■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
※エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係なTBもお断りいたします。 また、関係があってもアフェリエイト、アダルトへの誘導など不適切と判断したTBは削除いたします。
■TITLE INDEX
※タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
※noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
※noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
2008年08月14日 (木) | 編集 |
「レイダース/失われたアーク」が、トレジャー・ハンティングというジャンルをハリウッドのメインストリームに復活させて以来、「ロマンシング・ストーン」から「ナショナル・トレジャー」まで、多くのフォロワーが登場した。
その中で、もっとも荒唐無稽かつ何でもあり、という成り立ちで、確固たるポジションを築いたのが、スティーブン・ソマーズの生み出した「ハムナプトラ・シリーズ」だろう。
今回、「インディ」復活の盛り上がりにチョイ相乗りとばかりに、七年ぶりに登場した「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」は、映像の派手さと話のぶっ飛び具合は相変わらずながら、前二作とは微妙に雰囲気が異なる。
1946年。
冒険の時代は過去へ去り、リックとエヴリンのオコーネル夫妻は悠々自適ながら少し退屈な生活を送っていた。
そんな時、外務省から、「シャングリラの目」と呼ばれる巨大なブルーダイヤを、中国に返還する役目を依頼された夫妻は、遠路上海に赴く。
同じ頃、リックの息子であるアレックスは、呪いによって封じられた中国の初代皇帝の墓の発掘に成功。
皇帝の復活を目論む軍閥のヤン将軍は、皇帝にかけられた呪いを解く鍵である「シャングリラの目」を狙って上海のオコーネル夫妻を襲うのだが・・・
「ハムナプトラ」という邦題は、一作目に出てくる古代の死者の都の名前なので、エジプトが舞台の前二作ならともかく、今回の様な内容だとさすがに無理がある。
最初から素直に「The Mummy」にしておけば良かったのに。
物語の舞台は北京オリンピック開催に合わせたかの様に、第二次大戦直後の中国。
ジェット・リー扮する封印された古代中国の邪悪な皇帝が、Mummy(ミイラ)として復活。
現代中国の征服に乗り出し、例によってブレンダン・フレイザー演じるリックとエヴリンのカップルが阻止するというお話は、ぶっちゃけ前二作の焼き直しだ。
今回はこれまたインディに合わせたかの様に、二人の息子が成長して、主役の一角を占めているあたりが新機軸と言えば新機軸だが・・・
元々このシリーズは、一作目の生みの親であるスティーブン・ソマーズが、1932年に作られた古典ホラー「ミイラ再生」をモチーフに、発展的リメイクとして作り出した物。
今回ソマーズはプロデューサーに名を連ねているものの、実質的には外れ、変わってロブ・コーエンが監督している。
この人は「トリプルX」などでアクション物には定評があるし、中国関連では1993年に「ドラゴン/ブルース・リー物語」という傑作を放っているので、ある意味ピッタリの人選に思える。
しかしながら、私にはやはりソマーズが抜けたのが作品の出来栄えに影を落としているように見えた。
元々このシリーズの売り物はVFXを駆使したスペクタクルな映像と、ソマーズらしいユーモアのセンスにあったはず。
だからこそ元々コメディ色の強いブレンダン・フレイザーが主役のリックに抜擢されたのだろうし、妻のエヴリンと兄のジョナサンの三人が繰り広げるお笑い冒険旅行はなかなか楽しかった。
今回は画の派手さは及第点だが、演出家のスタイルが異なるために以前に比べてコミカルな描写が少なく作品の印象が妙に硬質だ。
完全なコミックリリーフであった、ジョナサンなど手持ち無沙汰な様子だし、レイチェル・ワイズからマリア・ベロに変わったエヴリンも今ひとつ目立たない。
