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テラビシアにかける橋・・・・・評価額1400円
2007年03月07日 (水) | 編集 |
キャサリン・パターソン原作の児童小説「テラビシアにかける橋 "Bridge to Terabithia"」の映画化。
原作は未読なので、予告編やポスターの印象にだまされて、てっきり「ハリポタ」や「ナルニア」的な異世界ファンタジーだと思って観に行った。
ところが実際には異世界の部分はほんの僅かにスパイスとして使われているだけで、どちらかというと「スタンド・バイ・ミー」的な思春期の心の成長を扱った地味な物語。
ディズニー映画だけあって「パンズ・ラビリンス」の様なダークさは微塵も無いが、不器用な少年が友情、淡い恋、そして生と死に向かい合ったかけがえの無い時間が瑞々しく描かれ、これはこれでなかなかに感動的。

少年ジェス(ジョシュ・ハッチャーソン)にとっては、家も学校も居心地が悪い。
子沢山で裕福とは言えない家では、歳の離れた姉たちには何かにつけてからかわれるし、小さな妹は付きまとってちょっとうるさい。
学校には意地悪な同級生もいるし、上級生の女番長はもっと怖い。
ただ、音楽のエドモンド先生(ズーイー・ディシャネル)にはほのかな恋心を抱いている事もあって、音楽は好きだ。
とりあえずの自慢できる事は、絵が上手い事と足が速い事くらい。
ところが自慢の足も、休み明けのレースで都会からの転校生の女の子に負けてしまう。
レスリー(アンナソフィア・ロブ)と名乗ったその女の子は、裕福な家の一人娘だったが、偶然にもジェスの家の新しい隣人だった。
やがて空想好きの二人は、森の奥に自分たちだけの遊び場を見つけ、そこを空想の王国テラビシアと名付け、王と王女の役を演じる事に夢中になってゆく。
テラビシアでの小さな冒険は、現実世界でのジェスを少しずつアクティブに変えてゆく。
しかしある日、予想もしなかった悲劇が二人の日々を終わらせてしまう・・・・


「パンズ・ラビリンス」の幻想の世界は、戦争という切羽詰った状況が生み出した悪夢的迷宮だったが、それに比べれば本作の主人公ジェスの置かれた環境など可愛いもの。
ちょっと貧しくて、家では口喧しい女姉妹に囲まれ、自分の居場所がないと感じているくらいだ。
とは言うものの、子供本人としては結構真剣に悶々と悩んでいるのは、誰でも経験があるから判るだろう。
ジェスはカートゥーンを描くのが得意なくらいだから、元々空想力のある子供。
この時期の少年にとって、同世代の女の子はとにかく大人っぽく見える物だし、裕福で都会的に洗練されたレスリーにジェス影響されるのは至極当然な展開だ。

物語は、常に自分の周りのことで精一杯のジェスの視点で進む。
しっかり者のレスリーとテラビシアでの冒険を通じた友情を軸に、ジェスの家庭事情、姉妹との関係、学校のいじめっ子、エドモンド先生への恋など、地味ながらリアルなエピソードがバランスよく並び飽きさせない。
二人の空想から始まった、森の奥に広がる幻想の王国「テラビシア」は、どちらかというと逃避の場というよりも、自分の意思で世界を作る事で、個としての自分をしっかりと確立するステージという感じだろう。
だから最初の頃ジェスにとってのテラビシアは、恐ろしい怪物の跋扈する不安の森でもあった。
レスリーと二人で、文字通りテラビシアを手作りしながら、その世界で自分の責任を果たす事で、ジェスは少しずつ自信を付けてゆく。
そしてジェスをテラビシアに導いたレスリーを悲劇が襲い、そのことをジェスが自分の中でしっかりと受け止めた時、空想のテラビシアは始めてジェスを本当の王と認めるのだ。

主人公の二人を演じる、ジョシュ・ハッチャーソンアンナソフィア・ロブは共に思春期の初々しさを感じさせて好演。
優柔不断で自分に自信の持てないジェスは、どっちかというと似たようなタイプの子供だった私には、妙にリアルに感じられた(笑
アンナソフィア・ロブは「チャーリーとチョコレート工場」のバイオレット役を演じていた子役だが、こんな子が同級生だったらクラスの男子は全員初恋に落ちているだろう。
本作では主題歌まで歌っちゃって、アメリカのティーンには次世代のアイドル的な存在なのかもしれない。
面白いのは、こんな魅力的な子が身近にいるのに、ジェスにとって「恋」の対象はあくまでもずっと年上のエドモンド先生で、レスリーに対してはどちらかというと友情+α止まりだと言う事。
私がジェスの立場だったら、レスリーが現れた瞬間エドモンド先生のことは忘れちゃいそうだけど、このあたり熱し難く冷め難そうなジェスの性格を反映してそうでリアルだ。
ジェスとレスリーの関係も、十歳前後という微妙な年齢ならではの独特な物かもしれない。

監督はガボア・クスポ・・・って誰?と思ったらプロデューサーとしての実績はあるが、監督としてはこれがデビュー作らしい。
強い個性は無いが、キャラクターをしっかりと掴んで細やかな心の機微を描き出しており、悪くない。
ただ、ジェスとレスリーが始めてテラビシアに渡るシーンで、演出的に絶対必要なあるカットを撮っていないなど、淡々とし過ぎて演出的なメリハリには欠ける印象がある。
個人的には子供を上手く撮れる人にダメ監督はいないと思うのだけど、次作に期待したい人である。

「テラビシアにかける橋」は、派手な娯楽ファンタジーを期待して観に行くと肩透かしを食らうが、田舎育ちの人なら誰にでも記憶があるであろう「空想の森」での冒険を思い出させてくれる、それなりに愛すべき佳作である。
はたしてこれが今現在の子供たちにとってリアルなのかは正直判らないが、少なくともいい歳した大人にとっては、ちょっと胸キュンな懐かしい時間に浸れる作品と言えるだろう。

今回は十歳の頃の自分を眺めるつもりで、ほろ苦く優しいお酒をチョイスしよう。
カリフォルニアはガイザー・ピークの2003年もの「カベルネ・ソーヴィニヨン」は、すっきりとした透明感のあるテイストに、りんごを芯に様々な果実が舌を楽しませる。
仄かに感じるにがみは青春の味?
ほろ酔い気分になれば、遠い記憶の中にいる自分と冒険の旅にでられるかも。

追記:ようやく日本公開が決まった様なのでタイトルの(仮)をとります。
2008年の正月第二弾の公開だそうです。



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