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木更津キャッツアイ/ワールドシリーズ・・・・・評価額1500円
2006年10月20日 (金) | 編集 |
まいったな。
まさか「木更津キャッツアイ」に、感動させられるとは思ってもみなかった。
てっきりオチャラケたバカ騒ぎで終わらせるのかと思ったら、なんとわりと直球(?)の「映画」してるじゃないか。
こっちにしてみたら、変化球が来るぞ来るぞと身構えていたのに、予想外の球に見逃しの三振してしまった気分。

今更言うまでも無いが、2002年にテレビシリーズがスタートした「木更津キャッツアイ」の、劇場用映画第二弾にして完結編。
テレビシリーズでは、21歳にして不治の病を宣告されたぶっさんこと田渕公平が、元高校野球部の仲間と共に、昼は野球とバンド、夜は何故か怪盗団となる「木更津キャッツアイ」を結成して、ドタバタを巻き起こす。
今回の物語は、テレビと映画「日本シリーズ」の後、ぶっさんが死んでから3年後に始まる。
脚本は勿論宮藤官九郎で、監督も金子文紀が続投。
メインキャラクターもおなじみの面々だ。

ぶっさん(岡田准一)が本当に死んでから三年。
嘗ての木更津キャッツの面々も、今はバラバラだ。
アニ(塚本高史)は、アキバでITやってる(らしい)。
マスター(佐藤隆太)は、大阪で「野球狂の詩二号店」をがんばっている(らしい)。
ウッチー(岡田義徳)は相変わらずどこにいるんだかわからない。
一人、バンビ(櫻井翔)だけが木更津に残り、市役所で働いている。
時は市長選挙の真っ只中。
神取市長(高田純次)の対立候補は、なんとあさだ先生(薬師丸ひろこ)だ。
ある日、市長についてショッピングモールの開発予定地に行ったバンビは、そこでぶっさんの声を聞く。
「If you built it, he will come(それを作れば、彼はやってくる)」
「それ」って、何だ?
バンビはアニやマスターを呼び戻し、ぶっさんを復活させようとするのだが・・・


正直言って、私は前作の「日本シリーズ」を楽しめなかった。
たぶんテレビでやれなかった事を全部ぶち込んで、「祭り」にしたかったのだろうが、あまりにも細かい小ネタの連続で、逆に間延びして、非常に観難い作品になってしまっていた。
オチャラケたコントだと思えばそれなりに面白いけど、さすがに二時間は持たない。
何しろエピソードを詰め込めるだけ詰め込んだ結果、「野球」も「泥棒」も殆んど忘れ去られしまっていて、テレビシリーズの延長線上にある豪華版というよりは、番外編のセルフパロディみたいになってしまっていた。

そのあたりの反省もあったのかもしれないが、この「ワールドシリーズ」(このタイトルも伏線になっていたりする)は、ずい分とシンプルになった。
相変わらずノリは過剰なくらいにチャライし、色々なキャラクターがごった煮的に登場したり、時系列が行ったり来たりするのは相変わらずなのだが、話に「ぶっさんの復活」という幹があるので観易い。
復活のネタが「フィールド・オブ・ドリームス」の限りなくアホなパロディという事もあり、「野球」という括りが本筋となり、「泥棒」も忘れない程度に話に盛り込まれていて、良い意味でテレビシリーズのテイストがぶっさんと一緒に復活した感じだ。

ぶっさんが死んでから復活するまでの、3年と言う歳月が切ない。
前作の「日本シリーズ」はテレビシリーズが終わってから、それ程間の無い時期の話という設定だったが、今回はまるまる3年を経過している訳だから、おなじみの登場人物たちにも大きな変化が起こっている。
永遠に変わりそうも無かったキャッツの面々も、良くも悪くも少し大人になっている。
彼らにとって、22歳で逝ったぶっさんは、青春の象徴なのだろう。
ぶっさんの復活は、ある意味過去においてきた3年前の自分自身との再会。
それは懐かしい反面、過去を通して否応無しに現在の自分と向き合う瞬間でもある。

藤子・F・不二雄の漫画に「劇画オバQ」という作品がある。
大人になった正ちゃんの元に、二十年ぶりにオバQが戻ってくる。
最初は懐かしがり、歓迎する正ちゃんたちだったが、二十年前で時が止まっているオバQの居場所は、もうそこには無かったという作品だ。
クドカンが「劇画オバQ」を意識したのかどうかは判らないが、「木更津キャッツアイ/ワールドシリーズ」は、2006年の現在から2003年の過去への肯定的決別の物語だ。
復活したぶっさんに、彼らが伝えたかった言葉。
それはたぶん、それぞれが引きずっている自分自身の過去に対する言葉だ。
またこれは、ドラマの中の台詞であるのと同時に、五年間同じ物語を紡いで来た、作り手たちの言葉でもあるのだろう。
長時間かけて物語を育てる。
単発の映画ではなかなかなし得ない、作品と作り手、観客の間の良い意味での持たれ合いは、テレビドラマベースの作品ならではの味わいかもしれない。

この映画を観に行く人は、まず間違いなくテレビシリーズからのファンだと思うが、五年間「木更津キャッツアイ」に付き合ってきた人たちには、とても満足できる完結編となっていると思う。
逆に今までのシリーズを観た事の無い人には、全く理解不能な世界である事は間違いない。
これは良くも悪くもファンのための映画であって、そうでなければ無理して観る必要は無いと思うが、観た事無いけど、どうしても観たいという人には、少なくとも前作の「日本シリーズ」で予習しておく事をお勧めする。

さて、木更津キャッツの面々といえばビールをこよなく愛する人々。
今回は、房総半島の反対側だけど、千葉の地ビール「寒菊 九十九里オーシャンビール」をチョイス。
九十九里に釣りや海水浴に行く人にはおなじみのビールだが、名前から想像できるように本来は日本酒の蔵元。
名前はもの凄くミスマッチだけど、水の美味しさは折り紙つきなので、ビールもなかなかいける。

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