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2007年08月25日 (土) | 編集 |
映画史上もっとも地味で最もスーパーな、元CIA秘密工作員ジェイソン・ボーンの活躍を描くシリーズ第三弾。
第一作の「ボーン・アイデンティティー」から続く、ボーンの「失われた記憶」=「アイデンティティー」を探す旅もいよいよ佳境。
「ボーン・アルティメイタム」では、謎に包まれたジェイソン・ボーンの正体が、遂に明らかになる。
「007」の様な一話完結物とは異なり、物語は前作からの続きで登場人物も共通なので、前作を観てない人、あるいは忘れてしまった人は予習しておいた方が良いだろう。
モスクワから姿を消したジェイソン・ボーン(マット・デイモン)だったが、彼とトレッドストーン作戦の事がイギリスの新聞ガーディアンの記事に出る。
ボーンは記事を書いたサイモン記者(パディ・コンシダイン)と接触し情報源を聞き出すが、網を張っていたCIAに捕捉され、記者は暗殺されてしまう。
情報源の元に向かったボーンだが、記者の死を知った情報源は一足違いで逃亡した後だった。
彼の事務所でニッキー(ジュリア・スティールズ)と再会したボーンは、彼女を連れて情報源の逃亡先であるモロッコのタンジールに飛ぶ。
しかし情報源の行く先に、ボーンも向かうと読んでいたCIAは、タンジールに暗殺者を潜入させていた・・・
元々完成度の高かったシリーズだが、今回も良く出来ている。
とにかく物語の流れが全く止まらない。
脚本は主人公のジェイソン・ボーンを徹底的にフィーチャーし、殆ど全編出ずっぱりなのだが、そのボーンは常にサスペンスの中を歩いているか、走っているか、格闘しているかなので、中ダレしようにもする場面が無い。
まあ脚本の出来が良い分だけ、時たまボーンが自分から危機を呼び込むような真似をするのが気にならない訳でもない。
ただ、これは以前からそうだったので、意外と自信家で自己顕示欲が強いボーンの性格?と思えば良いのかもしれないが・・・・
逆に、その部分を除けば、殆ど物語にアラらしいアラは無いのも事実である。
第二作「ボーン・スプレマシー」から続投のポール・グリングラス監督の演出は、御馴染の手持ちカメラと第三者的視点の多用で、1時間51分という適度な上映時間の間、画面に緊迫感を与え続ける。
アクション演出も、モロッコの迷宮のような街の構造を生かした立体的な追跡戦から、ニューヨークの大カーチェイスまで地味派手取り混ぜて、存分に魅せる。
もちろん現在の映画だから、CGも多用しているし、ボーンも何気にあり得ない様な超人的なアクションをしているのだが、演出がそれを感じさせないライブ感の強いスタイルなのだ。
作品の内容と演出家のスタイルが、上手くマッチングした好例と言えるだろう。
主演のジェイソン・ボーンを演じるマット・デイモンにとっても、この役は一世一代の当たり役となった。
それでも、役柄自体は荒唐無稽なスーパーヒーローではなくて、地味目でいかにもいそうなキャラクターなので、シリーズで演じたからといって、ジェームス・ボンドやスーパーマンの様にイメージが固定化されてしまう訳でもない。
俳優にとっては実にオイシイ代表作である。
今回はクライマックスとあって、ボーン誕生の秘密を握るCIA幹部たちにスコット・グレン、アルバート・フィニイ、デビッド・ストラザーンという大ベテランを配しているが、彼らが登場すると画面が締まり、雰囲気がぐっと深くなるのはさすがである。
話そのものにそれほど深いテーマ性がある訳ではないが、ボーンが自らの過去を直視する事で、今まで戦ってきた暗殺者たちが、彼の過去そのものだった事に気付く切なさは、シリーズの流れを踏まえて上手く表現されている。
自らの過去を殺しながら、自らの過去にたどり着くという皮肉は、なるほどグリングラスらしい。
「ボーン・アルティメイタム」はシリーズの大団円に相応しい、極めて良く出来た娯楽映画である。
細部まで神経を行き届かせ、大味さを感じさせない作品の作り込みは、本作をハリウッド映画でありながら、ヨーロッパ映画的なムードを持つ、小粒ながらピリリと辛い良質のスパイサスペンスに仕上げている。
「007」や「M.I」シリーズは大味すぎて今ひとつ気に入らないという人も、このシリーズは楽しめるのではないだろうか。
今回でロバート・ラドラム原作による「ボーン・シリーズ」は、どうやら打ち止めになるようだ。
まあ元々自らのアイデンティティーを探し、過去に決着を付ける物語だったのだから、ここで終わらせるのがベストだろう。
しかし、イラク駐留の米軍を描くという、グリングラス注目の次回作である「Imperial Life in the Emerald City」にはマット・デイモンが主演するというし、ラドラム原作の「The Chancellor Manuscript」もグリングラス監督、デ・カプリオ主演で映画化されることが発表されている。
このシリーズによって生まれた人の繋がりは、まだまだ新しい楽しみを提供してくれそうだ。
今回は、物語上重要な舞台となるモロッコから、カクテルの「カサブランカ」をチョイス。
もちろん、モロッコが舞台となった、あまりにも有名な映画から名前が取られている。
ホワイト・ラム80ml、レモン果汁20ml、オレンジ・キュラソー2dash、グレナデン・シロップ2dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dashをシェイク。
