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300 [スリーハンドレッド]・・・・・評価額1600円
2007年03月12日 (月) | 編集 |
開場30分前に行ったのに、もう既に劇場の前は長蛇の列。
古代ギリシャとペルシャ帝国が戦ったペルシャ戦争の激戦地、テルモピレーの戦いを基にしたグラフィックノベルを映画化した「300」は、オスカーシーズン明けで、派手な大作を求めていた観客の要求にピタリと嵌ったようだ。
一説に総兵力200万人とも言われる、ペルシャ侵攻軍に立ち向かったスパルタ重装歩兵の数、300人がそのままタイトルとなっている。

紀元前480年8月。
日の出の勢いで勢力を広げるペルシャの影が、ギリシャにも迫る。
スパルタ王レオニダス(ジェラルド・バトラー)は、降伏を迫るペルシャ王クセルクセス一世(ロドリゴ・サントロ)の使者を殺害。
戦いは不可避とみたレオニダスは、主戦論と慎重論に揺れる議会の承認を待たず、300人の忠実な手勢を率いて最前線のテルモピレーへ向う。
そこは海岸から街道へ向う道が左右の切り立った崖に囲まれ、防御にはうってつけの場所だった。
レオニダスの妻ゴルゴー(リナ・ハーディー)は、何とか議会を説得して援軍を送ろうとするが、ペルシャの謀略は議会にも及んでいた。
その頃前線では、ついに100万を超えるペルシャ軍が上陸。
迎え撃つのはスパルタ軍300人と僅かな数のギリシャ同盟軍のみ。
レオニダスと300人のスパルタ兵たちの名を、歴史に永遠に刻む事になる三日間の激戦が始まった・・・・


観た事の無いタイプの映画であることは間違いない。
原作はヘロトドスの「歴史」に記されたテルモピレーの戦いを元に、フランク・ミラーとリン・バーレイがある程度の脚色を交えて描いた80ページほどの中篇で、リメイク版「ドーン・オブ・ザ・デッド」でシャープな映像感覚を見せたザック・スナイダー監督が映像化している。
映画はかなり原作に忠実・・・というか、いかに原作をそのまま映像に置き換えられるかが本作の基本的なコンセプトだ。
原作本は珍しい横長サイズで、広げると見開きいっぱいの戦闘シーンが迫力だが、映画もそれに合わせたようにシネスコサイズ。
あらゆるカットの構図やポーズがまるで絵画の様にビシッと決まり、本当に動くグラフィックノベルという感じだ。
巨大な画面で繰り広げられる、マッチョな半裸戦士たちの大迫力の肉弾戦も、殺陣の流れの中で、一番決まった瞬間をバレットタイムで強調する様な撮り方をしている。
漫画のコマ割りを思わせるが、今まで観た事の無い表現だと思う。
面白のは、ビジュアル表現は原作そのものにプラスして、他の漫画や映画の影響もチラチラしていて、たとえばペルシャ軍の描写や、一部の奇形キャラのデザインなどは原作よりも、日本の漫画「ベルセルク」の影響を感じるし、絵画的な戦闘シーン、特に矢の表現は明らかにチャン・イーモウの「英雄~HERO」だろう。
「ロード・オブ・ザ・リング」は言わずもがな。
格好の良い映像を作るためなら、原作のくくりをはみ出してもなりふり構わず追求するという、ある意味潔い姿勢だが、継ぎ接ぎ感は不思議とない。
ベースとなっているビジュアルイメージのコンセプトが明快なために、他からいただいてきたイメージも吸収されてしまうのだ。

ぶっちゃけた話、キャラクターの深い描きこみとか、歴史物としての物語の背景の広がりとかはあまり無い。
原作は事実関係をかなり整理して脚色しており、それほど時代考証に忠実な作品でもない。
ペルシャ戦争という歴史を描いた物語というより、あくまでも100万の敵に立ち向かった300人という判官びいきの心情に訴える英雄伝なのだ。
敵であるペルシャ側の描写なんて、もう相当にぶっ飛んでいて、クセルクセス王なんてチェ・ホンマンよりでかい巨人だし、顔ピアスだらけで「ヘルレイザー」に出てくる人(?)かと思った。
王のテント内なんて、まるで悪魔崇拝のサバトみたいだし(笑
最近には珍しく、政治的に正しい描写よりも原作通り、悪らしい悪っぽさが優先されている。
要するに「漫画」なのだ。

まあ物語を深読みすれば、ペルシャ帝国はまさにアメリカの言う「悪の枢軸」であるイランその物な訳で、僅か300人で孤軍奮闘するスパルタ軍がアメリカなのか?という見方も出来なくは無いが、たぶんそんな深い事は考えていないだろう。

物語はシンプルな原作で十分、後は原作の一コマ一コマを、いかに凄い映像に置き換えるのかという事に、全ての労力を捧げた様な映画なのだ。
ただこれを動く絵画と考えると、ある意味で原作を超えているのではないか。
洋邦を問わず、漫画の映画化は数多くあるが、映像表現で原作より凄いと思えたのはもしかしたら初めてかもしれない。
しかしこの映画、ほとんど全カットにエフェクトが加えられ、俳優の肉体を含めて実際にカメラによって現場で撮られた物がどの程度完成した画面に残っているのか、私にもわからない。
もうここまでくると、実写映画というよりも、実写を素材として使ったアニメーションといった方がしっくり来る気がする。
一言で言って「300」は超豪華な動く戦国絵巻であって、その意味ではかなりエポックな作品といえる。
フランク・ミラーの原作を読んでいる人にも、そうでない人にも「派手で凄い映像を観た」という満足観は確実に与えてくれる。
物語を観に行くというよりも、美術館で壮麗な歴史絵画の連作を鑑賞する、そんな印象の作品だ。

今回はギリシャのスピリット、「ウゾ12」で熱き心を燃やそう。
水で割ると、カルピスの様な色に白濁する事でしられるギリシャの大衆酒。
日本で言えば焼酎みたいなものだろうが、香草のアニスの強烈な香りが印象的で、日本人には好みが分かれるかもしれない。
当然ながらギリシャ料理との相性がよろしい。
映画の後でギリシャレストランでも行って、オリーブを齧りながらグビグビやるのも良いだろう。

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原作


アートブック。表紙から映画のコンセプトが良くわかる。









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