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2008年09月05日 (金) | 編集 |
夏の終わりに、祭りの季節を笑いで〆たくなるのは洋の東西を問わない欲求らしい。
日本の夏のトリを飾ったのがクラウザーさんなら、全米のサマーシーズンで圧倒的な強さを誇った「ダークナイト」の5週連続1位を阻んだのが、ベン・スティラー主演の「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」だ。
少々濃すぎるキャラクターのためか、日本ではイマイチ人気が無かったスティラーだが、前作の「ナイトミュージアム」がヒットして、段々と認知度も上がってきた。
今回、自ら監督・脚本も兼ねて作り出したのは、ベトナム戦争映画のパロディであり、またハリウッドの楽屋落ちネタ満載の、正に抱腹絶倒の笑いの爆弾だ。
なんと「太陽の帝国」に出演した時に思いついて以来、構想二十年の念願の企画だそうである。
落ち目のアクションスター、ダグ・スピードマン(ベン・スティラー)は、フォー・リーフ・ティバック(ニック・ノルティ)と呼ばれるベトナム帰還兵の書いたノンフィクション作品の映画化を撮影中。
しかし監督のダミアン・コックバーン(スティーブ・クーガン)は、超個性的な俳優たちを纏め切れず、撮影中のアクシデントで大幅な予算超過もあって、現場は空中分解寸前。
ティバックの提案で、コックバーンはダグら五人の俳優をヘリコプターでジャングルに連れ出し、隠しカメラでドキュメンタリー風にゲリラ撮影しようとするのだが、実はそこは麻薬組織のゲリラが出没する本物の戦場だった・・・
最近はすっかりイラク戦争物にお株を奪われた感があるが、ベトナム戦争映画は、7~80年代のハリウッド映画の定番の一つであり、「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」など、映画史に残る傑作が綺羅星のごとく並ぶ。
この作品は、そんなベトナム戦争物を制作しているハリウッドの舞台裏をモチーフにしたパロディ映画の一種だが、それだけではない。
映画のはずがいつの間にか本物に、というこれまたハリウッドコメディの定番設定を組み合わせる事で、映画制作の舞台裏をギャグのネタとして取り込み、現実とフィクションの垣根を取り払った、ある意味でかなり自虐的な要素を含む新しい笑いを生み出している。
とにかく全編に仕掛けられたギミックが満載で、まずは本編が始まるまでに仕掛けがある。
妙に予告編が長いなあと思ったら、この作品のキャラクターを使ったフェイクの予告編が流されているではないか。
しかもこれが、本編に出演していない大物俳優まで使った凝りに凝った物で、一見すると普通の映画の予告と勘違いしそうになる。
もちろんこの予告編集も、本編の複線になっているので、ボーっとして見逃さない様に。
1本のフェイクCMと3本のフェイク予告という前フリが終わって、ようやく「地獄の黙示録」と「プラトーン」を合わせたような、「トロピック・サンダー」の幕が開く。
本作の主人公、ダグ・スピードマンはアクション映画「スコーチャー」で人気者になった俳優だが、演技派に転進を狙って知的障害者を演じた「シンプル・ジャック」が大不評で、一気に世間の笑いものになってしまう。
そして起死回生の一発を狙って出演しているのがベトナム戦争映画の「トロピック・サンダー」という訳だ。
彼の共演者は、ジャック・ブラック演じる、超お下品な下ネタコメディアンのジェフ・ポートノイや、ロバート・ダウニーJr.演じる、アカデミー賞を五回も受賞した名優カーク・ラザラスなど一癖も二癖もある連中。
この豪華な面々が、映画の撮影だと思って、いつの間にかゲリラ相手の本物の戦争に巻き込まれていくというのが本作の骨子だが、この作品には他にも多くの有名人が俳優として、あるいは本人として登場しており、正にオールスターキャストと言って良い。
面白いのはスティラー、ブラックらコメディ系が一目で本人とわかるキャラクターに配されているのに対して、ダウニーJr.やトム・クルーズらシリアス系(?)の俳優はぱっと見一体どこに出ているのか判らない様になっている。
メガヒットの「アイアンマン」に続いて本作と、珍しく純娯楽映画に続けて出演のダウニーJr.は、白人なのに皮膚手術を受けてまで黒人を演じるというエキセントリックなやり過ぎ演技派俳優を演じて、強烈なインパクトを与える。
