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2007年02月10日 (土) | 編集 |
香港映画史に残る、フィルムノワールの傑作「インファナル・アフェア」のハリウッド版リメイク。
アンダーカバーを扱った映画は数多いが、これは警察に送り込まれたマフィアの男と、マフィアに送り込まれた警官が、お互いの正体を探り合うという凝った構成が目新しかった。
アンドリュー・ラウアラン・マック共同監督による見事な娯楽映画を、マーティン・スコセッシという巨匠が、どう引継ぎ料理するのか楽しみに観に行った。

アメリカ東海岸、ボストン。
アイリッシュマフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)は、幼い頃から面倒を観てきたコリン(マット・ディモン)を内通者として警察内部に送り込む。
同じ頃警察も、犯罪者の一族に生まれ自らの運命から逃れようとする若者、ビリー(レオナルド・ディカプリオ)をアンダーカバーとしてコステロの組織に潜入させる。
互いを知らず、やがてそれぞれの組織の中で信頼を得た二人は、互いの組織の中にいる「ネズミ」つまり潜入者を探し出す任務につくのだが・・・


基本的に、物語は香港版と殆んど変わらない。
ヒロインの扱いが変わっているのと、ビリーの正体を知る警察幹部が一人から二人に増えているだけだ。
元々がとても緻密に書かれた傑作脚本だし、殆んどのアメリカ人観客はオリジナルを知らないだけに、あえていじる必要も無かったのだろう。
ビリーとコリンが互いを知らないまま、スリリングに交錯し、いつどちらの正体が先にバレるのかというサスペンスは、香港版を知っていてもハラハラしてしまう。
改めて、アラン・マックフェリックス・チョンによるオリジナル脚本の出来の良さを感じる。

スコセッシの演出もサスペンスのツボを抑えたベーシックなもので、もしかしたら彼のキャリアの中で、最もストレートな娯楽映画かもしれない。
スコセッシは、長く名コンビとして作品を作ってきたデ・ニーロに代わって、若いディカプリオと出合った事で、間違いなく新しい活力を得ている。
恐ろしくエネルギッシュで、良い意味で破綻ギリギリだった前作、「アビエイター」とは打って変って、完成度の高い脚本をベテランらしい円熟した技でしっかりと料理している。

出来の良い脚本と演出、豪華なキャスト。
一本の娯楽映画として、本作の満足度は非常に高いと言えるだろう。
しかし、大半のアメリカ人観客と違って、私はオリジナルを知っている。
ハリウッド版が比較的忠実に香港版をなぞっているだけに、否応にも両者を比較してみてしまう。
そして、ハリウッド版の出来の良さを認めつつも、オリジナルを超えているかと聞かれれば、「否」と言うしかない。

香港版とハリウッド版の一番の違いをあげるとすれば、それは「時間感覚」という事になる。
香港版ではそれぞれの潜入期間は十年にも及び、長年他人を演じ続ける事で、自分にも他人にも嘘をつき続ける辛さ、自己のアイデンティティを失いそうになる怖さが描かれていた。
アンディ・ラウトニー・レオンという二人の名優の、大人の男の年輪を感じさせる名演もあり、それぞれの抱える内面の闇が、物語のサスペンスにぐっと深みを加えていた。
「無間道」つまり、一度陥ったら抜け出す事の出来ない無間地獄という原題も、作品のテーマを物語っている。
対してハリウッド版の潜入期間は一年ちょっと。
演じるのが共に童顔のディカプリオとマット・デイモンという事もあって、無間に続く苦しみが、彼らを内面から崩壊させてゆくという感覚は薄い。
勿論、それは俳優としての彼らが力不足というよりも、作品のベクトルがそちらを向いていないのだ。
ハリウッド版は、アジア的な情念の部分ではなく、サスペンス映画としての筋立ての面白さに絞って、リメイクされていると言っていいだろう。
その分、実に豪華な脇役達が人間の業を感じさせる。
特にコリンを警察に潜入させるアイリッシュマフィアのボス、コステロを演じるジャック・ニコルソンは、正に水を得た魚の様に活き活きと暴力の帝王を演じる。
また、オリジナルでアンソニー・ウォンが演じた、警察内部で唯一アンダーカバーの正体を知る上司の役は、マーティン・シーンが演じているが、ハリウッド版ではもう一人マーク・ウォールバーグ演じるティグナム巡査部長という役が加えられている。
この役が何のために作られたのか、観ている間ずっと疑問だったのだが、最後まで観ると、「なるほどそう来たか!」という作りになっており、「the departed」というタイトルの意味もここでようやく判るようになっている。
もっとも、ハリウッド版オリジナルの、このキャラクターの行動原理はかなり乱暴と言えば乱暴なのだが・・・。

「ディパーテッド」は「インファナル・アフェア」のよく出来たリメイクであり、翻訳物としてかなり成功していると思う。
要するにこれは「七人の侍」に対する「荒野の七人」みたいな物で、ハリウッドがリメイクに当たって得意分野に換骨奪胎した物だ。
オリジナルほどの深みは無いが、気楽に楽しんで見られるサスペンス映画の秀作といえるだろう。
ただ個人的には、ある意味で最も薄味のスコセッシ映画である本作で、彼にオスカーの監督賞はとって欲しくない。

さて、今回はアイルランドつながりでへネシーの「グランシャンパーニュ」。
へネシー社は元々アイルランド人のリチャード・へネシーによって設立された。
こちらはコニャックで蒸留され、ロンドンで熟成された名品。
映画に少し足りない深みはお酒を一口。

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