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2006年10月17日 (火) | 編集 |
ナショナルジオグラフィック的秘境冒険映画+モンスターホラー。
「地獄の変異」なんて、まるで7、80年代の東宝東和配給作品みたいな凄そうなタイトルがついているが、原題は「the Cave(洞窟)」と大人しい物だ。
基本的に地底洞窟の冒険がメインで、ホラーの部分はやや比重の大きなアクセント。
実際の洞窟ロケーションをメインとした、神秘的なケーブダイビングの描写は素晴らしいが、描きたい事がやや不明瞭だ。
ルーマニア、カルパチア山脈。
70年代の爆発事故で土砂に埋もれた教会の地下から、巨大な洞窟が発見される。
中世テンプル騎士団が、翼を持つ悪魔と戦った、という伝説をもつこの洞窟を探検するために、ジャック(コール・ハウザー)とタイラー(エディ・ジブリアン)の兄弟を中心としたプロのダイビングチームが呼び寄せられる。
生物学者のキャサリン(レナ・ハーディ)らを加えた探検隊は、神秘的な巨大洞窟に下りていくが、探検隊の一人が巨大な捕食動物に襲われ、持っていた水中スクーターが岩に激突、爆発の衝撃で洞窟の出口が塞がってしまう。
ジャックたちは食料が尽きる前に、自力で脱出しようと、さらに洞窟の奥へ踏み込むのだが、そんな彼らを「翼を持つ悪魔」が狙っていた・・・
ルーマニアの山岳地帯を行く軍用車を、スローモーションのこったカメラワークで捉えたオープニングは、マイケル・マン監督の「ザ・キープ」そっくり。
「ザ・キープ」はルーマニアの山奥に、何かを封じ込めた遺跡があり、そこをドイツ軍が占領する。
対してこちらは、やはりルーマニアの山奥に、何かを封じ込めた古い教会があり、そこに眠る宝を狙って、トレジャーハンターがやって来る。
基本設定を含めて、このオープニングはマンへのオマージュか。
ルーマニアの田舎というのは、ヨーロッパでも吸血鬼伝説の秘境というイメージであり、いかにも我々の知らない何かが潜んでいそうな気はする。
時代は飛んで現在になり、土砂崩れで埋まった洞窟が発見されると、いよいよ本筋の洞窟探検だ。
全長140キロに及ぶ迷路のような洞窟は、セットとロケーションを巧みに織り交ぜているが、特に水中洞窟のロケーションは、殆どナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーを観ているようで、素晴らしい。
ライトの加減で様々な表情を見せる、地底の未知なる世界は、それだけで十分魅力的だ。
映画は、出口を塞がれた探検隊が、いかにして脱出するのかという秘境冒険映画を本筋として、そこに妨害者たる地底の怪物「翼を持つ悪魔」が絡んでくる。
コウモリに似たこの怪物は、どうやら地上も水中自由自在で、さらに空も飛べるという、ある意味御都合主義なスーパー怪物。
迷宮のような洞窟の中で、いつこの捕食動物に襲われるか、いかにして撃退するかという「エイリアン」のようなモンスターホラーの要素が加味される。
しかもこの映画はこれだけではない。
この洞窟の中には、閉ざされた生態系の中で、生物を急激に洞窟の環境に適応させる寄生微生物が存在する事が判り、リーダーのジャックが感染してしまう。
はたして、洞窟生物の特質を得たジャックは、洞窟から皆を脱出させる救世主なのか、それとも皆を地底世界に留め置こうとしているのか、ジャックへの疑心暗鬼がサスペンスを増幅させるという構造になっている。
秘境探検、モンスターホラー、さらには心理サスペンスと娯楽要素テンコモリだが、残念ながら、相乗効果を上げるには至っていない。
一つには洞窟の地形があまりにも複雑かつ、暗く、位置関係が良く判らないので怪物との戦いが今ひとつ盛り上がらない。
怪物も強いんだか弱いんだか良く判らず、捕食動物の群れに、無防備な人間たちが徐々に追い詰められているというサスペンスが弱いのだ。
本来なら、モンスターホラーというソースが、本筋にじっくりと染み込んで味わいを倍化させて欲しいのだが、この作品ではソースの絡みが今ひとつの印象だ。
ジャックが徐々に地底生物へと変異することへの疑心暗鬼も、変異の描写が黒目が十字形になって、耳が良く聞こえる様になったくらいなので、変わっていく実感に乏しい。
途中からは信頼できるリーダーに戻ってしまって、サスペンスも途切れてしまう。
この寄生微生物の設定は、ラストにも絡んでくるのだが、洞窟の中での描写が弱いから、ラストでもそれほどのインパクトは生んでいない。
と、総合的に観ると不満も多いが、つまらないかというとそうではない。
それぞれの要素が絡み合っての相乗効果は不完全燃焼気味だが、洞窟探検、モンスターホラーとそれぞれの要素で観れば、まずまず良く出来ている。
これが劇場用映画デビューとなるジェームス・ハントも、CMディレクターとして、あるいは「マトリックス」シリーズの第二班監督として豊かな経験を持つだけに、決して破綻はせずに無難に纏めている。
この手のB級アクション・ホラー系の好きな人には、それなりに楽しめる作品だろう。
今回は、舞台となったカルパチア山脈からクロ・ビュザオ メルローをチョイス。
ルーマニアはワイン作りの歴史は非常に古く、実に5000年を遡ると言う。
これはそんな伝統を強く感じる、ボディの力強いワイン。
未知の洞窟の様に、濃く、深い。