良質な映画の後味を増幅する、複雑な味のハーモニーを楽しめる。
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第一作の「ボーン・アイデンティティー」から続く、ボーンの「失われた記憶」=「アイデンティティー」を探す旅もいよいよ佳境。
「ボーン・アルティメイタム」では、謎に包まれたジェイソン・ボーンの正体が、遂に明らかになる。
「007」の様な一話完結物とは異なり、物語は前作からの続きで登場人物も共通なので、前作を観てない人、あるいは忘れてしまった人は予習しておいた方が良いだろう。
モスクワから姿を消したジェイソン・ボーン(マット・デイモン)だったが、彼とトレッドストーン作戦の事がイギリスの新聞ガーディアンの記事に出る。
ボーンは記事を書いたサイモン記者(パディ・コンシダイン)と接触し情報源を聞き出すが、網を張っていたCIAに捕捉され、記者は暗殺されてしまう。
情報源の元に向かったボーンだが、記者の死を知った情報源は一足違いで逃亡した後だった。
彼の事務所でニッキー(ジュリア・スティールズ)と再会したボーンは、彼女を連れて情報源の逃亡先であるモロッコのタンジールに飛ぶ。
しかし情報源の行く先に、ボーンも向かうと読んでいたCIAは、タンジールに暗殺者を潜入させていた・・・
元々完成度の高かったシリーズだが、今回も良く出来ている。
とにかく物語の流れが全く止まらない。
脚本は主人公のジェイソン・ボーンを徹底的にフィーチャーし、殆ど全編出ずっぱりなのだが、そのボーンは常にサスペンスの中を歩いているか、走っているか、格闘しているかなので、中ダレしようにもする場面が無い。
まあ脚本の出来が良い分だけ、時たまボーンが自分から危機を呼び込むような真似をするのが気にならない訳でもない。
ただ、これは以前からそうだったので、意外と自信家で自己顕示欲が強いボーンの性格?と思えば良いのかもしれないが・・・・
逆に、その部分を除けば、殆ど物語にアラらしいアラは無いのも事実である。
第二作「ボーン・スプレマシー」から続投のポール・グリングラス監督の演出は、御馴染の手持ちカメラと第三者的視点の多用で、1時間51分という適度な上映時間の間、画面に緊迫感を与え続ける。
アクション演出も、モロッコの迷宮のような街の構造を生かした立体的な追跡戦から、ニューヨークの大カーチェイスまで地味派手取り混ぜて、存分に魅せる。
もちろん現在の映画だから、CGも多用しているし、ボーンも何気にあり得ない様な超人的なアクションをしているのだが、演出がそれを感じさせないライブ感の強いスタイルなのだ。
作品の内容と演出家のスタイルが、上手くマッチングした好例と言えるだろう。
主演のジェイソン・ボーンを演じるマット・デイモンにとっても、この役は一世一代の当たり役となった。
それでも、役柄自体は荒唐無稽なスーパーヒーローではなくて、地味目でいかにもいそうなキャラクターなので、シリーズで演じたからといって、ジェームス・ボンドやスーパーマンの様にイメージが固定化されてしまう訳でもない。
俳優にとっては実にオイシイ代表作である。
今回はクライマックスとあって、ボーン誕生の秘密を握るCIA幹部たちにスコット・グレン、アルバート・フィニイ、デビッド・ストラザーンという大ベテランを配しているが、彼らが登場すると画面が締まり、雰囲気がぐっと深くなるのはさすがである。
話そのものにそれほど深いテーマ性がある訳ではないが、ボーンが自らの過去を直視する事で、今まで戦ってきた暗殺者たちが、彼の過去そのものだった事に気付く切なさは、シリーズの流れを踏まえて上手く表現されている。
自らの過去を殺しながら、自らの過去にたどり着くという皮肉は、なるほどグリングラスらしい。
「ボーン・アルティメイタム」はシリーズの大団円に相応しい、極めて良く出来た娯楽映画である。
細部まで神経を行き届かせ、大味さを感じさせない作品の作り込みは、本作をハリウッド映画でありながら、ヨーロッパ映画的なムードを持つ、小粒ながらピリリと辛い良質のスパイサスペンスに仕上げている。
「007」や「M.I」シリーズは大味すぎて今ひとつ気に入らないという人も、このシリーズは楽しめるのではないだろうか。
今回でロバート・ラドラム原作による「ボーン・シリーズ」は、どうやら打ち止めになるようだ。
まあ元々自らのアイデンティティーを探し、過去に決着を付ける物語だったのだから、ここで終わらせるのがベストだろう。
しかし、イラク駐留の米軍を描くという、グリングラス注目の次回作である「Imperial Life in the Emerald City」にはマット・デイモンが主演するというし、ラドラム原作の「The Chancellor Manuscript」もグリングラス監督、デ・カプリオ主演で映画化されることが発表されている。
このシリーズによって生まれた人の繋がりは、まだまだ新しい楽しみを提供してくれそうだ。
今回は、物語上重要な舞台となるモロッコから、カクテルの「カサブランカ」をチョイス。
もちろん、モロッコが舞台となった、あまりにも有名な映画から名前が取られている。
ホワイト・ラム80ml、レモン果汁20ml、オレンジ・キュラソー2dash、グレナデン・シロップ2dash、アンゴスチュラ・ビターズ1dashをシェイク。
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