FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
サンシャイン2057・・・・・評価額1500円
2007年04月21日 (土) | 編集 |
今から17年前のバブル時代、NHK70億円の巨費を注ぎ込んで、ハリウッドで製作した一本のSF映画があった。
西暦2050年、太陽が突如として膨張を初め、巨大な太陽フレアによって地球は滅亡の危機に瀕する。
人類は反物質爆弾を搭載した宇宙船ヘリオス号を太陽に送り、太陽の膨張を止めようとする、というのがその物語。
本作「サンシャイン2057」のプロットを最初に聞いたとき、邦題まで劇似のハリウッド製NHK映画「クライシス2050」の基本設定を、太陽が膨らむのと萎むのを逆にしたリメイクなのかと思った。
搭乗員の中に一人だけ日本人がいたりするのも同じで、とにかく設定には共通項が多い。

西暦2057年、太陽は死にかけていた。
人類は、マンハッタン島のサイズの巨大核爆弾を搭載した宇宙船イカロス2号を太陽に送り、太陽内部の核融合を活性化させる計画に最後の希望を託した。
乗組員はキャプテン・カネダ(真田広之)以下、核物理学者のキャパ(キリアン・マーフィー)、生物学者のコラゾン(ミッシェル・ヨー)ら世界各国から集まった8人。
船は長い旅の末に水星に到達、その重力を利用して太陽への最後の行程に旅立った。
長い間の宇宙生活の影響で乗組員たちの間に軋轢も目立ってきた頃、イカロス2号に奇妙な信号が届く。
それは7年前に消息を絶った、イカロス1号からの救難信号だった。
1号の核爆弾が生きていれば、計画の成功の可能性が増すと考えたクルーたちは、進路を変更して1号の救助へ向かう。
果たして7年の間待ち続けた1号に、生存者はいるのだろうか・・・・・


前作、「28日後…」ではゾンビ映画の世界観を使って、ディープな心理スリラーを作り上げたダニー・ボイルの事、今回はあまりの出来の悪さにアラン・スミシー監督名義(笑)となり、誰もが忘れているバブリーなSF映画の設定を借りてきて、同じような事をしようとしたのだろうと予想した。
結論から言うと、確かに「クライシス2050」と似た部分は多いのだが、実は古今東西のさまざまなSF映画がごった煮的に設定やプロットに取り込まれている。
思いつくだけでも、他に「イベントホライゾン」「2001年宇宙の旅」「エイリアン」「サイレントランニング」といった作品の要素がチラホラ。
全体の印象としては「クライシス2050」の設定で「イベントホライゾン」の物語をやったといった感じだろうか。

基本的な作品のコンセプトは、予想通り「28日後…」と良く似ている。
SFの設定を使った心理スリラーである。
人類の未来が自分たちにかかっているという切迫感、閉鎖空間がもたらす濃密で微妙な人間関係。
比較的ゆったりとしたペースで描かれる8人の登場人物たちのドラマは、なかなかに良く出来ており、7年前に消息を絶ったはずのイカロス1号からの謎の救難信号が届いてからは、ミステリー的な要素も加わって飽きさせない。
そして孤独な宇宙空間で、あまりにも巨大な太陽と対峙する人間という舞台装置が、この作品にハードSFとしての哲学性と神秘性を付与している。

「サンシャイン2057」を並みのSFスリラー以上のものにしているのは、何よりも徹底的に作りこまれたコンセプトデザインと、圧倒的な太陽のビジュアルである。
まさにSFの決め手はディティールにあるという事を再確認させてもらった。
この作品を観れば誰でも、まるで自分がイカロス2号の乗組員として宇宙を旅しているような錯覚を起こすだろう。
そのくらい映像は見事であり、ここしばらくのSF映画の中でも圧倒的に素晴らしい。
物語の中で、登場人物の多くが太陽そのものに魅了され、宗教的な啓示すら感じている様に設定されているが、それに説得力を与えているのは、間違いなくビジュアルの見事さである。

惜しむらくは「もう一人の乗組員」が登場した後の展開が、あまりにもホラーチックすぎて、なおかつ「イベントホライゾン」に似すぎている点だ。
物語的な盛り上げにはなっているのだが、本作のハードSFとしての風格には若干水を差す展開だったのではないだろうか。
ホラー的な展開が前面に出すぎて、彼らはいったい太陽で何を見て、何を感じたのか、太陽とは彼らにとって何だったのかがぼやけてしまった。
人間がその本当の姿を絶対に見ることが出来ない(観た瞬間目が焼けてしまう)太陽という、ある意味で神そのものの様な存在と対峙したときの人間たちの姿が、本来この作品の核であるはずで、ここまでホラー色を強める必要は無かったというのが正直なところだ。
ダニー・ボイルという映画作家の資質にも関係するのかもしれないが、「イベントホライゾン」だけではなく、様々な映画のシチュエーションをそのまんま感じさせてしまうのも、トータルで考えるとネガティブな面が強いと思う。

もっとも観ていてしょっちゅうデジャヴを感じさせるのは、SFファンには元ネタを想像して楽しめる要素でもある。
宇宙船の中に森があるというのは、70年代を代表する傑作「サイレントランニング」だし、コンピューターとの対峙は「2001年宇宙の旅」を思わせる。
また、太陽に向かう宇宙船の名前が、ギリシャ神話で翼を付けてどこまでも天に昇って行って、ついには翼の蝋が溶けて墜落したイカロスだったり、物語の語り部の役目をするキャラクターがロバート・キャパ(笑)だったり、言葉の遊びも楽しい。
太陽に向かう船にそんな名前付けちゃいかんだろう(笑

ところで、いろいろなデジャヴを感じた本作だが、どうしてもオリジナルが思い出せないのが二点。
一つは暴走するコンピューターを止めるために、冷却水の中に無理やり押し込むというシーン。
もう一つは、未知の第三者が密航しているがゆえに、宇宙船の酸素が足りなくなってしまうという部分。
この二点はそっくりなシチュエーションを別の作品で観た様な記憶があるのだが、どうにも思い出せずにもやもやする。
ご存知の方は是非教えて欲しい。

今回は、真田広之のサムライ魂に敬意を表して、滋賀県の北島酒造の「太陽の一滴」をチョイス。
「いってき」ではなく「ひとしずく」と読ませる。
適度に酸味が感じられ、純米酒らしいふくよかさを持つバランスの良い飲みやすいお酒。
太陽に消えたイカロスたちが何を見たのか、一滴分だけでも知りたかった。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!








スポンサーサイト