しかし、エンドクレジット観るまで、本当にどこに出ているのかわからないトム・クルーズの化けっぷりは更にその上を行く笑撃さで、ファンにはショックかもしれないが、ある意味これは彼の新たな魅力を引き出したのかも・・・
超オバカな芸能エージェントを演じるマシュー・マコノヒーを含め、「え?この人こういうキャラだっけ・・・」という様な役柄をあえてやらせて、本人とのギャップを楽しもうという志向で、さすがベン・スティラー監督は俳優のいじり方をよくわかっている。
元々彼は「リアリティ・バイツ」などで、監督として先に頭角を現した人で、この作品では最初から最後まで錚々たるメンバーをいじり倒し、演出家としてもノリノリの悪ノリっぷりを見せる。
たぶん、本人もやっていて凄く楽しかったのではないだろうか。
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」は、言わばシェフが自らを料理してメインディッシュとして皿に盛り付けてしまった様な、過激な創作料理。
このハイテンションにはっちゃけたコメディは、なかなか日本人には真似できない世界で、人によってはしつこく感じてしまうかもしれない。
しかし1時間47分の間、文字通り熱帯の雷のごとく押し寄せる笑いの絨毯爆撃は、文句なしに腸がねじ切れる可笑しさで、コテコテのアメリカンギャグでお腹いっぱいにしてくれる。
ハリウッドの楽屋落ちネタ満載も楽しく、ある種の祭り気分で観に行くにはピッタリだろう。
ただ残念なのは11月という日本公開時期。
ノリ的には完全な夏のバケーション映画で、11月という季節とはイメージ的に最もかけ離れた作品なのは間違いなく、出来れば日本でも夏に同時公開して欲しかった。
映画にも旬というものがあると思うのだけど。
今回は悪乗りついでに、インパクトのあるネーミング世界一の「セックス・オン・ザ・ビーチ」をチョイス。
本作で新境地に達した(?)トム・クルーズ主演の「カクテル」で有名になったカクテルだが、ウォッカと果実系リキュールを複数組み合わせた味わいは正に甘~いロマンスの味。
ウォッカ20ml、メロンリキュール20ml、クレーム・ド・フランボワーズ10ml、パインジュース80mlをステアする。
名前ほど過激さは無く、飲みやすいデザートカクテルだ。
映画が濃いので、鑑賞後はこのぐらいで良かろう。
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日本の夏のトリを飾ったのがクラウザーさんなら、全米のサマーシーズンで圧倒的な強さを誇った「ダークナイト」の5週連続1位を阻んだのが、ベン・スティラー主演の「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」だ。
少々濃すぎるキャラクターのためか、日本ではイマイチ人気が無かったスティラーだが、前作の「ナイトミュージアム」がヒットして、段々と認知度も上がってきた。
今回、自ら監督・脚本も兼ねて作り出したのは、ベトナム戦争映画のパロディであり、またハリウッドの楽屋落ちネタ満載の、正に抱腹絶倒の笑いの爆弾だ。
なんと「太陽の帝国」に出演した時に思いついて以来、構想二十年の念願の企画だそうである。
落ち目のアクションスター、ダグ・スピードマン(ベン・スティラー)は、フォー・リーフ・ティバック(ニック・ノルティ)と呼ばれるベトナム帰還兵の書いたノンフィクション作品の映画化を撮影中。
しかし監督のダミアン・コックバーン(スティーブ・クーガン)は、超個性的な俳優たちを纏め切れず、撮影中のアクシデントで大幅な予算超過もあって、現場は空中分解寸前。
ティバックの提案で、コックバーンはダグら五人の俳優をヘリコプターでジャングルに連れ出し、隠しカメラでドキュメンタリー風にゲリラ撮影しようとするのだが、実はそこは麻薬組織のゲリラが出没する本物の戦場だった・・・
最近はすっかりイラク戦争物にお株を奪われた感があるが、ベトナム戦争映画は、7~80年代のハリウッド映画の定番の一つであり、「ディア・ハンター」や「地獄の黙示録」「プラトーン」「フルメタル・ジャケット」など、映画史に残る傑作が綺羅星のごとく並ぶ。
この作品は、そんなベトナム戦争物を制作しているハリウッドの舞台裏をモチーフにしたパロディ映画の一種だが、それだけではない。
