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大日本人・・・・・評価額1300円
2007年06月05日 (火) | 編集 |
ダウンタウンの松本人志、劇場用映画初監督作。
「ボラット」とはだいぶ趣が違うが、これもある種のフェイクドキュメンタリー。
突っ込みだけでボケもフォローも無いサシャ・バロン・コーエンとは対照的に、こちらは一言で言えば、ボケだけの漫才を延々みせられているような映画だ。
これはこれで嫌いではないけど、正直言って他人には勧めにくい。
カンヌで途中退席者が沢山出たというのも、真っ当な反応ではないだろうか。
というか、その事に松本監督がショックを受けていたという報道を読んで、もしかしたら彼と彼のファンを含む観客との間には、ウケるという事の認識に関してずいぶんとギャップがあるのかもしれないと思った。

平凡な中年男性、大佐藤(松本人志)は、たまに日本を襲う「獣」が現れると、防衛庁から依頼されて巨大ヒーロー「大日本人」となる。
彼は大日本人であることを誇りに感じているが、しばしば怪獣と共に街を破壊する大日本人に対する世間の目は厳しく、獣の減少と共に活躍の場も減っていた。
ある日、老人ホームで暮らす認知症の4代目大日本人が、巨大化して街を危機に陥れるという事件が発生し、大佐藤に対する風当たりはますます厳しくなるのだが・・・


一応これが松本人志の初監督ということになっているが、彼は1993年に「頭頭(とうず)」というVシネ形式の60分の中篇映画を作っている。
監督こそ山口将哉だが、松本人志は企画・構成・主演を兼ねているので、実質的に彼の作品と言って良いと思う。
「とうず」という干からびた老人のような奇怪な生物(どうやら海洋生物で食用になるらしい)が存在する世界で、淡々と日常が描かれる異色作で、「頭頭」の存在以外に特に変わったことは何も無い。
限りなく普通なのに、ほんのちょっとだけ違うという日常の切り取り方が、彼一流の才気を感じさせる印象深い作品だった。

あれから14年、満を持してという感じでようやく登場した劇場用映画だが、やはり「頭頭」によく似ている。
今回描かれるのは、変身して巨大ヒーロー「大日本人」となる一人の男、大佐藤の日常。
この世界が我々の世界と違うのは、変身する巨大ヒーロー(とその敵)が存在するという一点だけ。
不要の烙印を押されてしまったヒーローという設定は、「ミスター・インクレデブル」を思わせるが、映画の方法論はまったく異なる。
映画は、「獣(じゅう)」と呼ばれる変な怪獣たちとの戦いを挟みながら、1時間53分の上映時間の大半を費やして、ドキュメンタリー形式で大佐藤の日常を追ってゆく。
たまに巨大化する以外はごくごく一般的なくたびれた中年男。
現実からのほんの僅かのずれが、我々の住む世界の本質を浮かび上がらせるという手法であるが、ぶっちゃけそこにそれほど深い物は無い。
ドン・キングみたいなシュールな髪型の大日本人と、かなりふざけた造形の獣たちとの気持ち悪い戦いはそれなりに見ものだが、前記したように殆どボケだけ構成されているようなこの映画の前半は、ユニークではあるが少々長い。
「頭頭」くらいの長さであればなんとかなっても、さすがに一時間を越えては辛くなってくる。

ところが、映画は板尾創路演じる「臭いの獣」が登場するあたりから、急速にそのタッチを変えるのである。
まるで行間を読めといわれているかの様だった前半に比べて、初めて喋る獣が登場すると、突然吉本新喜劇みたいな漫才映画が始まるのだ。
神木隆之介の「童の獣」を挟んで、クライマックス(?)の大北朝鮮人VS大日本人に、大アメリカ人(家族)が割り込んでくるあたりまでの、ベタなお笑い娯楽映画はそれまでの作品世界を軽々と覆す。
そしてさらに、大アメリカ人登場後から反省会までの、SEでスタッフの笑い声が入りそうなテレビのバラエティのコント的な〆方は一体どう評価すればいいのか。

これは何となく想像したのだが、この映画の奇妙さは松本人志の笑いに対する「恐れ」その物なのではないか。
映画的な文法を無視し、お笑いとしてもある意味サプライズなヒーロー物である前半に対して、普通のお笑いに走り、ついにはテレビもどきに突っ走る後半の展開は、裏を返せば松本人志の笑い、あるいは彼の笑いを受ける観客に対する恐れの表現であるように見える。
一時間の「頭頭」では貫き通せたが、二時間の映画では怖い。
そんな意識が垣間見えた気がしたのだが。
松本人志の笑いは、尖がった印象があるし、漠然と本人も判る人だけ判れば良いと考えているのではと思っていたが、件のカンヌでの話などを聞くと、案外普通に自分の笑いは万人受けすると思っているのかもしれない。
もっとも、長いと思わせるあたりも既に計算で、最後まで彼の冷徹な笑いのプロットに踊らされているだけかもしれないが、多分それは深読みしすぎだろう。
まあ極めてユニークな映画であることは間違いなく、しばらくしたらもう一回くらい観たくなる・・・ような気もする。

今回はつかみ所の無い作品なんで、無難に以前松ちゃんがCMに出てたサントリーの「スーパーブルー」にしておこう。
わりと良く出来た発泡酒。
それにしてもすきっと爽快さが必要なビール・発泡酒系のCMには一番似合わない芸人だと思うけど、なぜキャスティングされたのだろう(笑

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