FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
アイ・アム・レジェンド・・・・・評価額1450円
2007年12月19日 (水) | 編集 |
もしも、この世界に一人ぼっちだったら・・・・
フランシス・ローレンス監督「アイ・アム・レジェンド」は、そんな子供じみた空想が現実になった世界の物語。

西暦2012年、ニューヨーク。
細菌学者のロバート・ネビル(ウィル・スミス)は愛犬サムと一緒に、無人の街でサバイバルしていた。
人類は、3年前に医療用から変異した恐るべきウィルスによって滅亡してしまった。
他の生存者の存在を信じて、日々ラジオ放送を続けるネビルだったが、夜になると厳重なシェルターと化した自宅に閉じこもらねばならない。
太陽が沈むと、街はただ食欲だけを持ち、人間としての知性や感情を失い吸血鬼と化したウィルス感染者たちの支配する恐怖の世界になるのだ。
たった一人で、ワクチンの研究を続けるネビルは、ある日動物実験で結果が出たワクチンを実証するために、感染者の女を捕らえるのだが・・・


リチャード・マシスンの古典SF「吸血鬼」の三度目のリメイク。
古い方は、子供の頃チャールトン・ヘストン主演の「地球最後の男 オメガマン」をテレビで観た記憶があるが、こちらは中ソの細菌戦争の結果、人類が滅びてしまうという設定で、いかにもB級然とした作品ながら、子供心にはそれなりに楽しかった。
ただ、今回のリメイク版は、世界観から言えば旧作よりもダニー・ボイルの「28日後」に近い。
特に吸血鬼というよりもゾンビに近い感染者の描写はかなりデジャヴを感じさせるし、舞台をロンドンからNYに置き換えた「28日後」のリメイクと言った方がしっくりくるかもしれない。
もっとも、感染者が吸血鬼の伝統通り太陽光に弱いという設定だけは原作通りなので、感染者の支配する恐怖の夜と、人間であるネビルの昼という対比が映像的に面白いコントラストを生み出している。

それにしても、実際に無人の廃墟と化したNYのビジュアルは圧巻。
野生動物が感染しないのは何でとか、食料何年も腐らないのとか、ウィルスが寒さに弱いなら、北極圏は無事なのではとか、設定に色々突っ込みどろこは多いながら、これだけ明確な世界観を映像で見せられると、もはや受け入れるしかない気分になってくるから不思議だ。

この異世界と化した街で孤独に耐える主人公に、人類を救う役ならお任せ、のウィル・スミス
一人芝居に近い状態が上映時間の大半を占めるが、しっかりと存在感で持たせるのは流石。
「幸せのちから」では息子と競演したが、今回は実の娘と回想シーンの親子役で競演を果たしている。
だが、今回のベストアクトは、彼のバディである犬のサマンサだろう。
ネビルの感情の受け皿となり、唯一の泣かせどころまで持ってゆくという大活躍だった。

しかし、近未来SFホラーとしてかなり面白い作品だが、観終わるとどこか物足りない
この映画の上映時間は、最近のホリディシーズン大作としては例外的に短い一時間四十分。
だが原因はそこではなくて、物語のオチが中途半端なせいだろう
具体的には、せっかく感染者側にネビルと対になるキャラクターを作りながら、それが生かせておらず、感情的にオチていないのだ
ネビルが実験台として感染者の女を奪ったとき、男がそれを追って、危険な日中に飛び出したのを見て、ネビルは感染者が自己の危険を理解する事も出来ないくらい退化していると感じた。
しかし実際には、感染者の男はリーダーシップを発揮して組織的な狩を行い、ネビルの行為をそっくり真似てサムを殺すという復讐すら成し遂げる。
暴力衝動こそあれど、感染者は依然として人間であり、愛する女を奪還するためにネビルを執拗に追跡する。
男の行動は、本来同じように愛するものを失ったネビルの合わせ鏡で、ネビルと感染者の男の対立構造によって物語が進む以上、ネビルが男の中に自分自身を見る事でしか、この物語はオチないのだ。
「神様の計画」の一言で物語を締めくくられては、それまでせっかく作り上げてきた興味深い対立構造が、結局何の意味もなかったという事になってしまい、肩透かしをくらった気分になってしまう。

実はタイトルの「アイ・アム・レジェンド」の持つ意味も、原作と映画では大きく異なっている。
映画では、命を賭して人類を救うワクチンを開発しようとするネビルが、生き残った人類の伝説となる、という意味での「レジェンド」だが、原作では吸血鬼が寝静まる日中に、吸血鬼狩りをして胸に杭を打ち込み続ける主人公が、吸血鬼社会の中では逆に恐怖の対象としての「レジェンド」として語り継がれているという皮肉な設定になっている。
同じ「伝説」でも意味合いがまるで違うのだ。
今回の映画では、感染者が知性を失っているという設定だから、原作をそのまま当てはめるのは無理があるが、立場を逆転して考えれば、結局どちらも同じだったというオチは、今回の映画版が途中まで準備しながらも結論をスルーしてしまった、最も重要な要素だったと思う。

そんな訳で、「アイ・アム・レジェンド」は、傑作に成りかけたけど、自らそれを放棄してしまった作品という気がする。
世界観は面白いし、それを現実化したビジュアルも見事。
フランシス・ローレンス監督は、コンパクトな上映時間の中でエンターテイメントとして十分に楽しめる作品を完成させているが、もう一歩テーマへの拘りがあれば近未来SFの傑作として本当に「レジェンド」に成っていたかも知れない。

今回は、伝説の名を持つ酒「レジェンド・オブ・キューバンラム」をチョイス。
1940年代~50年代にキューバで蒸留されたラムをスペインに運び、長い年月をかけて古酒として熟成された樽から、少しずつボトリングされる希少な酒。
濃密な味わいと豊かな香りは、歳月を経た酒ならではの物だ。
映画はちょっと伝説には成りそこなった感があるが、こちらは文句なしだ。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね
人気ブログ検索 <br />- ブログフリーク
こちらもクリック!

も一回お願い!




一回目


二回目

スポンサーサイト