FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。ネット配信オンリーの作品は★5つが満点。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
エラゴン 遺志を継ぐ者・・・・・評価額1350円
2006年12月21日 (木) | 編集 |
世界的な、ベストセラーファンタジー小説の映画化・・・。
原作は未読なのだが、所謂古典ではなく、最近のファンタジーブームに乗った作品の様だ。
これがどの程度原作に忠実な作りなのかは判らないのだが、映画はなんだかデジャヴを感じまくりの一本だった。

十七歳の少年エラゴン(エド・スペリーアス)は、ある日森で不思議な青い輝きを放つ石を見つける。
それはアラゲイジア帝国の運命を左右する、ドラゴンの卵だった。
嘗てアラゲイジアは、ドラゴンライダーと呼ばれる竜と心を通じ、剣と魔法の使い手である高潔なる人々の力で、繁栄をきわめた。
しかし今、ドラゴンライダーは滅び、暴君ガルバトリックス王(ジョン・マルコビッチ)による支配が続いている。
卵からかえったメスのドラゴン、サフィラを育て始めたエラゴンは、自分が最後のドラゴンライダーに選ばれた事を知る。
しかし、ドラゴンライダー復活を知った帝国の魔手は、ついにエラゴンを捕らえる。
エラゴンは、古の時代を知るブロム(ジェレミー・アイアンズ)の助けで、何とか村から脱出するのだが・・・


あらすじを読めば一目瞭然のように、これは剣と魔法版の「スターウォーズ/エピソード4」だ。
ジェダイ騎士団をドラゴンライダーに代えて、フォースを魔法に、舞台を宇宙から異世界に移せば「エラゴン」の世界の出来上がり。
主人公は露骨にルークしているし、ブロムはどう見てもオビワンだ。
ダースヴェイダーもいればレイア姫も、パルパティンもいる。
まさかハンソロは出てこないだろうと思ったら、なんとなくそれっぽい役回りの奴も出てきた。
C3-POとR2-D2の凹凸コンビだけが不在だが、お姫様が「送った物」を見れば、これはそのままドラゴンに置き換えられているのがわかる。
まあキャラクターだけなら、たとえば「パイレーツ・オブ・カリビアン」あたりも「SW」の影響が顕著だったが、この作品はそれだけではない。
世界観、物語の展開もかなり被っていて、特に前半の展開はほとんどそのままリメイクといっても過言ではない。
何しろ「エピ4」で撮影されながらも編集でカットされた、ルークに幼馴染のビッグスが故郷を出て宇宙へ出る事を告げるエピソードが、エラゴンに従兄弟のローランが村を出て行く事を告げるエピソードとして再現されているくらいだし、育ての親の叔父さんはやっぱり同じように殺される。
作り手も、物語があまりにも「エピ4」と似ている事を意識しているのは確実で、ルークが未来への思いを胸にタトゥイーンの夕日を見つめる名シーンを、カット割りもそっくりそのままに、再現する茶目っ気を見せている。

双子の様に似ている「エピソード4」と「エラゴン」を差別化しているのは、やはり一方の主役と言うべきドラゴンの存在だろう。
実は現在の映画に登場するあらゆるドラゴン像に、決定的な影響を与えた映画が存在する。
1981年の「ドラゴンスレイヤー」に登場する悪のドラゴン、ヴァーミスラックスは、それまでの古典的なモデルアニメーションに変わって、コンピューター制御によるゴーモーションと呼ばれる新技術によって映像化され、(当時としては)恐ろしくリアルな動きが話題となったが、何よりも映画ファンをしびれさせたのが、それ以前の映画に登場するドラゴンとは一線を画すシャープで禍々しい造形だった。
ヴァーミスラックスは、80年代以降に作られたほとんど全てのドラゴンのデザインの原型となった。
しかし今回のドラゴン、サフィラはメスであり、気高く正義のドラゴンであるという設定にあわせて、羽毛のあるグリフォンなどとの融合が見られるなど、ユニークなデザインアプローチがされている。
シャープさ、格好良さという点では疑問がなくもないが、存在感は悪くなく、空中戦の迫力もなかなかのもの。
脱ヴァーミスラックスのドラゴン像として、それなりに成功していると思う。
レイチェル・ワイズの声も気品があって、キャラクターに深みを与えている。

