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X-ファイル:真実を求めて・・・・・評価額1350円
2008年09月02日 (火) | 編集 |
1993年から2002年にかけて、全201話が放送された「X-ファイル」は、間違いなくテレビ史上に残る傑作シリーズであった。
科学では説明のつかない超常現象を専門に扱うFBI捜査官、モルダーとスカリーの活躍を通して、謎が謎を呼ぶ形で世界観が広がる独特の作風は、テレビドラマの世界に絶大な影響を与え、現在に至るまで多くのフォロワーを生み出した。
1998年には、劇場版である「X-ファイル:ザ・ムービー」が公開され、これまた大ヒットしたのも記憶に新しい。
しかしながら、テレビシリーズは21世紀に入った頃から息切れが激しく、最後は全盛期の人気を失って行ったのもまた事実。
もちろん、熱烈なファンはいまだに多いだろうが、放送終了から6年も経って登場した劇場版第二作「X-ファイル:真実を求めて」は、何故今になって続編なのか?という疑問を多くの人に抱かせることだろう。

ウエストバージニアでFBI捜査官の女性が失踪する事件が起こる。
あるカソリック病院に医師として勤務しているスカリー(ジリアン・アンダーソン)の元に、FBIのドラミー捜査官(イクズィビット)が訪れ、行方をくらましているモルダー(デヴィッド・ドゥカヴニー)に捜査協力の要請を伝えてくれるよう依頼する。
モルダーとスカリーは、超能力者であるジョー神父(ビリー・コノリー)と共に、事件を追う事になるのだが・・・


色々な意味で、意外性のある作品であった。
テレビシリーズを御覧になった事のある方はお判りだろうが、「X-ファイル」は基本的には一話完結だが、シリーズ全体を通して描かれる大きなドラマの流れがある。
それはモルダーが少年の頃に失踪した妹サマンサと、宇宙人を巡る物語だ。
彼は妹の失踪は宇宙人による誘拐だと信じており、それを止められなかった事をトラウマとして抱えている。
サマンサの行方を捜すために、UFOの存在を隠蔽する政府の陰謀と戦い、真実を解き明かそうとしており、その一環としてFBIの超常現象事件簿、「X-ファイル」を手がけているのだ。
つまり、このシリーズは、モルダーが真実を追究する長大な物語が基本にあり、その過程で出会ってきた様々な超常現象が各エピソードとして描かれるという構造を持っている。
10年前の最初の劇場版も、この宇宙人ネタの延長として描かれており、今回の第二作も当然そうなのだろうと思っていたが、意外にも全く独立したエピソードで、かろうじてサマンサには言及されるものの、宇宙人関連の話は全くと言って良いほど出てこない。

今回の話は、失踪した女性たちを追うモルダーたちが、ある異常な医療犯罪と戦う物語であり、その過程でジョー神父の超能力を巡り、モルダーとスカリーの間で真実を巡る葛藤が描かれる。
ウリである超常現象的な部分さえも、事件の謎の一部とジョー神父くらいで、全体にテレビの一話完結のエピソードの拡大版という感が強い。
正直なところ、映画的なスケール感は、SF大作の風格を持っていた劇場版一作目と比べても格段に小さく、この作品をきっかけに新たな展開を期待していたファンにとっては、肩透かしの内容かも知れない。
もっとも、シリーズ産みの親であるクリス・カーターフランク・スポトニッツが脚本を書き、カーター自身がメガホンを取った本作は、よくよく噛み砕けば、これはこれではなかなか興味深い内容を含んでいる。

テレビシリーズ終了から6年、モルダーもスカリーも既にFBIを辞めていて、スカリーは医師として医療現場に復帰し、モルダーにいたってはFBIが自分を逮捕しようとしていると思い、ひっそりと隠遁生活を送っている。
連続失踪事件への協力という形で現場復帰した二人は、超能力者であるジョー神父と共に真実を追う事になるのだが、このジョー神父こそが本作のテーマを際立たせるキーパーソンだ。
神父の能力に対するモルダーとスカリーのスタンスは例によって正反対となるのだが、これは単なる超常現象への解釈という以上に、二人の生き方にとっての重要な葛藤を含んでいるのである。
そんな二人は、テレビ版ではありそうで遂に無かった恋人関係になっている。
つまり彼らは今、共に帰る家があるのである。
事件の謎解きとは別に、神父との関わりを通して、二人は今後自分たちがどう生きて行くべきなのかという深刻なテーマに直面し、苦悩する。
この作品の邦題には「真実を求めて」という副題がついているが、原題は「I want to believe(私は信じたい)」となっている。
信じて前に進むか、信じずにそこに留まるか、「X-ファイル」という居場所を失った二人にとって、これは何を人生の真実として求めるのかを正面から描いた心理劇と言える作品なのである。

裏を読めば、劇中の二人と同じように、長年人生をシリーズに捧げてきたクリス・カーターやデヴィッド・ドゥカヴニー、ジリアン・アンダーソンらにとっても、「X-ファイル」後の人生を、これからどう生きてゆくべきなのかという内輪なテーマに通じる様に思う。
これは物語の作り手たちが、現実と物語の折り合いをつけるために作ったいわば私小説的な作品なのかもしれない。
たぶん、この映画に描かれている内容は、シリーズを最初から観て、ある程度登場人物の過ごして来た15年間の歴史を、生の時間として捉えられる人にしか伝わらないだろう。
もちろん、一本の猟奇サスペンス映画として観ても、なかなか良く出来ているし、特にこのシリーズに思い入れが無かったとしても、決して飽きる事は無いと思う。
ただ、やはりこれはテレビの延長線上にある「X-ファイル」の後始末、エピローグ的な物語であり、長年のファンが観ればこそ、深みのある作品である事は間違いないのではないか。
作品の作りから言っても、おそらく「X-ファイル」はこれで見納めだろう。
一見さんには薦められないが、シリーズに思い入れのある人には、映画館で観てもらいたい一作である。

「X-ファイル」といえばテレビのオープニングクレジットの「Truth is out there(真実はそこにある)」というキャッチが有名だが、今回はそのものズバリな名前のお酒を。
福島県は豊国酒造のその名も「真実」をチョイス。
蔵元の娘さんの名前からとられたそうだが、吟醸酒らしい華やかな吟醸香が広がり、まろやかで芳醇な女性的なテイスト。
特に強い特徴は無いが、飲み飽きる事の無い酒だ。

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