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ミッドナイトイーグル・・・・・評価額1050円
2007年12月01日 (土) | 編集 |
日本アルプス山中に墜落した、米軍のステルス爆撃機の積荷を巡る山岳アクション。
予告編を観たときから、何となく「ホワイトアウト」「亡国のイージス」を足して2で割った様な映画だなあと思っていたが、実際出来上がった映画もそんな感じ。
雪山を舞台としたスケールの大きなサスペンスとしてそれなりに楽しめるものの、作劇のディテールが甘く、やたらと冗長な構成のせいもあって、大味で間延びした印象の大作となってしまった。

著名な戦場カメラマンだった西崎(大沢たかお)は、イラク戦争の経験からトラウマを抱え、作品を発表できなくなっていた。
学生時代から続けていた山に逃げ込んだ西崎は、妻の病気すら気付くことが出来ず、みすみす死なせてしまい、たった一人の息子も妻の妹である雑誌記者の有沢慶子(竹内結子)と共に東京に去ってしまった。
ある日、西崎は北アルプスの山中で、墜落する赤い光を撮影するが、それは米軍のステルス爆撃機B5だった。
その機体には日本には本来あってはならない「爆弾」が搭載されていた事から、回収のために自衛隊の特殊部隊が送り込まれるが、同時に正体不明の武装集団も北アルプスに潜入していた。
後輩の新聞記者の落合(玉木宏)と共に山に入った西崎は、武装集団の襲撃を受け、事態を東京の慶子に知らせようとするのだが・・・・


敵は例によって東アジアの某国
決して国名は出さないものの、近年の日本映画において、往年のハリウッド映画におけるソ連並みの悪役となってしまった某国だが、今回も都合の良い悪役として大活躍だ。
もっとも、その都合よさに頼った物語はかなり荒っぽく、辻褄の合わない部分だらけ。
そもそも、何故某国の工作員が核爆弾を起爆しようとするのが
祖国上空を好き勝手に飛行する米軍に破壊工作をするのはまあ理解できるが、日本に特殊部隊を送り込んで核爆弾を爆発させたりしたら、確実に滅びるのは某国の方だと思うんだけど・・・
それにB5がアルプスに墜落したのは偶然のはずなのに、某国の工作部隊が何で自衛隊よりも米軍よりも早く、何十人もの完全武装した部隊を現地に展開できるのかも
しかも地の利の無いはずの日本アルプスで、何であんなに強いのかはもっと謎(笑
原作は高嶋哲夫のベストセラー小説なのだが、原作ではもうちょっとマシな処理をしているのだろうか。

まあ、このあたりは全体から見たらほんの些細な部分なのだが、ディテールが甘いのは某国の描写だけではない。
物語はご都合主義が目立ち、サスペンスとしての作劇もあまり上手くない。
決定的なのは、核爆弾の起爆を阻止するためのキーアイテムを竹内結子が手に入れるのが早すぎる事で、せめてこのアイテムの正体を隠しておけば良いものを、最初から説明しすぎてしまうので、以降の雪山での核爆発までのカウントダウンが全くスリリングにならない
おまけに核爆発の阻止がクライマックスなのかと思いきや、その後に再度危機が襲ってくるというダブルクライマックスの構造なので、後半部分がやたらと冗長だ。
本来ならここは、ミックスしてしまって、畳み掛けるようにスリルとアクションを釣瓶打ちすべきで、そこに切り札としてキーアイテムの存在があるべきなのではないか。

もっとも、そうしなかった理由も何となくわかる。
これは良くも悪くも日本映画で、ノーテンキなアクションだけではなくて、色々と言いたい事が多いのだ。
語るべきテーマ性を持っているという、その事自体は良いのだが、結果的にテーマ表現を主人公たちの会話に頼ってしまっているがために、ちょこっとアクションしては語り、またアクションしては語りと肝心のクライマックスの描写がダラダラしているせいで、言いたい事もぶつ切り状態になってしまい、アクション同様に印象に残らない。
俳優たちが総じて好演しているので余計に勿体無いのだが、キャラクターの行動原理は判りやすいものの、観客が知っておくべきインフォメーションの殆ど全てが台詞でしか表現されていないので、表層的なことこの上ない。

脚本の長谷川康夫と飯田健三郎は「ホワイトアウト」や「亡国のイージス」を担当した人。
なんだやっぱり最初の印象どおりじゃないか。
この二本もキャラクターがステロタイプで底が浅く、かつサスペンス部分のディテールがスカスカで白けてしまったが、今回も全く同じことが言える。
正直言ってこの二人の脚本家は、この手の作品に全く向いてないと思うのだが、何でテロリストが出てくるアクションというと毎度この人選なのか理解に苦しむ。

脚本が浅いなら、演出でそれをフォローする作りこみを見せて欲しいところだが、成島出監督の演出にもディテールへのこだわりはあまり見られない。
特に終盤、主人公がカメラを銃に持ち換える瞬間は、物語のテーマ性を考えれば精神的クライマックスとも言えるシーンなのに、そこに何の演出も無く、あっさりとスルーされてしまったのには正直言って驚いた。
あれ?テーマ語るためにこんなにダラダラと語らせていたんじゃないの?それなのにもっとも映画的な瞬間はスルー??
この無神経な演出を見る限り、テーマらしいことはとりあえず言ってみただけとしか思えない。
だったら初めから、ハリウッド的なノーテンキなアクション映画を目指せばよかったんじゃなかろうか。

「ミッドナイト・イーグル」は、「真夜中の鷲」というタイトル通りに、北アルプスの暗闇の中で着地点を見失って墜落してしまった様な映画だ。
設定の面白さと、雪山というロケーション、そしてそれなりにキャラクターを確立している俳優たちの好演で、何とか飽きずには見られるものの、あれもこれもと詰め込んだ結果、あらゆる意味で中途半端という勿体無い作品となってしまった。
長大な原作から取捨選択し、映画として何を描くかビジョンを明確にしておけば、テーマ性に振るにしてもアクションに振るにしても、もう少しスッキリとした作品になったと思うのだけど。

今回は北アルプスに擁かれた飛騨の地酒をチョイス。
アルプスの伏流水で仕込まれた、原田酒造の「山車 純米吟醸 超辛口 雷吟」は日本酒度+15という超辛口。
とはいっても過剰に辛さを追求しているわけでは無く、適度なコクを残しつつスッキリとした切れ味の鋭い酒だ。
今ひとつクリアでない映画の後味を、シャープに彩ってくれる。

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