の引き出しをもの凄い勢いで開け始めるのだ。
あるいは公衆便所から奇妙な物音を聞いた信久が、様子を伺いに便所の個室に入る。
入り口から覗けば全て見える、小さな個室である。
なのに信久は、わざわざ奥まで侵入して見渡す。
目の前には壁しかないのに(笑
もう「ドアを閉めて閉じ込めますよ」と予告してる様な演出である。
そこには、状況と演技の整合性への配慮などどこにも無い。
細かい事かも知れないが、全体はディティールの積み重ねである。
この映画には、普通に観ていて疑問に感じる、登場人物の行動が無数にある。
佐野史郎などベテラン俳優をもってしても、演出の不条理までは覆せない。
どんなに芝居が上手かろうが、状況と整合性の無い演技は浮いてしまう。
下手糞な演出のせいで、演技陣は総じて下手糞な芝居に見えてしまっている。

ただ、演出面もまた同情の余地はある。
何故なら脚本がどうにもならない酷い代物だからだ・・・が、監督の熊澤尚人は脚本も自分で書いている(まなべゆきこ・高橋泉との共同脚本)から、どうあがいても言い訳できない責任者だ。
この映画はベストセラー小説を原作としているらしいが、未読なのでどこまで原作に忠実なのかは判らない。
しかし映画に関して言えば、物語は全く支離滅裂で、訳の判らない所だらけだ。
物語は、5人の同級生が同窓会で久々に出会い、ネットに流布する「親指さがしの呪い」という噂に怯え、呪いの真相を探るという謎解きが本筋だ。
物語の中盤、唐突に親指さがしの呪いのルーツは「サキの呪い」だという情報がもたらされるのだが、これがどこから来た話なのかが謎。
一応、武の元にファックスが送られてくるのだが、差出人が誰なのか、一体何故武に送ったのか全く説明が無い。
サキの屋敷の村人が、同じ文章を持っている描写があるので、その村人が送ったのかもしれないが、何故それを武に送ったのかは謎のままだ。
しかも物語が進むにつれ、この上映時間のかなりの部分を占める「サキの呪い」は、本筋と全く関係ない事がわかる。
ミステリの作劇には、本筋とは別の傍流をあえて作り、観客をミスリードするという手法が確かにあるが、この作品の場合そんな高級な物ではない。
30分近い時間を使って、意味不明な「サキの呪い」を出した訳は、「自分の中の闇」というたった一つの台詞を言わせるためだけだ。
もっと奇妙なのは、結局由美子の失踪の真相を、知恵が始めから知っていたという事だ。
彼女は何故8年前に警察に言わなかったのか、8年後の今も何故その事を黙っているのか、真実を知りながら、ありもしない呪いの真相を調べているのだから訳が判らない。
トラウマを忘れていた、という解釈も成り立つが、由美子の失踪が知恵にとってそれ程のトラウマとなっている描写も無い。
だいたい由美子の「隠れ場所」は、始めから設定に無理ありすぎだろう。
更に言ってしまえば、呪いの真犯人の行動原理も滅茶苦茶。
由美子の真相に責任を感じるのは判るが、何でそこから彼自身が呪いになってしまうのかが理解できない。
説明が何も無いから当たり前だが。
それでも、物語の謎めいた部分はまだ多少なりとも興味を持てるから救いがあるのだが、事件の全貌が判ってからがまた長い。
もう終わっている話を、C級ホラーみたいな演出で意味も無く引き伸ばすのは、ただでさえ退屈な映画でグロッキーしている観客に、駄目押しのラッシュを浴びせる様な物である。

もうここまで言ったら、ついでに言っておこう。
音の使い方は殆んど70年代のC級ホラーだ。
今時これはないだろうと思った。
ビジュアルもダサい。
カメラ自体は別に悪くないのだが、どう見ても真夏の真昼間に咲き誇る、造花丸出しの朝顔(昼顔?どちらにしても造花にしか見えない)や、露骨にプラスチッキーな岩、出来の悪い由美子のミイラ(砂になってたけど骨はどこ行ったのよ?)など美術のクオリティが低い。
演出の責任もあるが、もうちょっと見栄えをフォローしてやれば良いのに。

私は、なるべく映画は映画館で観たいと思ってるし、観た映画はたとえ出来が悪くても、なるべく良いところを見つけてポジティブに考えたいと思っている。
が、これに関しては観て後悔した。
無駄金を使いたくなければ、この映画に行ってはいけない。
欠伸とため息、いびきだけが響く映画館というのは精神衛生上も良くない。
もしどうしても観たければ、レンタルビデオで七泊八日レンタルOKになった頃、更に割引券を使って観て調度トントンという程度ではないだろうか。
正直言って、この映画に合わせたい酒は無い。
この映画を引きずって酒を飲んだら、どんな酒も不味くなってしまうだろう。
年に一度出会うかどうかの駄作である。

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