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バブルへGO!!タイムマシンはドラム式・・・・・評価額1400円
2007年02月15日 (木) | 編集 |
なんともベタなタイトルだが、バブルが弾けて今年で16年目。
つい昨日の事の様にも思えるが、ずいぶんと世界は変わったのかもしれない。
当時は列島中が後にバブルと呼ばれる好景気に浸りイケイケの雰囲気で、贅沢は美徳とされ、企業も個人も世界中からあらゆるものを買い漁り、アメリカですら「ジャパン・アズ・No1」が現実になるのではとその勢いを恐れた。
今では考えられないけど、このほんのちょっと昔なだけなのに、ムードも価値観もずい分と違う時代のギャップ感を、テーマパーク的に楽しみましょうというのがこの作品。
作品の狙いはバブル版「ALWAYS 三丁目の夕日」というところだろう。
建設中の東京タワーの代わりになるのは、建設中のレインボーブリッジという訳だ。
監督はホイチョイの馬場康夫
バブル時代を象徴するイケイケ娯楽映画の傑作「私をスキーに連れてって」を生み出した、正に映画界におけるバブルの申し子。
その彼がバブルを描くと言うのだから、これはそれだけで一見の価値はあるだろう。

2007年、現在。
バブル崩壊の余波で800兆円の借金を抱え、破綻に突き進む日本経済。
財務省の官僚下川路(阿倍寛)はタイムマシンで過去に戻り、バブル崩壊の引き金となった総量規制を止めさせる計画を立てる。
しかしタイムマシンの開発者である真理子(薬師丸ひろ子)は過去に向かったまま行方不明になってしまう。
下川路は、真理子の娘である真弓(広末涼子)に真理子捜索の任務を託し、第二のタイムトラベラーとしてバブル全盛期の1990年に送り込むのだが・・・


バブル崩壊を阻止するために、タイムトラベルするというアイディアは面白い。
戦後の日本の経済政策史上、最大の失敗と言われる1990年3月の土地取引の融資規制、所謂「総量規制」は、とにかく狂乱気味の地価を下げようとして、本来自然に起こる景気後退を人為的に無理やり起こし、日本経済を大混乱に陥れた。
軟着陸に失敗した日本が、その後「失われた10年」を過ごさざるを得なかったのは周知のとおり。
過去に、映画の中ではタイムトラベルする様々な理由付けがなされてきたが、経済政策の変更のためにタイムトラベルしたのは本作が初めてではないだろうか。

もっともそんな理屈の部分は本当はどうでも良く、バブル時代の東京観光がこの作品の本筋だ。
「クラブ」ではなくて、「ディスコ」ではボディコンお姉さんたちが踊り、学生の卒業パーティのビンゴ景品はなんと札束。
サラリーマンは万札を振ってタクシーを止め、主人公はトレンディドラマみたいなマンションに住んでいる。
多少の誇張はあるが、どの風景も当時実際にあったものだ。
しかし・・・映画のウリがこれと考えるとイマイチ物足りない。
どの風景もバブルの勢いを表現するにはミクロ過ぎ、小さ過ぎるのだ。
この程度の華やかさなら、例えば一時のホリエモンあたりを通して、現在でも見る事が出来る。
バブルの表現のディティールとしてはアリだが、テーマパーク的にバブルを見せるなら、もっともっと弾けなければ。
描写できる「バブルな現象」はいくらでもあるだろう。
例えば当時は地上げが横行し、ちょっとした土地を持っているだけの平凡なサラリーマンが一夜にして億万長者になったり、本来4千万円ほどのフェラーリが、3億を超える値段で取引されたりしていたし、本作の馬場監督のおかげで、冬ともなれば日本中のスキー場が高価なブランドウェアに身を包んだにわかスキーヤー(決してボーダーではない)に埋め尽くされるという現象もあった。
更にマクロに目を向ければ、日本企業がアメリカの土地や大企業を「とりあえず」買いあさり、アメリカ人が「日本はアメリカを買い占めるつもりか」と反日感情が盛り上がったりした。
せっかく日本経済を破綻させて、日本を乗っ取ろうなどという巨悪を登場させるなら、バブルそのものもミクロからマクロまで、時代としてのバブル全体を描いて欲しかった。

それにしても、たった17年前の話なのに、いざビジュアル化されてみると、現在の東京の風景とのギャップに驚く。
まあ考えてみれば1990年の東京に六本木ヒルズは勿論無く、汐留はだだっ広い操車場だったし、お台場は広大な空き地だった。
インターネットと携帯電話もまだまだ一般的なものではなかったし、この二つの普及は街の風景は勿論、人々の生活パターンすら変えてしまった訳で、この映画とは逆に1990年を基点にして現在を見たとしたら、ある種のSF的風景が広がっているのかもしれない。
そうそう、物語のキーになりそうだった真弓の携帯電話が、結局オチに結びついていなかったのもちょっと残念。
君塚良一の脚本は、話はデカイのに描写は妙に小さく纏まりすぎており、作劇的にも全体に詰めの甘さが目立って、弾けきれていない感じだ。

もっとも、バブル観光としては少々物足りない気はするが、馬場監督の「私をスキーに連れてって」以来の一貫した娯楽への姿勢は変わらず。
バブルを代表する(?)有名人たちの本人役での出演も含めて、何やら愉快な雰囲気は満載だ。
日本経済とタイムパラドクスを巡る適度にユルイサスペンスもそれなりに楽しく、そしてタイムトラベル物のお約束、下川路と真理子、真弓の過去に纏わるドラマもきちんと設定されているので、観終わった印象は決して悪くなかった。
楽しい気分になれる映画であることは間違い無い。

今回は、バブルを代表する酒の一つ「キュべ・ドンペリニヨン」をチョイス。
こんな高い酒を、サラリーマンが接待でバンバン開けていた時代もあったんだなあと思うと不思議な気がする。
我が家にも、正にバブル崩壊の1991年に購入した83年物のドンペリがまだ一本眠っているが、はたして歳月を経てどんな味になっているだろうか。

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【キュベ・ドンペリニヨン】 ドン・ペリニヨン・ロゼ 1996


これぞバブル時代の青春!


これもなかなか面白い。





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