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東京タワー オカンとボクと、時々、オトン・・・・・評価額1700円
2007年04月29日 (日) | 編集 |
私は元々リリー・フランキーのイラストや文章はそれほど好きではないので、200万部の大ベストセラーとなった本作の原作も読んでいないし、テレビドラマも観逃している。
さすがにこれだけ話題になると、本を読んでいなくても大体の粗筋は知っていたが、あまり興味の無かった本作を観にいったのは、オカンのキャスティングに妙に惹かれたからだ。
そしてやはり、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」樹木希林あっての作品であり、彼女のため(つまりはリリー・フランキーの亡きオカンのための)映画になっている。

1960年代初め「ボク」(オダギリジョー/冨浦智嗣/田中平)は、愛情深いオカン(樹木希林/内田也哉子)に見守られながら九州で育った。
建築家で絵描きの端くれだったオトン(小林薫)は、時々しか家に帰ってこない自由人。
やがてオカンとボクは、寂れ始めた炭鉱町にあったオカンの実家に暮らすようになる。
カエルの子はカエル、幼い頃から絵が好きだったボクは、東京の美大に進学するも、放蕩三昧の日々を送り、就職もせず借金まみれのその日暮らし。
そんなボクを変えたのは、オカンの病気だった。
喉の癌にオカンが倒れた事をきっかけに、生活を改めたボクは、やがてある程度の成功を収めオカンを東京に呼び寄せるのだが・・・・・


たぶん泣かされるんだろうなあ、と思いつつ、やっぱり泣かされてしまった。
一言で言えば、ダメ人間の息子からの、苦労をかけた亡き母親への懺悔であり、感謝状の様な作品である。
リリー・フランキー氏以上のダメ息子である私としては、とても人事とは思えない。
改心するまでのボクの放蕩ぶりなんて、まるで鏡を見てるようで恥ずかしくなった(汗
物語的に、若干「北の国から」とかぶるところがある。
地方から東京に出てきた息子が、放蕩の限りを尽くして、ついに親子の愛を再確認するあたり、あの国民的ドラマの父親と母親を交換したバージョンと見る事もできるだろう。
ハリウッド映画では近年鼻につく位家族の愛を前面に出した物が多くなったが、なんだかんだ言っても日本人だって親子の情愛物には弱いのだ。
結局これは全地球的に普遍的な感情だという事だろう。

樹木希林が素晴らしい。
この作品は間違いなく彼女無しではありえないし、圧倒的な説得力をもって「ボク」の最愛のオカンを演じている。
若い頃のオカンを実の娘である内田也哉子を演じているのも絶妙で、当たり前だが二人の入れ替わりはまったく違和感がない。
その分、「ボク」が高校生から大学に入ると、突然オダギリジョーになってしまうのがチョイ気になってしまった。
まあ些細な事だし、オダギリジョーもなかなかの好演で、話が進むにつれてどう見ても似ているとは言えないリリー・フランキーに見えてくる。
割を食った形なのが時々オトンを演じた小林薫か。
決して悪くは無いのだが、オカンのインパクトが強すぎて、割と普通の良い人に見えてしまうのが少々残念。
ここはもうちょっとアクの強い人が欲しかった気がする。
観ながら、たとえば内田裕也あたりでも良かったかなあと思ったが、そうすると内田家のドキュメンタリー(笑)になってしまうのでさじ加減が難しいところだ。
その他、大量のカメオ出演者を含む演技陣は実に豪華なのだが、これ見よがしの撮り方はしてないので、細かいところで誰が出てるのか、後からDVDでチェックするのも楽しいだろう。

松岡錠司の演出は泣かせのツボを抑えてあるものの、決してこれでもかという強引さは無く、淡々とボクとオカンの40年を描く。
読んでないので原作にどこまで忠実なのかはわからないが、松尾スズキの完成度の高い脚本を、演出がでしゃばり過ぎず、キャラクターの感情に忠実に描いていて好感が持てる。
「バタアシ金魚」の頃の強い個性はなりを潜めているが、ベテランらしい円熟を感じさせる仕事だと思う。
松岡組常連の笠松則通の画作りもしっとりとした物語によく馴染み、1960年代の九州から現代の東京までを違和感無く作り上げたビジュアルも抜かりは無い。
実に丁寧な作りの作品である。

「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」は、「ベストセラーの映画化にありがちな安直な企画なのでは?」と、結構意地悪な目で観ても、結果的にストレートに泣かされてしまう、素直に良い映画だ。
この過剰なまでのマザコンっぷりに引くという人もいるだろうが、男なんて誰でも多少はマザコンの気があるものだし、この映画に描かれた親子双方からの深い愛はそのまま素直に受け取りたい。
この時期の封切は、おそらく母の日にあわせたのだろうが、実際のところここまでのストレートな愛情表現を母親と観られる男はそうそういるまい。
オカンに捧げられた映画ではあるが、実際にオカンと観るのは気恥ずかし過ぎる。
だが、これを観るとだれでも親孝行しなきゃなあ・・・・という気分にはなるだろう。
エンドロールの福山雅治の主題歌まで、しんみりと泣かせてくれる良い出来だった。

今回は島根県の澄川酒造場のその名も「東洋美人 純米吟醸 愛山」をチョイス。
希少な酒米「愛山」を使った、まったりとしたコクとまろやかさ、そしてふわりと広がる果実のような吟醸香が印象的な優しい酒だ。
この映画を観た後は、こんな酒を飲みながら、オカンの手料理を食べたくなる。
たまにはマザコンな気分で酒を飲むのも悪くなかろう。

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