ファンタジー映画のビジュアルとして、ドラゴンは合格。
しかし、もう一方の「剣と魔法」に関しては、ここでもデジャヴを感じてしまう。
魔法の表現は、どれもどこかで見たようなものばかりで、ビジュアルとして別に悪くは無いが、かといって胸をときめかせるまでには至らない。
ドラゴンの力を借りて、エラゴンが「見えない敵」を見る事が出来る魔法の表現など、「プレデター」かよ!と思ってしまった。
あと、これは最近のファンタジーや剣劇物全般に言えることだが、チャンバラの描写が下手糞だ。
余りにもキャラクターに寄った、細かいカットで繋ぎ過ぎて、何が起こっているのかさっぱり判らない。
「グラディエーター」あたりから顕著になってきた流行の手法だが、この撮り方はたとえば乱戦の迫力を表現したりするのには向いているが、殺陣の格好良さを見せるにはまったく向かない。
上手い演出家はシーンによってしっかりと撮り方を変えるものだが、これはそれが出来ていない。
さらにクライマックスの反乱軍ヴァーデンの拠点の攻防戦は、位置関係がきちんと描写されておらず、味方陣地の構造がどうなっているのか良くわからないし、敵がどこからやって来ているのかも判らない。
さらに画が暗い上に、細切れのアクションがダラダラと続いているだけなので、ドラゴンの空中戦の背景画以上の物にはなっていない。
このあたりは、同じジャンルに「LOTR」というお手本があるのだから、もうちょっと勉強して欲しいところ。
シュテフェン・ファンマイアー監督の演出は、VFX畑の出身らしくドラゴンの空中戦など上手い部分もあるものの、全体的に大味な感は否めない。

この世界を彩るキャラクターは、やはりブロム役のジェレミー・アイアンズの存在感が頭一つ抜けている。
主人公のエラゴンを演じるエド・スペリーアスは、存在感の軽さまでルークを真似た訳ではないだろうが、時折良い表情を見せるものの、特徴の無いキャラクターであまり印象に残らない。
ダースヴェイダー的悪役のロバート・カーライルはどうにもクリストファー・ウォーケンに見えてしまって参った。
悪の王にはジョン・マルコビッチがキャスティングされているが、ほとんど演技らしい演技の機会を与えられず、マルコビッチであった事すらクレジットで確認するまで判らず。
まあラスボスの彼の活躍は続編でという事か。

「エラゴン 遺志を継ぐ者」は、娯楽映画としてはアベレージに達しているし、見ている間はそれなりに楽しめる。
しかし104分という、内容の割には短めの上映時間にギュウギュウに詰め込まれたビジュアルは、観ている間中どこかで観たようなイメージが観る者の脳裏にデジャヴを引き起こし、結果的に過去の名作を寄せ集めたような妙に安っぽい印象になってしまっている。
なんでも原作者のクリストファー・パオリーニは、17歳の時にこの作品を書いたとか。
原作を読まずに言うのもなんだが、SWファンの高校生が世界観とキャラクターをそっくりパクってこれを書いたと考えると何か納得。
既に完成された作品のプロットをいただいているのだから、当たり前と言えば当たり前だが、物語はわりとまとまっているし、悪くは無い。
しかしだからと言って元ネタを超える何かがある訳でも無く、それなりに楽しめるB級映画以上の物ではない。
そんな印象だ。
はたして、第二部以降にはオリジナリティを期待しても良いのだろうか。

ドラゴンつながりでスペインのベルベラーナによる「テンプラリーニョ・ドラゴン・ヴィノ・デ・ラ・ティエラ」をチョイス。
フルーティで芳醇な赤。
お味は値段を考えれば十分満足で、コストパフォーマンスも頗る高い。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!










スポンサーサイト