■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。


2008年02月06日 (水) | 編集 |
ネッシー・オウチ・デンワ・・・・
ネッシー版の「E.T」?それとも「のび太の恐竜」?軍隊が絡んでくるあたりは故・影山民夫の「遠い海から来たCoo」?
伝説化した一枚の写真がモチーフとなるあたりは、チャールズ・スターリッジの「フェアリーテイル」も思わせる。
と、過去の色々な作品を連想させる本作「ウォーター・ホース」だが、実際に観てみるとやはり「E.T」だった。
第二次大戦中のスコットランド。
ネス湖の近くに住むアンガス少年(アレックス・エテル)は、貴族の屋敷の管理人である母アン(エミリー・ワトソン)と姉と共に、出征して連絡の途絶えた父の帰りを待っている。
ある日、アンガスはネス湖の湖畔で大きな卵を拾うのだが、その卵からは見た事もない不思議な生き物が生まれる。
アンガスはその生き物にクルーソーという名前をつけ、育て始める。
ちょうどその頃、アンガスたちの住む屋敷に、ネス湖にドイツ軍の潜水艦が侵入するのを警戒するために、イギリス軍が進駐してくるのだが・・・・
プレシオサウルス説や巨大ナメクジ説など、ネス湖の怪物の正体には諸説あるが、元々この地には古くから伝わるウォーター・ホースの伝説がある。
ウォーター・ホースとは、ケルト伝説の水魔。
馬の様な姿をして、イギリスの沼や湖に住むといわれ、日本各地残る牛鬼伝説の一部にも良く似た伝承が見られる。
この作品では、生物というよりも妖怪に近いウォーター・ホースを、ストレートにネッシーの正体として位置付け、あの有名な写真が撮られた第二次大戦中を舞台としている。
いわば現代ネッシー伝説のルーツを明かすと言う志向だ。
ただ、物語そのものはこの手のスタンダードとは言え、要所要所の描き方があまりにも「E.T」に似すぎている。
舞台は80年代のアメリカの郊外から、第二次世界大戦中のスコットランドへ大きく変わっているし、相手も等身大の宇宙人と伝説の巨大生物と、設定だけ見ればかなり違う。
だが父親への喪失感を抱える主人公の内向的なキャラクター、更に母親や姉との関係はエリオットを強く感じさせる。
何よりも決定的なのは、少年がネッシーと初めて対面するシーンで、これはエリオットがE.Tと対面するシーンそっくりだ。
舞台もあえて同じ物置というあたりに、作り手のオマージュを感じさせるが、ここだけでなく、物語のあちこちに「E.T」チックな場面が散りばめられているので、観ていてどうしても「オリジナル」の存在を思い出してしまう。
どうせなら、有名過ぎる「E.T」的な要素を取り込みながら、あのネッシーを一躍有名にしたインチキ写真を、もう少し物語に絡めたらよかったのではないだろうか。
予告編を観て、この写真が物語の核にあるのかと思ったが、実際には映画の一シーンであっけなくスルーされてしまう。
このあたりは、同じように後年にインチキと判明した妖精写真をモチーフとした「フェアリーテイル」が、なかなかに上手い展開をしているので、こっちを参考にしても良かった気がする。
ロバート・ネルソン・ジェイコブスの脚本は、とりあえず色々詰め込まれているのだが、あまり生かされていないエピソードも少なくない。
軍の料理長と屋敷のおばさんの恋なんて別になくても良いから、ハンターの兵士に対するアンガスの恐れなどはもっと突っ込んだほうが面白かっただろう。
高慢な軍人のハミルトン大尉が、いつの間にかすっかり良い人になってしまうご都合主義も気になる。
物語的なまとまりは、今ひとつという感じだ。
ただ、元ネタの存在を感じさせるとは言え、アンガス少年の内面はしっかりと描かれているし、エミリー・ワトソンら脇を固める芸達者たちも好演しており、決して安っぽいファンタジーではないのも確かである。
ジェイ・ラッセルの演出も、やや大味な感はあるが、キャラクターへの眼差しは優しく真摯で、人間に興味の無い人ではない様である。
背景となるネス湖の自然描写も美しく、情感演出はなかなかのもので、少年の成長物としてはある程度の説得力がある。
もう一方の主役と言うべきクルーソーは、成長した姿がカワイイかどうかはともかく、その出来ばえは見事なもので、アンガスを乗せて水中を疾走するシーンは、スピード感もあって中々に楽しかった。
思うに、「ウォーター・ホース」の不幸は、やはり「E.T」に印象が似すぎている事だろう。
同じように「E.T」的な物語であるが、強い独自性を感じさせる秀作、「河童のクゥと夏休み」のとの違いを言えば、ジェイ・ラッセルはついついディテールを再現したくなるくらい「E.T」が大好きで、原恵一はそれほどでもなかったという事だろうか。
だが、「E.T」を思わせる部分が多いとはいえ、映画そのものはしっかりと丁寧に作られており、作品の完成度は決して低くはない。
たぶん、「E.T」を知らない今の子供たちが観れば、かなり心に残る作品なのかもしれない。
実際、私は「E.T」を知っていても、クライマックスではそれなりに感動したし、楽しめた。
今回はスコットランドの物語と言うことで、安直にスコッチ。
真にスコッチらしいスコッチと言うことで、「バランタイン」の17年もの。
40種類以上のモルトをブレンドして、味の奥行きはネス湖の様に深くミステリアスだ。
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもクリック!

