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トランスフォーマー・・・・・評価額1550円
2007年08月06日 (月) | 編集 |
男の子の夢。
クルマに戦闘機、戦車、そして変形する巨大ロボット
マイケル・ベイ監督「トランスフォーマー」は、正に男の子の夢のオモチャ箱。
深い人間ドラマなど一切存在しないが、とてつもない金と手間をかけて、世界中の少年男子たちが夢想した映像をしっかりと見せてくれる。

カタールの米軍基地が、突如として何者かに攻撃され、全滅する。
手がかりは、データベースへのハッキング時に残された、奇妙な金属音だけ。
その頃、冴えない高校生のサム・ウィットウィッキー(シア・ラブーフ)は、念願の車を買ってもらうのだが、それは期待に反してボロボロの骨董物カマロだった。
しかし、その晩車は突然動き出し、後を追ったサムの目の前で、巨大なロボットに変形する。
驚く間もなく、パトカーからトランスフォームしたもう一体のロボットが現れ、サムのカマロとの間で激しい戦いとなる。
カマロのロボットは、オートボッツ軍団のバンブルビーと名乗る。
彼らは滅亡した惑星の金属生命体で、その惑星の生命の源であるキューブを追って地上へやってきた。
しかし、やはりキューブを狙う悪の金属生命体ディセプティコン軍団が、キューブを使って地球の支配を狙っているという。
キューブの隠し場所を示すのは、サムが曽祖父から受け継いだ古い眼鏡。
100年以上前に、北極で氷結したディセプティコンを発見した彼の眼鏡には、キューブの座標が焼き込まれているという。
やがて、オプティマスプライム率いるオートボッツの援軍も現れ、地球の存亡を懸けたキューブを巡る争奪戦がはじまる・・・・


実写のロボット物というと、エンパイアピクチャーズが1990年に製作した「ロボジョックス」が思い浮かぶ。
モデルアニメーションの名手、ディブ・アレンの手によるVFXはなかなかの出来栄えだったが、会社の倒産騒動の中で撮られた作品だけに、正直言って当時の目で観てもB級然とした仕上がりは隠せなかった。
その意味で、今回の実写版「トランスフォーマー」は初めて、日本型の巨大ロボットが金と手間をふんだんにかけられる環境で映像化された、記念すべき作品と言えるかもしれない。

元々「トランスフォーマー」は、日本のタカラが80年代初頭に出した可動フェギアの「ダイアクロン」シリーズをベースに、アメリカの玩具会社が「ミクロマン」などの他のフェギアとミックスして「トランスフォーマー」として売り出した物だ。
日本から見れば、言わば逆輸入品という事になる。
私は、「ダイアクロン」の頃には、もうこの手の玩具に夢中になる歳でもなかったので、あまり記憶に無いのだが、アメリカに住んでいた頃に日系人の従兄弟が「トランスフォーマー」の熱烈なファンだったので、アメリカ版のアニメはよく観ていた。
今回の実写版はアニメとはだいぶ雰囲気が違うが、何よりも変形する巨大ロボットが実に格好良く撮られているので、アニメ版「トランスフォーマー」ファンの枠を超えて、「鉄人28号」以来巨大ロボットで育った世界中の男の子(と元男の子)全てに幅広くアピールするのではないだろうか。

演出的には出し惜しみは一切無く、オープニングから一気呵成に見せる。
ヘリコプターがディセプティコンのロボットに変形し、圧倒的な力で米軍を壊滅させてからクライマックスの市街戦まで、殆ど息つく間もなく見せ場の連続だ。
これは、元々スピルバーグが監督を希望して引き受けた企画だったらしいが、突如として侵略者が現れ、圧倒的な力を見せ付けるのは「宇宙戦争」の構成を思わせるし、平凡な高校生の日常の中に、異星のロボット生命体同士の時空を超えた戦争という壮大な設定が投げ込まれるのも、スピルバーグ的なプロットだ。
もっとも、実際に完成した映画からはそれほどスピルバーグ色は感じられず、ひたすら見せ場の風呂敷を広げ続けるマイケル・ベイ印の映画になっており、よくも悪くも「E.T」や「宇宙戦争」よりは、「アルマゲドン」を連想させる。

ぶっちゃけ、もっと面白くする事は出来たと思う。
やたらと登場人物が多い割には、あまり機能してないキャラクターも多く、例えばオタクなハッカーチームの二人なんて、結局あまり役に立っていなかった。
オートボッツも最初はバンブルビーが中心になるのかと思っていたら、途中からオプティマスプライム率いる軍団が登場。
主役の座もオプティマスプライムに移ってしまうので、バンブルビーが微妙に中途半端になってしまい、ラストがイマイチしまらない。
唯一地球の物に変形しないディセプティコンのボスキャラ、メガトロンとオプティマスプライムの因縁ももうちょっとしっかり描いた方が盛り上がると思う。
主役のサムにしても、存在感が薄くて、命を懸けてもオートボッツたちと戦う心情があんまり真に迫ってこない。

まあ例によってマイケル・ベイの大味な所がでてしまっているのだが、反面この人はメカ物を格好良く撮る事にかけては世界一かもしれず、巨大ロボだけではなくて、変形する前の車や飛行機も実に格好良い。
リアリティへのこだわりも半端じゃなく、V-22オスプレイやF-22ラプターは、本物が映画に登場するのはこれが初ではないだろうか。
そういえば、ベイは「パール・ハーバー」でも、現存する飛行可能な零戦を全部集めて戦闘シーンを撮るという恐ろしく贅沢な事をやっていて、貴重な機体を貸し出したオーナーたちは、傷付けられるのじゃないかと、怖くて見ていられなかったらしい(笑
今回も、オートボッツたちがいちいち日本風の見得を切るアクションをしっかりやってくれているあたりは、さすがに解っている。
もっともアクションシーンはさすがの迫力だが、ロボット同士のバトルは動きが速過ぎて、もうちょっと全体の状況がわかるカットが欲しかったし、せっかくのトランスフォームを、じっくり見せてくれるカットも欲しかった。
まあこのあたりは、早速決まったという続編に期待ということにしよう。

「トランスフォーマー」は、マイケル・ベイがスピルバーグ的な要素を取り込みつつ、熱いオタク魂で仕上げた夏休みらしいド派手な娯楽大作だ。
やや大味な部分もあるが、史上初のハリウッドメジャー制巨大ロボットアクション映画であり、その意味でこれは映画史上のエポックである。
女子たちがこれを楽しめるのかは正直言って良くわからないが、子供の頃に、オモチャ箱に一つでもロボットフェギアを持っていた男子諸君にとっては、長年の夢の一つが結実した、必見の作品であるのは間違いないだろう。

関係ないけど、あのカマロに4000ドルはいくらなんでも高すぎるだろう。
精々1500ドルくらいがいいところだと思うが、中古車価格のリサーチぐらいしなかったのだろうか・・・

今回は、アメリカンビールの「ミッキー」をチョイス。
かわいいボトルだが、アルコール度数は6%と高めで、コクもしっかりとしている。
バドやミラーと比べると、しっかりとした飲み応えがあり、野外でのスポーツ観戦用というよりは、カウチ三昧向きか。
映画を観た後、これを飲みながらオリジナルのアニメを再鑑賞するのも良いだろう。


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