映画のはずがいつの間にか本物に、というこれまたハリウッドコメディの定番設定を組み合わせる事で、映画制作の舞台裏をギャグのネタとして取り込み、現実とフィクションの垣根を取り払った、ある意味でかなり自虐的な要素を含む新しい笑いを生み出している。
とにかく全編に仕掛けられたギミックが満載で、まずは本編が始まるまでに仕掛けがある。
妙に予告編が長いなあと思ったら、この作品のキャラクターを使ったフェイクの予告編が流されているではないか。
しかもこれが、本編に出演していない大物俳優まで使った凝りに凝った物で、一見すると普通の映画の予告と勘違いしそうになる。
もちろんこの予告編集も、本編の複線になっているので、ボーっとして見逃さない様に。
1本のフェイクCMと3本のフェイク予告という前フリが終わって、ようやく「地獄の黙示録」と「プラトーン」を合わせたような、「トロピック・サンダー」の幕が開く。
本作の主人公、ダグ・スピードマンはアクション映画「スコーチャー」で人気者になった俳優だが、演技派に転進を狙って知的障害者を演じた「シンプル・ジャック」が大不評で、一気に世間の笑いものになってしまう。
そして起死回生の一発を狙って出演しているのがベトナム戦争映画の「トロピック・サンダー」という訳だ。
彼の共演者は、ジャック・ブラック演じる、超お下品な下ネタコメディアンのジェフ・ポートノイや、ロバート・ダウニーJr.演じる、アカデミー賞を五回も受賞した名優カーク・ラザラスなど一癖も二癖もある連中。
この豪華な面々が、映画の撮影だと思って、いつの間にかゲリラ相手の本物の戦争に巻き込まれていくというのが本作の骨子だが、この作品には他にも多くの有名人が俳優として、あるいは本人として登場しており、正にオールスターキャストと言って良い。
面白いのはスティラー、ブラックらコメディ系が一目で本人とわかるキャラクターに配されているのに対して、ダウニーJr.やトム・クルーズらシリアス系(?)の俳優はぱっと見一体どこに出ているのか判らない様になっている。
メガヒットの「アイアンマン」に続いて本作と、珍しく純娯楽映画に続けて出演のダウニーJr.は、白人なのに皮膚手術を受けてまで黒人を演じるというエキセントリックなやり過ぎ演技派俳優を演じて、強烈なインパクトを与える。
しかし、エンドクレジット観るまで、本当にどこに出ているのかわからないトム・クルーズの化けっぷりは更にその上を行く笑撃さで、ファンにはショックかもしれないが、ある意味これは彼の新たな魅力を引き出したのかも・・・
超オバカな芸能エージェントを演じるマシュー・マコノヒーを含め、「え?この人こういうキャラだっけ・・・」という様な役柄をあえてやらせて、本人とのギャップを楽しもうという志向で、さすがベン・スティラー監督は俳優のいじり方をよくわかっている。
元々彼は「リアリティ・バイツ」などで、監督として先に頭角を現した人で、この作品では最初から最後まで錚々たるメンバーをいじり倒し、演出家としてもノリノリの悪ノリっぷりを見せる。
たぶん、本人もやっていて凄く楽しかったのではないだろうか。
「トロピック・サンダー/史上最低の作戦」は、言わばシェフが自らを料理してメインディッシュとして皿に盛り付けてしまった様な、過激な創作料理。
このハイテンションにはっちゃけたコメディは、なかなか日本人には真似できない世界で、人によってはしつこく感じてしまうかもしれない。
しかし1時間47分の間、文字通り熱帯の雷のごとく押し寄せる笑いの絨毯爆撃は、文句なしに腸がねじ切れる可笑しさで、コテコテのアメリカンギャグでお腹いっぱいにしてくれる。
ハリウッドの楽屋落ちネタ満載も楽しく、ある種の祭り気分で観に行くにはピッタリだろう。
ただ残念なのは11月という日本公開時期。
ノリ的には完全な夏のバケーション映画で、11月という季節とはイメージ的に最もかけ離れた作品なのは間違いなく、出来れば日本でも夏に同時公開して欲しかった。
映画にも旬というものがあると思うのだけど。
今回は悪乗りついでに、インパクトのあるネーミング世界一の「セックス・オン・ザ・ビーチ」をチョイス。
本作で新境地に達した(?)トム・クルーズ主演の「カクテル」で有名になったカクテルだが、ウォッカと果実系リキュールを複数組み合わせた味わいは正に甘~いロマンスの味。
ウォッカ20ml、メロンリキュール20ml、クレーム・ド・フランボワーズ10ml、パインジュース80mlをステアする。
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