■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。


2008年01月13日 (日) | 編集 |
英BBCがNHKと共同で制作したドキュメンタリー番組、「プラネットアースPlanet Earth」は記憶に新しいが、「アース」は五年にわたって撮影された映像を再編集して新たに制作された劇場版。
監督を務めるのは、このジャンルのスペシャリストであるアラステア・フォザーギルとマーク・リンフィールドだ。
テレビ番組の時も、その映像の美しさは印象的だったが、劇場の大スクリーンで観る地球の姿はまさに圧巻だ。
北極点から南極海まで、壮大な地球の風景の中で生きる動植物たちの姿を描いた「アース」の特徴は、ある意味「神の視点」で描かれたドキュメンタリーだという点にある。
多くの自然ドキュメンタリーがミクロ的な視点で、自然の1シーンを切り取っているのに対して、この作品は非常にマクロ的な視点で描かれる。
それは描く対象である動植物との距離感もそうだし、人工衛星や航空機からの鳥瞰ショットを多用した演出面もそうだ。
例えば冒頭と最後に描かれるホッキョクグマのエピソードは、偶然にもナショナルジオグラフィックの「北極のナヌー」とシチュエーションも展開もそっくりだ。
だがメインとなるホッキョクグマにナヌーという名前をつけ、積極的に彼らへの感情移入を誘う「北極のナヌー」に対して、「アース」の視点は明らかにクールで、そこで起こっている現象を淡々と描いているに過ぎない。
同様に「ナヌー」では大きなテーマとなっていた地球温暖化に対する警鐘も、こちらでは前面に出ることはない。
ナレーションで強調はされるものの、北極の氷の減少以外に、映像的にそれを描写した部分も無い。
あくまでも今、地球上で起こっている現象の一つ、という位置づけの様に思える。
これは勿論温暖化の事実を軽視しているのではなくて、問題へのアプローチの姿勢の違いだろうと思う。
「アース」の主役はあくまでもタイトル通り地球そのもので、動植物たちはその巨大なシステムの中で生かされている小さな小さな存在に過ぎない。
映画は、今ここにある地球と言うエコシステムが、いかに貴重な存在なのかを圧倒的な映像の洪水で描く。
下手な映画会社ではとても太刀打ちできない、二つの公共放送という巨大な制作システムと高い技術レベルがそれを可能としている。
シベリアの平原でトナカイを狩る狼。あるいは乾燥したアフリカの平原で水を求めて彷徨い歩くゾウの群れ。
映画は地上で撮られた彼らの等身大のショットから、大自然の中での彼らの小ささを強調する航空機からの鳥瞰ショット、果ては砂漠がやがて緑に満たされるまでの静止衛星からの超鳥瞰ショットを自在に使い分け、地上の営みが地球と言う巨大なエコシステムの中で繰り広げられている現象だということを観客に実感させる。
また枯れ木の山に季節が流れ、太陽が地表を照らし、桜が正に山肌を駆け上がってくる様子を数秒に短縮して描いた吉野の風景では、今度は季節というもう一つのシステムを見事に描写してみせる。
映像のサイズと時間をコントロールする事で、人間の目には決して見ることの出来ない、神の視点での地球観察を可能としているのである。
我々が小さな視点で見て知っているつもりになっているこの世界は、神の視点で見せられるとあまりにも荘厳で美しく、「奇跡」という言葉が自然に頭をよぎる。
「アース」は、あくまでも美しく希少な地球を見せることで、その一住人たる我々に、地球と言う母なる存在への責任を考えさせる作品なのだと思う。
惜しむらくは、やはり全地球的な規模で命を描くには、一時間四十分は短すぎるという事。
中心となるホッキョクグマ、ゾウ、クジラの三種はそれなりにしっかりと描写されているが、ほんのわずかしか触れられていない動物たちも多く、アムールヒョウやオオヤマネコ、アデリーペンギンなどは紹介だけされて、その後をカットされた様な印象で、ダイジェスト感は否めない。
これはやはり劇場で感動した後、全11巻が発売されている「プラネットアース」のDVDを鑑賞するのが正解なのかもしれない。
私もテレビ版は何本か観たのだが、改めて鑑賞したくなった。
さて今回は季節感漂う日本のお酒を。
島根県の米田酒造の「豊の秋 大吟醸」をチョイス。
深く、ほのかな香りとふっくらとした味わいが印象的な、母なる大地の様なやさしい酒。
このまま地球温暖化が進むと、近い将来フランス、イタリアあたりのワインは作れなくなると言う。
日本で米が取れなくなる事は当面無さそうだが、日本酒作りには冬の寒冷な気候が不可欠なのは言うまでもない。
地球の恵みである、美味しいお酒を飲めなくなるような世界には、決してなって欲しくない。
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもクリック!