も一回お願い!

ネッシー版の「E.T」?それとも「のび太の恐竜」?軍隊が絡んでくるあたりは故・影山民夫の「遠い海から来たCoo」?
伝説化した一枚の写真がモチーフとなるあたりは、チャールズ・スターリッジの「フェアリーテイル」も思わせる。
と、過去の色々な作品を連想させる本作「ウォーター・ホース」だが、実際に観てみるとやはり「E.T」だった。
第二次大戦中のスコットランド。
ネス湖の近くに住むアンガス少年(アレックス・エテル)は、貴族の屋敷の管理人である母アン(エミリー・ワトソン)と姉と共に、出征して連絡の途絶えた父の帰りを待っている。
ある日、アンガスはネス湖の湖畔で大きな卵を拾うのだが、その卵からは見た事もない不思議な生き物が生まれる。
アンガスはその生き物にクルーソーという名前をつけ、育て始める。
ちょうどその頃、アンガスたちの住む屋敷に、ネス湖にドイツ軍の潜水艦が侵入するのを警戒するために、イギリス軍が進駐してくるのだが・・・・
プレシオサウルス説や巨大ナメクジ説など、ネス湖の怪物の正体には諸説あるが、元々この地には古くから伝わるウォーター・ホースの伝説がある。
ウォーター・ホースとは、ケルト伝説の水魔。
馬の様な姿をして、イギリスの沼や湖に住むといわれ、日本各地残る牛鬼伝説の一部にも良く似た伝承が見られる。
この作品では、生物というよりも妖怪に近いウォーター・ホースを、ストレートにネッシーの正体として位置付け、あの有名な写真が撮られた第二次大戦中を舞台としている。
いわば現代ネッシー伝説のルーツを明かすと言う志向だ。
ただ、物語そのものはこの手のスタンダードとは言え、要所要所の描き方があまりにも「E.T」に似すぎている。
舞台は80年代のアメリカの郊外から、第二次世界大戦中のスコットランドへ大きく変わっているし、相手も等身大の宇宙人と伝説の巨大生物と、設定だけ見ればかなり違う。
だが父親への喪失感を抱える主人公の内向的なキャラクター、更に母親や姉との関係はエリオットを強く感じさせる。
何よりも決定的なのは、少年がネッシーと初めて対面するシーンで、これはエリオットがE.Tと対面するシーンそっくりだ。
舞台もあえて同じ物置というあたりに、作り手のオマージュを感じさせるが、ここだけでなく、物語のあちこちに「E.T」チックな場面が散りばめられているので、観ていてどうしても「オリジナル」の存在を思い出してしまう。
どうせなら、有名過ぎる「E.T」的な要素を取り込みながら、あのネッシーを一躍有名にしたインチキ写真を、もう少し物語に絡めたらよかったのではないだろうか。
予告編を観て、この写真が物語の核にあるのかと思ったが、実際には映画の一シーンであっけなくスルーされてしまう。
このあたりは、同じように後年にインチキと判明した妖精写真をモチーフとした「フェアリーテイル」が、なかなかに上手い展開をしているので、こっちを参考にしても良かった気がする。
ロバート・ネルソン・ジェイコブスの脚本は、とりあえず色々詰め込まれているのだが、あまり生かされていないエピソードも少なくない。
軍の料理長と屋敷のおばさんの恋なんて別になくても良いから、ハンターの兵士に対するアンガスの恐れなどはもっと突っ込んだほうが面白かっただろう。
高慢な軍人のハミルトン大尉が、いつの間にかすっかり良い人になってしまうご都合主義も気になる。
物語的なまとまりは、今ひとつという感じだ。
ただ、元ネタの存在を感じさせるとは言え、アンガス少年の内面はしっかりと描かれているし、エミリー・ワトソンら脇を固める芸達者たちも好演しており、決して安っぽいファンタジーではないのも確かである。
ジェイ・ラッセルの演出も、やや大味な感はあるが、キャラクターへの眼差しは優しく真摯で、人間に興味の無い人ではない様である。
背景となるネス湖の自然描写も美しく、情感演出はなかなかのもので、少年の成長物としてはある程度の説得力がある。
もう一方の主役と言うべきクルーソーは、成長した姿がカワイイかどうかはともかく、その出来ばえは見事なもので、アンガスを乗せて水中を疾走するシーンは、スピード感もあって中々に楽しかった。
思うに、「ウォーター・ホース」の不幸は、やはり「E.T」に印象が似すぎている事だろう。
同じように「E.T」的な物語であるが、強い独自性を感じさせる秀作、「河童のクゥと夏休み」のとの違いを言えば、ジェイ・ラッセルはついついディテールを再現したくなるくらい「E.T」が大好きで、原恵一はそれほどでもなかったという事だろうか。
だが、「E.T」を思わせる部分が多いとはいえ、映画そのものはしっかりと丁寧に作られており、作品の完成度は決して低くはない。
たぶん、「E.T」を知らない今の子供たちが観れば、かなり心に残る作品なのかもしれない。
実際、私は「E.T」を知っていても、クライマックスではそれなりに感動したし、楽しめた。
今回はスコットランドの物語と言うことで、安直にスコッチ。
真にスコッチらしいスコッチと言うことで、「バランタイン」の17年もの。
40種類以上のモルトをブレンドして、味の奥行きはネス湖の様に深くミステリアスだ。

記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもクリック!

も一回お願い!

スポンサーサイト
| ホーム |