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ブラッド・ダイヤモンド・・・・・評価額1650円
2007年04月06日 (金) | 編集 |
エドワード・ズウィックのベスト。
アフリカの紛争地帯を舞台に、巨大なピンクダイヤモンドを巡る冒険を描いた社会派サスペンス大作だ。

アフリカ、内乱下のシエラレオネ、1990年代。
滅亡した白人国家ローデシア出身のダニー(レオナルド・デ・カプリオ)は、幼くして傭兵となり、今はダイヤの密輸で生計を立てている。
彼にとってダイヤは、この暗黒の大陸から脱出させてくれる希望の光だ。
メンデ人の猟師ソロモン(ジャイモン・フンスー)は、突然村を襲ってきたゲリラによって息子を奪われ、自身はダイヤの採掘場の奴隷として連行される。
ある日偶然にも巨大なピンクダイヤの原石を発見したソロモンは、密かにそれを隠すが、直後に採掘場は政府軍に攻撃され、ソロモンも連行される。
留置所でソロモンがピンクダイヤを隠している事を知ったダニーは、彼の子供の奪還を手伝う事を条件に、ダイヤの隠し場所に案内させる約束をする。
紛争地からの密輸ダイヤのルートを追うアメリカ人ジャーナリスト、マディー(ジェニファー・コネリー)に協力を仰いだダニーは、3人で反乱軍が支配する地域に侵入してゆくのだが・・・


エドワード・ズウィックという人は、バディムービーの名手である。
南北戦争の黒人部隊を描いた「グローリー」、明治維新を舞台に滅びゆくサムライとアメリカ軍人の出会いを描いた「ラスト・サムライ」、人種のるつぼNYでアラブ系移民とアメリカ社会の軋轢を描いた「マーシャル・ロー」など、彼の映画には常に対照的な二つの文化と、異なる背景を持った複数の主人公が登場する。
民族や文化を背負った極めて魅力的なキャラクター達が、時に対立しながら理解を深め、最後に互いに深い理解と尊敬を得るというのがパターンだ。

今回もこのズウィックパターンは不変。
ローデシア(ジンバブエ)出身の白人であり、元傭兵のダイヤ密売人ダニーと、子供を武装勢力に奪われたアフリカ人ソロモンが、ピンクダイヤと子供の奪還という異なる目標を持ちながら、互いを必要とするために対立しながらも過酷で危険な旅の仲間となる。
ここにアメリカ人ジャーナリストのマディーが絡むが、彼女の役割は観客とこの作品世界との橋渡しであり、テーマの部分の解説者の役割も負う。
先進国の普通の観客からは、あまりにも遠い存在であるダニーとソロモンが、マディーが間に入る事でスムーズに観客の感情移入の対象となり、彼らの物語を自分たちの問題として考える事が出来る。

ダイヤモンドという題材が上手い。
紛争地で非合法に産出される密輸ダイヤが、政府軍・ゲリラ双方の武器・弾薬の資金源となり、結果的にアフリカの民衆を抑圧する。
そのダイヤを最終的に買い求めるのは、先進国に住む我々一般消費者だ。
この物語自体は、劇中の台詞にもあるように、石油でもニッケルでもウランでも成立するだろう。
先進国の利権が群がる「何か」があれば良い訳だ。
だがいかにも利権がありそうで、政治的な臭いのする資源と違って、煌びやかなダイヤモンドは嗜好品であり、ぶっちゃけ無くても良い物なのだ。
言い換えれば、我々一人一人が欲しがるからそこに利権が発生しているわけで、産業資源である石油やウランより、遥かにダイレクトにアフリカの問題を観客に突きつける。
私たちが大金を出して買い求めるダイヤの裏に、数多くの声無きアフリカ人の血と涙があるという、その事実が胸を打つ。
実際よく作ったものだと思う。
映画に登場するダイヤメジャー(?)は名前こそ変えてあるものの、よく知られたダイヤモンド大手そのものだし、アメリカでは公開前にダイヤ業界からも映画の内容に懸念の声が上がったと言う。
勿論ダイヤの採掘その物はアフリカの貴重な産業である訳で、紛争地ダイヤとはキチンと別けて考えるべきなのだが、ルール違反を許すかどうかは顧客である我々にかかっているというのは確かにそうだと思う。
テーマ性の部分での観客へのメッセージは、しっかりと届いているだろう。

ダニーを演じるレオナルド・デ・カプリオは本作でオスカーにノミネートされたが、「デパーテッド」ではなくてこちらでノミネートされたのは、作品を観れば納得である。
彼が俳優として一皮向けたのは間違いなくスコセッシのおかげではあるだろうが、ダニー役の深みのあるキャラクターは彼のベストアクトの一つと言って良いだろう。
こちらもオスカーの助演男優賞にノミネートされたジャイモン・フンスーも、デ・カプリオに伍して凄みのあるキャラクターを演じている。
余談だが、この映画の終盤、ソロモンのキャラクターが「グラディエーター」で彼が演じたジュバ役に被って見えた。
地に足の着いたイメージのフンスーは、地上に留まれない「英雄」を葬る役がよく似合う。
出番は少ないながら、この物語を成立させるのに不可欠なキャラクターであるマディーを演じたジェニファー・コネリーも、人生の深みを感じさせる良い役者になった。
私の世代には「フェノミナ」の殺人鬼の影に怯える美少女役が鮮烈な印象として残っているが、もうこの人もオスカー女優だもんね。

骨太だが、しばしば大味な感もあるエドワード・ズウィックの映画だが、今回はチャールズ・レビットの脚本がとても良く書けていて、殆んど突っ込みどころが無い。
登場人物をメインの三人に絞ったのも正解で、観客の視点が彼らにより密着し、密度の濃い映画的時間となっていて、一瞬中ダレしそうになる時間はあるものの、二時間半の長尺を飽きさせない。
物語的に捻ったところは無いので、途中で先が読めてしまうのだが、それが特にマイナスにはなっていないと思う。
マディーとダニーの間にありがちなロマンスの要素を入れなかったのも、下手なハリウッド映画らしくなくて好感が持てる。
先進国の食い物にされるアフリカの現実と言う骨太のテーマをしっかりと観客に突きつけつつも、戦争サスペンスとしてもよく出来ている。
映画の完成度は高く、大作の風格も持つ第一級の社会派娯楽映画と言って良い。
ちなみに映画の中ではバックグラウンド程度にしか触れられないが、ダニーの故郷であるローデシアの歴史や舞台となるシエラレオネの内乱の背景も、とても興味深いので映画で興味を持った人は是非調べてみて欲しい。

今回はダイヤモンドの名を持つ酒を、ダイヤモンドの最大消費国であるアメリカからセレクト。
ナパの外れにある、シュレイダーの「ダブル・ダイアモンド マヤカマス・レンジ・エステート・ヴィンヤード」はしっかりとしたボディを持つ良質の液体ダイヤ。
石のダイヤと違って、こちらは永遠には輝かないが、カベルネ・ソーヴィニヨンらしい豊かな香りが楽しめる。
私は実のところ、こっちのダイヤの方が好きだ(笑

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シュレイダー
ダブル・ダイアモンド マヤカマス・レンジ・エステート・ヴィンヤード [2002]








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