も一回お願い!

監督を務めるのは、このジャンルのスペシャリストであるアラステア・フォザーギルとマーク・リンフィールドだ。
テレビ番組の時も、その映像の美しさは印象的だったが、劇場の大スクリーンで観る地球の姿はまさに圧巻だ。
北極点から南極海まで、壮大な地球の風景の中で生きる動植物たちの姿を描いた「アース」の特徴は、ある意味「神の視点」で描かれたドキュメンタリーだという点にある。
多くの自然ドキュメンタリーがミクロ的な視点で、自然の1シーンを切り取っているのに対して、この作品は非常にマクロ的な視点で描かれる。
それは描く対象である動植物との距離感もそうだし、人工衛星や航空機からの鳥瞰ショットを多用した演出面もそうだ。
例えば冒頭と最後に描かれるホッキョクグマのエピソードは、偶然にもナショナルジオグラフィックの「北極のナヌー」とシチュエーションも展開もそっくりだ。
だがメインとなるホッキョクグマにナヌーという名前をつけ、積極的に彼らへの感情移入を誘う「北極のナヌー」に対して、「アース」の視点は明らかにクールで、そこで起こっている現象を淡々と描いているに過ぎない。
同様に「ナヌー」では大きなテーマとなっていた地球温暖化に対する警鐘も、こちらでは前面に出ることはない。
ナレーションで強調はされるものの、北極の氷の減少以外に、映像的にそれを描写した部分も無い。
あくまでも今、地球上で起こっている現象の一つ、という位置づけの様に思える。
これは勿論温暖化の事実を軽視しているのではなくて、問題へのアプローチの姿勢の違いだろうと思う。
「アース」の主役はあくまでもタイトル通り地球そのもので、動植物たちはその巨大なシステムの中で生かされている小さな小さな存在に過ぎない。
映画は、今ここにある地球と言うエコシステムが、いかに貴重な存在なのかを圧倒的な映像の洪水で描く。
下手な映画会社ではとても太刀打ちできない、二つの公共放送という巨大な制作システムと高い技術レベルがそれを可能としている。
シベリアの平原でトナカイを狩る狼。あるいは乾燥したアフリカの平原で水を求めて彷徨い歩くゾウの群れ。
映画は地上で撮られた彼らの等身大のショットから、大自然の中での彼らの小ささを強調する航空機からの鳥瞰ショット、果ては砂漠がやがて緑に満たされるまでの静止衛星からの超鳥瞰ショットを自在に使い分け、地上の営みが地球と言う巨大なエコシステムの中で繰り広げられている現象だということを観客に実感させる。
また枯れ木の山に季節が流れ、太陽が地表を照らし、桜が正に山肌を駆け上がってくる様子を数秒に短縮して描いた吉野の風景では、今度は季節というもう一つのシステムを見事に描写してみせる。
映像のサイズと時間をコントロールする事で、人間の目には決して見ることの出来ない、神の視点での地球観察を可能としているのである。
我々が小さな視点で見て知っているつもりになっているこの世界は、神の視点で見せられるとあまりにも荘厳で美しく、「奇跡」という言葉が自然に頭をよぎる。
「アース」は、あくまでも美しく希少な地球を見せることで、その一住人たる我々に、地球と言う母なる存在への責任を考えさせる作品なのだと思う。
惜しむらくは、やはり全地球的な規模で命を描くには、一時間四十分は短すぎるという事。
中心となるホッキョクグマ、ゾウ、クジラの三種はそれなりにしっかりと描写されているが、ほんのわずかしか触れられていない動物たちも多く、アムールヒョウやオオヤマネコ、アデリーペンギンなどは紹介だけされて、その後をカットされた様な印象で、ダイジェスト感は否めない。
これはやはり劇場で感動した後、全11巻が発売されている「プラネットアース」のDVDを鑑賞するのが正解なのかもしれない。
私もテレビ版は何本か観たのだが、改めて鑑賞したくなった。
さて今回は季節感漂う日本のお酒を。
島根県の米田酒造の「豊の秋 大吟醸」をチョイス。
深く、ほのかな香りとふっくらとした味わいが印象的な、母なる大地の様なやさしい酒。
このまま地球温暖化が進むと、近い将来フランス、イタリアあたりのワインは作れなくなると言う。
日本で米が取れなくなる事は当面無さそうだが、日本酒作りには冬の寒冷な気候が不可欠なのは言うまでもない。
地球の恵みである、美味しいお酒を飲めなくなるような世界には、決してなって欲しくない。

記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもクリック!

も一回お願い!

スポンサーサイト
| ホーム |