「ハムナプトラ」的な物を、一生懸命作ろうとしてはいるものの、笑いのセンスがないために、全体に滑り気味の様に思える。
物語の方も複雑な設定を作ってあるのに、ストーリーラインの組み方が雑なために、それほどドラマチックにつながって来ない。
皇帝と魔法使いツイ・ユアンとミン将軍の三角関係はまあ良いとしても、軍閥のヤン将軍は皇帝を現在に蘇らせて何をするつもりだったのだろうか。
弾丸一発で粉々になってしまう泥の軍団など、二十世紀には何の役にも立たない気がするのだが。
ちなみに悪の皇帝はどう見ても始皇帝なのだが、さすがに中華帝国の創始者を邪悪なミイラ呼ばわりするのは遠慮したのか、一応架空の人物という事になっている。
この皇帝も、せっかくジェット・リーをキャスティングしているのに、彼の功夫アクションが生かされる場面が殆ど無いのもいかがなものか。
二作目のロック様よろしく、スコーピオン・キングならぬキング・ギドラもどきの三頭龍に変身したりするのだが、ファンが見たいのはそんなんじゃなくて、彼の超人的な肉体を使ったアクションなんだと思うのだけど。
せっかくミッシェル・ヨーとの競演まで用意しているのに、二人のアクションの絡みが殆ど無いのももったいない。
「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」は、面白くなりそうな材料は盛り沢山なのだが、どうもそれを上手く料理できていない。
見所はほぼCGによる派手なスペクタクル映像のみで、芸達者な役者たちのおかげもあって、それだけでも楽しんで観られるものの、ユーモアというスパイスを失ったこの作品は、前作までの味わいをどこか失ってしまった。
アクション映画としての見せ場は、内容的に微妙にかぶる「ドラゴン・キングダム」の方が数段上だったと思う。
ロブ・コーエンとしては、妙にソマーズの世界を引きずるよりは、もちょっと自分流の「ハムナプトラ」に軌道修正してしまったほうが良かったのではないだろうか。
今回は、劇中のキーアイテムであるブルーダイヤに引っ掛けて、「チャイナ・ブルー」をチョイス。
ライチ・リキュール30mlとブルー・キュラソー10ml、グレープフルーツジュース80mlをステアして完成。
好みでグレープフルーツを減らしてトニックウォーターを加えても良い。
透き通った青が美しい、夏向きのカクテルだ。
そう言えば「シャングリラの目」が桃源郷への入り口を示すシーンは、まんま「天空の城ラピュタ」だった。
キング・ギドラからラピュタまで、東洋が舞台になったからか、日本映画からの引用も多かったかも。
良くも悪くもごった煮のハリウッド映画である。
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い

その中で、もっとも荒唐無稽かつ何でもあり、という成り立ちで、確固たるポジションを築いたのが、スティーブン・ソマーズの生み出した「ハムナプトラ・シリーズ」だろう。
今回、「インディ」復活の盛り上がりにチョイ相乗りとばかりに、七年ぶりに登場した「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」は、映像の派手さと話のぶっ飛び具合は相変わらずながら、前二作とは微妙に雰囲気が異なる。
1946年。
冒険の時代は過去へ去り、リックとエヴリンのオコーネル夫妻は悠々自適ながら少し退屈な生活を送っていた。
そんな時、外務省から、「シャングリラの目」と呼ばれる巨大なブルーダイヤを、中国に返還する役目を依頼された夫妻は、遠路上海に赴く。
同じ頃、リックの息子であるアレックスは、呪いによって封じられた中国の初代皇帝の墓の発掘に成功。
皇帝の復活を目論む軍閥のヤン将軍は、皇帝にかけられた呪いを解く鍵である「シャングリラの目」を狙って上海のオコーネル夫妻を襲うのだが・・・
「ハムナプトラ」という邦題は、一作目に出てくる古代の死者の都の名前なので、エジプトが舞台の前二作ならともかく、今回の様な内容だとさすがに無理がある。
最初から素直に「The Mummy」にしておけば良かったのに。
物語の舞台は北京オリンピック開催に合わせたかの様に、第二次大戦直後の中国。
ジェット・リー扮する封印された古代中国の邪悪な皇帝が、Mummy(ミイラ)として復活。