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ルーマニアカルパチア山脈の麓からすごいワイン...](http://image.rakuten.co.jp/wshop/data/ws-mall-img/wineuki/img64/img10162076693.jpeg)
「地獄の変異」なんて、まるで7、80年代の東宝東和配給作品みたいな凄そうなタイトルがついているが、原題は「the Cave(洞窟)」と大人しい物だ。
基本的に地底洞窟の冒険がメインで、ホラーの部分はやや比重の大きなアクセント。
実際の洞窟ロケーションをメインとした、神秘的なケーブダイビングの描写は素晴らしいが、描きたい事がやや不明瞭だ。
ルーマニア、カルパチア山脈。
70年代の爆発事故で土砂に埋もれた教会の地下から、巨大な洞窟が発見される。
中世テンプル騎士団が、翼を持つ悪魔と戦った、という伝説をもつこの洞窟を探検するために、ジャック(コール・ハウザー)とタイラー(エディ・ジブリアン)の兄弟を中心としたプロのダイビングチームが呼び寄せられる。
生物学者のキャサリン(レナ・ハーディ)らを加えた探検隊は、神秘的な巨大洞窟に下りていくが、探検隊の一人が巨大な捕食動物に襲われ、持っていた水中スクーターが岩に激突、爆発の衝撃で洞窟の出口が塞がってしまう。
ジャックたちは食料が尽きる前に、自力で脱出しようと、さらに洞窟の奥へ踏み込むのだが、そんな彼らを「翼を持つ悪魔」が狙っていた・・・
ルーマニアの山岳地帯を行く軍用車を、スローモーションのこったカメラワークで捉えたオープニングは、マイケル・マン監督の「ザ・キープ」そっくり。
「ザ・キープ」はルーマニアの山奥に、何かを封じ込めた遺跡があり、そこをドイツ軍が占領する。
対してこちらは、やはりルーマニアの山奥に、何かを封じ込めた古い教会があり、そこに眠る宝を狙って、トレジャーハンターがやって来る。
基本設定を含めて、このオープニングはマンへのオマージュか。
ルーマニアの田舎というのは、ヨーロッパでも吸血鬼伝説の秘境というイメージであり、いかにも我々の知らない何かが潜んでいそうな気はする。
時代は飛んで現在になり、土砂崩れで埋まった洞窟が発見されると、いよいよ本筋の洞窟探検だ。
全長140キロに及ぶ迷路のような洞窟は、セットとロケーションを巧みに織り交ぜているが、特に水中洞窟のロケーションは、殆どナショナルジオグラフィックのドキュメンタリーを観ているようで、素晴らしい。
ライトの加減で様々な表情を見せる、地底の未知なる世界は、それだけで十分魅力的だ。
映画は、出口を塞がれた探検隊が、いかにして脱出するのかという秘境冒険映画を本筋として、そこに妨害者たる地底の怪物「翼を持つ悪魔」が絡んでくる。
コウモリに似たこの怪物は、どうやら地上も水中自由自在で、さらに空も飛べるという、ある意味御都合主義なスーパー怪物。
迷宮のような洞窟の中で、いつこの捕食動物に襲われるか、いかにして撃退するかという「エイリアン」のようなモンスターホラーの要素が加味される。
しかもこの映画はこれだけではない。
この洞窟の中には、閉ざされた生態系の中で、生物を急激に洞窟の環境に適応させる寄生微生物が存在する事が判り、リーダーのジャックが感染してしまう。
はたして、洞窟生物の特質を得たジャックは、洞窟から皆を脱出させる救世主なのか、それとも皆を地底世界に留め置こうとしているのか、ジャックへの疑心暗鬼がサスペンスを増幅させるという構造になっている。
秘境探検、モンスターホラー、さらには心理サスペンスと娯楽要素テンコモリだが、残念ながら、相乗効果を上げるには至っていない。
一つには洞窟の地形があまりにも複雑かつ、暗く、位置関係が良く判らないので怪物との戦いが今ひとつ盛り上がらない。
怪物も強いんだか弱いんだか良く判らず、捕食動物の群れに、無防備な人間たちが徐々に追い詰められているというサスペンスが弱いのだ。
本来なら、モンスターホラーというソースが、本筋にじっくりと染み込んで味わいを倍化させて欲しいのだが、この作品ではソースの絡みが今ひとつの印象だ。
ジャックが徐々に地底生物へと変異することへの疑心暗鬼も、変異の描写が黒目が十字形になって、耳が良く聞こえる様になったくらいなので、変わっていく実感に乏しい。
途中からは信頼できるリーダーに戻ってしまって、サスペンスも途切れてしまう。
この寄生微生物の設定は、ラストにも絡んでくるのだが、洞窟の中での描写が弱いから、ラストでもそれほどのインパクトは生んでいない。
と、総合的に観ると不満も多いが、つまらないかというとそうではない。
それぞれの要素が絡み合っての相乗効果は不完全燃焼気味だが、洞窟探検、モンスターホラーとそれぞれの要素で観れば、まずまず良く出来ている。
これが劇場用映画デビューとなるジェームス・ハントも、CMディレクターとして、あるいは「マトリックス」シリーズの第二班監督として豊かな経験を持つだけに、決して破綻はせずに無難に纏めている。
この手のB級アクション・ホラー系の好きな人には、それなりに楽しめる作品だろう。
今回は、舞台となったカルパチア山脈からクロ・ビュザオ メルローをチョイス。
ルーマニアはワイン作りの歴史は非常に古く、実に5000年を遡ると言う。
これはそんな伝統を強く感じる、ボディの力強いワイン。
未知の洞窟の様に、濃く、深い。

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