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酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
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幸せのレシピ・・・・・評価額1450円
2007年10月07日 (日) | 編集 |
「食」をテーマにした映画は、ある意味ずるい。
生命の根源である美味しそうなご飯を見ていると、何だかそれだけで満ち足りた気分になってしまって、仮に映画に欠点が沢山あったとしても、そのかなりの部分を覆い隠してくれる。
そのぐらい、人間にとって食べるということは幸福な事なのだ。
「幸せのレシピ」というそのものズバリの邦題が付いた本作も、そんな美味しい幸せを感じさせてくれる佳作である。

レストラン激戦区のニューヨークでシェフを勤めるケイト(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)は、完璧主義の仕事人間。
熱心さゆえに、時にはレストランのオーナーや顧客とも衝突する事も辞さないが、自分が積み重ねてきた仕事に対しては、人一倍自信と愛着を持っている。
ところがある日、たった一人の姉が事故で他界し、その一人娘ゾーイ(アビゲイル・ブレスリン)がケイトに託される事になる。
予期せぬ事態から突然母親の役をこなさなければならなくなったケイトだったが、当然子育ては料理の様にはいかず、ゾーイとの距離はなかなか埋まらない。
そんな中、職場復帰したケイトの前に、イタリアかぶれの新人スーシェフ、ニック(アーロン・エッカート)が現れる。
人当たりが良く、料理の実力も確かなニックに、シェフのポジションを奪われるのではないかとナーバスになるケイトだったが、ニックの存在は彼女とゾーイとの関係にも重要な変化をもたらすのだった・・・


ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」のリメイクだが、残念ながらオリジナルは未見。
主人公のケイトは、まるでアメリカ版働きマン
切れ者で仕事への情熱もあり、料理の実力とセンスはピカイチ。
しかし、心はどこか満ち足りず、心理カウンセラーに通っていたりする。
そう、この映画で料理されるのは、極上の食材だけではない。
一番のメインディッシュは、本人も自覚しないうちに壁を作って閉ざされているケイトの心そのものだ。
この映画の冒頭のケイトは、いわば料理されていないピザ生地の様なもの。
ポテンシャルはあるが、まだそれだけでは美味しくない。
極上のディッシュを作るために登場するさらなる食材は、たった一人の肉親となったゾーイと、仕事を楽しみ人生を楽しんでいるラテンなニック。

キャサリン・ゼタ=ジョーンズは、少々きつい作りの顔のせいか今までとっつきにくい美人という印象だったが、本作ではコワモテの内側に隠れた弱さや優しさを繊細に表現していてなかなかの好演。
オスカーを受賞した「シカゴ」の様なインパクトは無いが、本人のイメージを上手く生かしたナイスキャスティングだ。
アーロン・エッカートのイタリア人かぶれのニックは、多分オリジナルのドイツ映画では本物のイタリア人だったんだろうなと想像するが、なるほどドイツ的な固さを持つケイトに対しては豪放磊落なニックのイメージは、生地を包み込むとろけるチーズでという感じだろうか。
演じるエッカートも、前作の「ブラック・ダリア」とはまるで別人に見える見事な化けっぷり、というかインタビューなどを見ているとこちらの方が素の彼に近いのだろう。
ヨーロッパにおけるドイツとイタリアは、アメリカに置き換えればお堅いニューヨーカーと陽気なカリフォルニアン。
その意味でいかにもカリフォルニアンなエッカートははまり役だった。
もちろんこの映画の三角関係の最後の一編を受け持つゾーイを演じたアビゲイル・ブレスリンも、見事な芸達者ぶり。
生地がケイトでチーズがニックだとすれば、ゾーイは両者を一つに溶け合わせるジューシーなトマトか香り高いハーブだろうか。

物語の方は、どうやらオリジナルにかなり忠実らしいのだが、徹底的にケイト目線で描いた事は正解だったと思う。
彼女の心理状態というのは、現在を生きる多くの人に共通しているだろうし、抱えている葛藤は必ずしも女性ならではの物という訳でもない。
働きシェフのケイトに共感する男性も少なくないだろう。
ただし、ケイトをフィーチャーしたが故に、物語のディテールは多少弱い。
登場人物の行動は唐突さが目立つし、ニックのケイトへのリスペクトが恋愛に変化してゆく過程、そしてケイトがそれを受け入れる過程も、十分な説得力があるとは言いかねる。
後半はケイトの心が二転三転して物語の流れがギクシャクし、少し中ダレも感じさせてしまう。

それでも、「幸せのレシピ」を観た観客は、タイトルどおり幸せな気分になるだろう。
名作「シャイン」を物にしたスコット・ヒックス監督は、ケイトの人生に現れたニックとゾーイという二人の人物を巧みに料理し、最後にはまずまずの満腹感を与えてくれる。
それに多少料理の手順に戸惑ったとしても、画面に映し出される数々の美味しそうな料理の描写が絶妙な後味のスパイスとなって、観ている間に感じた小さな不満を覆い隠してくれる。
色々な意味で幸せな映画である。

今回は、映画のデザートという感じで、イタリアはピエモンテ州の「フォンタナ・フレッダ モスカート・ダスティ」をチョイス。
マスカット種の爽やかな香りと仄かな酸味が楽しめる甘口の微発泡スプマンテ。
アルコール度数も5~6度とそれほど高くなく、強くない人でもジュース感覚で楽しく飲める。
コストパフォーマンスが高いのも魅力で、「あのビストロ」で日曜日のブランチあたりに出すのに似合いそう。
クルクル回る三角のウィンドサインは可愛かった。

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