現代中国の征服に乗り出し、例によってブレンダン・フレイザー演じるリックとエヴリンのカップルが阻止するというお話は、ぶっちゃけ前二作の焼き直しだ。
今回はこれまたインディに合わせたかの様に、二人の息子が成長して、主役の一角を占めているあたりが新機軸と言えば新機軸だが・・・
元々このシリーズは、一作目の生みの親であるスティーブン・ソマーズが、1932年に作られた古典ホラー「ミイラ再生」をモチーフに、発展的リメイクとして作り出した物。
今回ソマーズはプロデューサーに名を連ねているものの、実質的には外れ、変わってロブ・コーエンが監督している。
この人は「トリプルX」などでアクション物には定評があるし、中国関連では1993年に「ドラゴン/ブルース・リー物語」という傑作を放っているので、ある意味ピッタリの人選に思える。
しかしながら、私にはやはりソマーズが抜けたのが作品の出来栄えに影を落としているように見えた。
元々このシリーズの売り物はVFXを駆使したスペクタクルな映像と、ソマーズらしいユーモアのセンスにあったはず。
だからこそ元々コメディ色の強いブレンダン・フレイザーが主役のリックに抜擢されたのだろうし、妻のエヴリンと兄のジョナサンの三人が繰り広げるお笑い冒険旅行はなかなか楽しかった。
今回は画の派手さは及第点だが、演出家のスタイルが異なるために以前に比べてコミカルな描写が少なく作品の印象が妙に硬質だ。
完全なコミックリリーフであった、ジョナサンなど手持ち無沙汰な様子だし、レイチェル・ワイズからマリア・ベロに変わったエヴリンも今ひとつ目立たない。
「ハムナプトラ」的な物を、一生懸命作ろうとしてはいるものの、笑いのセンスがないために、全体に滑り気味の様に思える。
物語の方も複雑な設定を作ってあるのに、ストーリーラインの組み方が雑なために、それほどドラマチックにつながって来ない。
皇帝と魔法使いツイ・ユアンとミン将軍の三角関係はまあ良いとしても、軍閥のヤン将軍は皇帝を現在に蘇らせて何をするつもりだったのだろうか。
弾丸一発で粉々になってしまう泥の軍団など、二十世紀には何の役にも立たない気がするのだが。
ちなみに悪の皇帝はどう見ても始皇帝なのだが、さすがに中華帝国の創始者を邪悪なミイラ呼ばわりするのは遠慮したのか、一応架空の人物という事になっている。
この皇帝も、せっかくジェット・リーをキャスティングしているのに、彼の功夫アクションが生かされる場面が殆ど無いのもいかがなものか。
二作目のロック様よろしく、スコーピオン・キングならぬキング・ギドラもどきの三頭龍に変身したりするのだが、ファンが見たいのはそんなんじゃなくて、彼の超人的な肉体を使ったアクションなんだと思うのだけど。
せっかくミッシェル・ヨーとの競演まで用意しているのに、二人のアクションの絡みが殆ど無いのももったいない。
「ハムナプトラ3/呪われた皇帝の秘宝」は、面白くなりそうな材料は盛り沢山なのだが、どうもそれを上手く料理できていない。
見所はほぼCGによる派手なスペクタクル映像のみで、芸達者な役者たちのおかげもあって、それだけでも楽しんで観られるものの、ユーモアというスパイスを失ったこの作品は、前作までの味わいをどこか失ってしまった。
アクション映画としての見せ場は、内容的に微妙にかぶる「ドラゴン・キングダム」の方が数段上だったと思う。
ロブ・コーエンとしては、妙にソマーズの世界を引きずるよりは、もちょっと自分流の「ハムナプトラ」に軌道修正してしまったほうが良かったのではないだろうか。
今回は、劇中のキーアイテムであるブルーダイヤに引っ掛けて、「チャイナ・ブルー」をチョイス。
ライチ・リキュール30mlとブルー・キュラソー10ml、グレープフルーツジュース80mlをステアして完成。
好みでグレープフルーツを減らしてトニックウォーターを加えても良い。
透き通った青が美しい、夏向きのカクテルだ。
そう言えば「シャングリラの目」が桃源郷への入り口を示すシーンは、まんま「天空の城ラピュタ」だった。
キング・ギドラからラピュタまで、東洋が舞台になったからか、日本映画からの引用も多かったかも。
良くも悪くもごった煮のハリウッド映画である。

記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い

スポンサーサイト
| ホーム |