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JUNO/ジュノ・・・・・評価額1500円
2008年06月24日 (火) | 編集 |
ヘヴィな作品が並んだ今年のアカデミー賞戦線の中で、異彩を放った軽妙なティーンコメディ
「サンキュー・スモーキング」の、というよりはアイヴァン・ライトマンの息子と入った方がまだ通りがいい、二代目監督ジェイソン・ライトマンの作風は、同じコメディでも大味でアクの強いオヤジとは正反対で、淡白でスタイリッシュな今風のスタイル。
タイトルロールの「JUNO/ジュノ」に、若き演技派エレン・ペイジを得て、2作目にしてアカデミー監督賞ノミネートを果たしてしまった。

ジュノ(エレン・ペイジ)は16歳高校生。
バンド仲間のポーリー(マイケル・セラ)と興味本位でした最初のセックスで妊娠してしまう。
友達のリア(オリヴィア・サルービー)に相談したジュノは、最初中絶をしようとするが、病院の前で中絶反対運動をしていた同級生に「胎児にはもう爪があるのよ」と言われ産む決心をする。
とは言っても高校生の両親に子供が育てられる訳も無く、ジュノはフリーペーパーで養子を募集してる金持ちの若夫婦、バネッサ(ジェニファー・ガーナー)とマーク(ジェイソン・ベイトマン)を見つけ、里子に出す契約を交わす。
だんだんと大きくなるお腹をかかえ、高校生活続けるジュノは、次第に養子先の夫婦と仲良くなってゆくのだが・・・


十代の妊娠という深刻になりがちなテーマを扱っているにもかかわらず、物語は良い意味で軽く、明るい。
妊娠が発覚して、あっさりと堕胎を選択するジュノが、胎児にも爪があると知って、生む決意をするエピソードは、彼女の性格を上手く表現して秀逸なシーンだ。
よく言えば行動的、悪く言えば軽薄、でも行動は感情にストレートなジュノは、9ヶ月間の妊婦生活を通して、喜びと悲しみ、出会いと別離も含んだ様々な人生のステージに出会い、少し大人になって行く。
彼女が理想の大人を見た、バネッサとマーク夫婦の現実を知っても、それでも変わらない母としての愛を信じるだけの心を、ジュノは物語を通して獲得するのである。

相変わらずエレン・ペイジは上手い。
ジュノという主人公は、かなりエキセントリックで、見方によってはイカレた16歳
下手な役者がこの役をやったら、全くリアリティも無く、ひたすら漫画チックな代物になっていただろうが、彼女はかなりの説得力をもって演じる事に成功している。
ペイジというピッタリの演技者を得ることが出来たのは、この作品にとっては幸運だったと言えるだろう。
ただ、彼女の過去の作品を観ていると、どうも同系統の「特殊な少女」の役柄が続いていて、デジャヴを感じなくも無いのだけど。

役者が良いおかげで、ジュノという少女のキャラクターに現実的な存在感は与えられているものの、正直なところ友達になりたいタイプではない。
若い少女たちが観客なら、また観方も違ってくるだろうが、おっさんにとっては天然な分むしろコワイよ、この娘は。
案の定、養子先の旦那は微妙に勘違いしていたし(笑
主人公への感情移入が難しいにもかかわらず、この作品が幅広い世代の多くの人々に支持されたのは、ジュノを取り巻く周りの人々が魅力的だからかもしれない。
娘の予期せぬ妊娠を受け止める両親。
ジュノの赤ちゃんを待ち望む、養子縁組先の若い夫婦。
そしてチアリーダーの友人リアに、赤ちゃんの頼りない父親であるポーリー。
人生の様々なパートを体現する彼らの存在が、多くの観客にこの物語の中で目の置き所を提供している様に見える。
脚本のディアブロ・コディは、ジュノの九ヶ月の中の要所要所に巧みに彼らを配置し、1人の少女が自らの妊娠という物語の終着点にちゃんと成長してたどり着けるように道筋をつけている。
本年度のアカデミーオリジナル脚本賞を受けただけあり、プロットはシンプルながらきっちりと構成され、登場人物のバランスも良い。

もっとも、物語的にはとてもきれいにまとまってはいるものの、深くは無い。
それは多分、ジュノを含めた登場人物が、ディアブロ・コディの頭の中で完全に制御された存在だからだろう。
このキャラクターはこう動くから、こっちはこう行動する、というようにある意味ですべての登場人物が明確な役割を持った作家のコマであり、ステロタイプを脱し切れていない。
要するに、これはコディの好みのキャラクターしか登場しない、良くも悪くも彼女の箱庭なのだ。
ライトマンの演出も、この脚本の長所を生かすべく、適度に引いた視線で捕らえているせいもあり、物語の持つテーマ性の深さとは対照的に、映画の印象はわりと表層的だ。
まあ、深刻なテーマをあえて深く追求せずに、一人の少女の気持ちだけに絞って表現し、観客を気持ちよく笑わせつつ、ちょっとしんみりさせて、最後に少しだけ考えさせると思えば、これはとてもよく出来た映画であると思う。
観る人によって、心の階層のどこまで入ってくるかは異なると思うが、誰もが爽やかな気分で映画館を後に出来る、そんな作品である。

さて本作の主人公の名前はローマ神話の女性・家庭の守護神JUNOからとられている訳だが、JUNOとは6月の女神でもあり、いわゆる「ジューン・ブライド」という言葉は、この月に結婚すればJUNOの祝福を受けて幸福になれるという言い伝えから来ている。
6月といえば星占術では双子座だが、星占をモチーフにした「フォーチュネイト」というシリーズワインがある。
今回はその6月を象徴する「フォーチュネイト・サンソー・ジェモー」をチョイス。
企画物だが、味も悪くない。
ライトな映画には気軽に飲めるこんなワインが結構合う。

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