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インクレディブル・ハルク・・・・・評価額1400円
2008年08月05日 (火) | 編集 |
この夏のハリウッド映画はアメコミヒーローだらけで、バットマンに続いて、超人ハルクも帰ってきた。
「インクレディブル・ハルク」は、2003年にアン・リー監督で作られた「ハルク」の続編にあたる作品だが、監督と主要キャストがそろって続投した「ダークナイト」とは対照的に、監督は「ダニー・ザ・ドッグ」や「トランスポーター2」のアクション派フランス人監督ルイ・レテリエにチェンジし、キャストも主人公以下全員を入れ替えている。

研究中のガンマ線被爆が原因で、怒りの感情によって緑の怪物ハルクに変身する体になってしまったブルース・バナー(エドワード・ノートン)は、故国アメリカから逃亡し、ブラジルに潜伏しながら治療法の研究を続けている。
ハルクの軍事利用を狙うロス将軍(ウィリアム・ハート)は、バナーの潜伏先を突き止め、部下のブロンスキー(ティム・ロス)らの部隊に急襲させる。
間一髪で逃亡したバナーは、アメリカに戻り嘗ての恋人ベティ(リヴ・タイラー)の協力を経て、ガンマ線治療の鍵を握る謎の科学者、ミスター・ブルーを探そうとする。
同じ頃、ハルクの力を目の当たりにしたブロンスキーは、自らもその力を手に入れたいと願い、実験台に名乗りを上げるのだが・・・


変身時のぶっ飛んだCG描写も含めてB級テイスト満載で、何かと評判の悪い前作の「ハルク」だが、私が子供の頃馴染んだテレビシリーズが、元々ルー・フェグリノの筋肉だけが見物の低予算作品だった事もあって、そんなに違和感は無かった。
後半の展開が、「ハルク」と言うよりは東宝の「サンダ対ガイラ」みたいになってしまっていたけど、それなりに楽しめる作品だったと思う。
さて大幅なメンバーチェンジをした今回の作品だが、一番びっくりしたのはブルース・バナーを演じているのがエドワード・ノートンという事だ。
どちらかと言うと作家性の強い作品に好んで出るタイプで、この手の映画には一番興味のなさそうな人だと思うのだが、一体何が彼を動かしたのだろう。
もっともサプライズなのは彼のキャスティングくらいで、後は物語的にもビジュアル的にも典型的なアメコミアクション
正直なところ、特に語るべき内容には乏しい。

あえて注目すべきポイントを探すとなると、今までひたすらハクルに変身しない事を追及していたバナーが、初めて自らの意思で変身する事を選択するという展開だろうか。
科学者の彼にとって、ハルクの体というのはパンドラの箱であって、決して開けてはいけない物。
自分の体を治療する事で、箱を封印しようとしていたのだが、自らの意思でもう一人のハルクとなったブロンスキーの登場で、その思惑は狂ってしまう。
自分たちの作り出した怪物を、初めて客観的な目で見たバナーは、自らの身を犠牲にして止めようとする。
という風に、一応苦悩の末の決断というのもきちんと描かれてはいるのだが、監督のベクトルが明らかにアクションの方に向いている事もあって、心理描写は必要最小限。
ブロンスキーが、危険を顧みずなぜあれほど変身したがるのかも今ひとつ説得力が無く、見所はやっぱり二人が変身した後の「サンダ対ガイラ」なのだった。
「ダークナイト」で超長濃密な人間ドラマを観てしまった後では、物語面ではかなり薄味に感じてしまう。

まあ、元々「ハルク」というキャラクターは、バットマンやスパイダーマンと言ったスーツ・ヒーローと違って、生身の人間である時と変身時のキャラクターの連続性が薄い。
何しろ変身時には肉体だけでなく心すら変化してしまうので、ブルース・バナーの苦悩がそのままハルクの苦悩につながらず、感情移入という点ではどうしても弱く、変身した怪物キャラの大暴れに映画の中心が行ってしまうのはやむを得ない面がある。
もっとも、今回はバナーとハルクの心を、ベティを介してつなげようしている試みはあり、新機軸としてそれなりに面白かった。
ラストの意味深なバナーの表情も、ハルクへの変身を精神でコントロールできるようになったという事を示唆しているのだろうか。
あと、ちょっと興味を引かれたのは、バナーの元恋人ベティとその新恋人レナードとの三角関係で、もしアン・リーだったら確実に膨らませてくる部分だと思うが、レテリエは興味が無いのかあっさりスルー。
最初こそ戸惑っていたベティも、あっという間にレナードの事など忘れてバナーと元の鞘に納まってしまい、レナードには同情を禁じえない(笑
ただ、レナードにはロス将軍との会話で印象的な台詞を吐かせるなど、一応キャラを確立しようと言う意図を感じるのだが、もしかしたら続編で何らかの役割を与えられるのかもしれない。

「インクレディブル・ハルク」は、典型的なアメコミ原作物で、物語的にもキャラクター的にもその範疇を超えるものではなく、スタッフ・キャストを一新した割には、結局前作と同じ事をやっているというのが正直な印象だ。
しかしまあ、ヒーローの生き難いこの時代に、複雑な葛藤を抱えた新時代のアメコミヒーローが続々と生まれている中、ある意味で類型的なこの作品は、新鮮味は無いものの安心して楽しめる作品ではある。
「ダークナイト」は、正直子連れのお父さんが観に行ける映画ではないが、これは大丈夫。
その意味では、正しい夏休みの娯楽映画としてはこちらの方が正解なのかもしれない。
因みに、おまけのラストはびっくりしたけど、これをやるなら「アイアンマン」を先に公開しないと意味不明なのではないか。
お客さん皆キョトンとしていたぞ。

ややあっさりテイストのこの大作には、緑のお酒「ペルノ・アブサン」を。
アニスやニガヨモギといった香草を大量に使ったこのお酒は、かなり強烈な香りを放ち、好き嫌いがはっきり分かれる。
この酒は嘗てニガヨモギによって幻覚作用が起こるという事で、長く製造が禁止されていたが、法規制の範囲内に抑えて復活した経緯がある。
トラディショナルな飲み方は、グラスに酒を注いだ後、穴あきスプーンに角砂糖を載せて、その上から水を注いで割る。
元々は緑色だが、水を加えると白濁するのも面白い。
そういえばこの酒は「シュレック」の時も合わせた様な・・・
同じ緑の巨人ではあるけども(笑

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