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シュレック3・・・・・評価額1400円
2007年07月02日 (月) | 編集 |
絵本作家ウィリアム・スタイグが創造した緑の怪物、シュレックの活躍を描く、シニカルなパロディアニメの第三弾。
相変わらずギャグ満載だが、パロディのネタとしてはそろそろ出尽くした感があり、映画のとんがり具合も、シュレックのキャラクターと共にややマイルドになってきている気がする。

「遠い遠い国」ではカエルの王様が崩御。
王位につくのが嫌なシュレック(マイク・マイヤーズ)は、長靴をはいた猫(アントニオ・バンデラス)とドンキー(エディー・マーフィー)を連れて、王位継承権を持つもう一人の男、アーサー(ジャスティン・ティンバーレイク)を探す旅に出る。
旅に出る前に、フィオナ(キャメロン・ディアス)に妊娠を告げられたシュレックは、自分が父親になるという事に戸惑いを隠せない。
その頃、プリンス・チャーミング(ルパート・エヴァレット)は御伽噺の悪者たちを誘って、シュレックのいない「遠い遠い国」を襲って占領してしまう。
チャーミングは自分が主役を勤める芝居で、シュレックを殺して王位につくという筋書きを演じようとするのだが・・・


ドリームワークスSKGの「K」ジェフリー・カッツェンバーグとディズニーの確執はあまりにも有名だ。
一時期低迷していた名門ディズニースタジオを、「リトルマーメイド」「美女と野獣」などの大ヒットで救い、CGアニメに注目してディズニーとピクサーの提携を実現させた名プロデューサーだが、1994年にボスであるマイケル・アイズナーと大喧嘩して追われる様にディズニーを後にすると、ドリームワークス創設に参加。
第一弾の「プリンス・オブ・エジプト」を大ヒットさせると、ディズニー・ピクサーが「バッグズ・ライフ」を作れば「アンツ」を作り、「ファインディング・ニモ」を作れば「シャーク・テイル」をぶつけるという様に、殆ど嫌がらせみたいな作品ラインナップで仇敵のディズニー・ピクサーラインに対抗してきた。
彼の率いるドリームワークスアニメ部門が放った最大の、そしてアニメ史上最大のヒットシリーズとなったのが、「シュレック」シリーズなのは象徴的だ。
何しろこれはディズニー的な清く正しい「御伽噺」の偽善性を徹底的に笑い飛ばす、要するにディズニーをコケにした映画だったからだ。
2001年に創設されたアカデミー長編アニメ賞の最初に受賞作品に、「シュレック」の第一作が、「モンスターズ・インク」を押さえて選ばれたのは、カッツェンバーグにとっては正に溜飲を下げた瞬間だっただろう。

さて、「シュレック3」である。
相変わらず小ネタの連続で笑わせるし、おなじみのキャラクターたちも楽しい。
おバカで、ちょっと下品なギャグの連続で決して飽きさせる事は無い。
アンドリュー・アダムソンからメガホンを引き継いだ、クリス・ミラーの演出も軽快でテンポはいい。
しかし、内容的にやっている事は、第一作以来あまり変わっていないのも事実だ。
シュレックが親になる葛藤を描いたり、長靴をはいた猫とドンキーの心が魔法で入れ替わったり、新しいことをやろうとしているのはわかるが、大元のコンセプトに作品そのものが縛られてしまっている。
元々ディズニーへのアンチテーゼとして作られてきた作品だけに、御伽噺を茶化すというお約束を外れるわけにはいかないし、物語の面白さで売ってきている訳でもないので、プロットで新味を出すには世界観のキャパシティに限界がある。
「シュレック」は三作合計で、全世界で20億ドル近くを売り上げている。
本来のアンチディズニーのニッチェ作品として企画されたのだろうが、もはや本家ディズニーの御伽噺以上にメジャーな存在である。
御伽噺の世界への破天荒な侵入者だったシュレックが、ここへ来て御伽噺のマンネリズムに自らはまってしまっている様に見えるのは、なんとも皮肉な話だ。

停滞を感じる物語に対して、ビジュアル面は著しい進化を感じる。
ロボット工学の世界には「不気味の谷」という言葉がある。
ロボットのルックスや動きを人間にどんどん近づけてゆくと、ある時点を越えると人間はそれに嫌悪感を覚える。
そしてさらに技術を進めて人間との見分けが殆ど出来なくなると、嫌悪感は消えて親近感に変化するという。
人は自分に似ているけどどこか異質な物に対して、ニセモノを見る様で不気味に感じ、このリアリズムの谷間の部分を、「不気味の谷」という。
これはCGにもそのまま当てはまる。
CGアニメには様々な技術的アプローチがあるが、実はシュレックは半分「リアル系」であると言って良いと思う。
リアル系CGアニメといえば「ファイナル・ファンタジー」を思い出すが、あれはものの見事に「不気味の谷」にはまっていた。
人間を志向しているのに、人間性が無く、まるでマネキンが動いているような気味の悪さがあった。
そしてマンガとリアルの折衷であるとは言え、同じことは「シュレック」の第一作にも言えた。
シュレックを初め、非人間型キャラクターには普通に親しみを感じられるのに、人間キャラに対してはどうしても能面チックな冷たさを覚えてしまった。

ところが、「シュレック3」は「不気味の谷」を(ほぼ)越えている。
モーションやキャラクター表現の技術進歩以上に効果的だったのは、驚くほど自然で精巧な照明である。
複雑な陰を落とす室内シーンや木漏れ日が美しい自然のシーンなど、何度も見事な照明に唸らされた。
高度な技術に支えられ、結果的にプリンス・チャーミングやその一党など、こういう俳優っているよね、と思う瞬間が何度もあるのだ。
もっともそれは、彼らが人間的に見えているということで、非人間こそ人間的であるという「シュレック」の世界においては、必ずしも歓迎すべき事ではないのかもしれないが。

「シュレック3」はいつものシュレックそのものであって、面白いけど印象としては前二作と殆ど変わりない。
正直なところ、そろそろ予想もつかない新機軸でも打ち出さないかぎり、シリーズ物としては寿命が来ている気がする。
しかし、見事としか言いようの無い映像も含め、それなりに楽しめるのは確かで、観て損を感じるような映画ではない。
物語の元ネタへの依存度が減った分、ファミリー映画としての間口はむしろ広がっているかもしれない。

今回はシュレックらしく緑のキツーイお酒、「ペルノ・アブサン」を。
その名前は原料に使われているニガヨモギにちなむ。
他にもアニスを初めとする大量の香草・薬草が使われているので、風味は強烈。
印象としては、酒というよりも漢方薬か何かみたいな感じで、嫌いな人にはシュレックの家の沼の味に感じるかもしれない。
昔はグラスにこの酒を注ぎ、角砂糖を乗せた専用の穴あきスプーンの上から、さらに水を注いで割って呑むのが流行ったらしい。
例によって水を加えると白濁する。
この酒は一時ニガヨモギの覚醒作用が神経系を侵すということで製造が禁止されていたが、現在の物は成分的には規定範囲内に収まっているという。
その作用故か、昔は芸術関係者に大人気だったそうだ(笑


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