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アイアンマン・・・・・評価額1550円
2008年10月04日 (土) | 編集 |
未曾有のアメコミ原作物ラッシュとなった2008年夏。
本国ではその先陣を切って大ヒットしたにもかかわらず、原作の知名度の低さからか日本では4ヶ月も待たされた「アイアンマン」が、ようやく公開となった。
「ダークナイト」の深さは微塵もないが、さすがに全世界で6億ドル近い興行収入を叩き出しただけあり、老若男女客層を問わない娯楽大作としてはかなり良く出来ている。

軍需企業スターク・インダストリーズの二代目CEOにして、天才技術者のトニー・スターク(ロバート・ダウニーJr.)は、アフガニスタンでの新型ミサイルのお披露目試射の帰路、武装勢力に誘拐されてしまう。
デモンストレーションをしたのと同じミサイルを作れと迫られるスタークだが、それを作るフリをしながら、材料を流用してパワード・スーツを作り、脱出に成功する。
自ら作り出した兵器によって、多くの人の血が流されている事を知ったスタークは、自社の軍需産業からの撤退を発表。
アフガンで開発したパワード・スーツが、平和維持の鍵になると考えたスタークは、一人屋敷にこもってスーツの改良作業に没頭する。
しかし、スタークはいつのまにか恐ろしい陰謀に巻き込まれていた・・・


ミサイルをオーダーしたのに、全く形の違うパワード・スーツを作られても、作業の最終段階まで気が付かないタリバンもどきのゲリラ集団はかなりマヌケ。
原作は未読なのだが、元々は60年代に描かれた物だけあって、ベトコンに捕まる設定になっているらしい。
まあ40年もたって、まだ同じ設定が通用するあたり、相変わらずアメリカは戦争ばっかりやっていたのだなあという気分になってしまうが、このアフガンという現在進行形の戦争のエピソードが、一見荒唐無稽な物語にある種のリアリティを与えているのも確かだ。
自分の作り出した兵器によって、自分が命の危険にさらされるスタークの皮肉は、結局兵器産業から撤退した後も、アイアンマンという力の象徴を作り出すことで継続される。
力に頼る限り、その循環から逃げられないというニヒリズムは、作り手が意図したものかどうかは別として、派手なビジュアルと表面的な浅いテーマに対して、ちょっとした裏テーマというか哲学性を与えている。

もっとも、そんな深読みをせずとも、冒頭のアフガンのエピソードから、クライマックスのロボットバトルまで、VFXを駆使したアクションを観ているだけで十分に楽しめる。
ジョン・ファヴロー監督は、派手なビジュアルで飾られた格好の良い映像の合間に、適度なユーモアを挟み込み、一本調子になるのを防いでいる。
特にテクノロジーヲタクであるスタークの幼児性を強調した部分は楽しく、研究室の組み立てロボットとのコントみたいなやり取りは笑える。
アイアンマンのデザインや色に拘ったりするのも、なんとなくプラモ感覚で、空を飛べた時の無邪気な喜び様も含めて、確かにエンジニアってこういうタイプが多いかもと、キャラクターに妙なリアリティがあるのだ。

アイアンマンことトニー・スタークを、この手の映画は一番似合わないロバート・ダウニーJr.が演じているのも本作の話題の一つだが、実際に観てみると、なるほどこの役は彼にピッタリ。
何しろスタークという男は、他のアメコミ・ヒーローの様なタイツスーツで強調された筋骨隆々の体を持つわけでもなく、科学を超えたスーパーパワー持つわけでもない。
気分屋でエゴイストで女たらしの二代目ボンボンで、理想主義者のメカヲタクという異色のヒーローは、彼のような演技派こそ相応しい。
また物語的にはお飾りの域を出ないグウィネス・パルトロウ扮するヒロインも、彼女独特の飄々とした雰囲気が強調され、唯我独尊状態のスタークと良いコントラスト。
メインの登場人物は彼らを含めてわずか4人、後はアフガンのエピソードに敵味方一人ずつと、ぎりぎりまで絞り込まれており、人間的なリアリティとコミック的なカリカチュアもバランスよく、キャラは全員うまく立っている。

「アイアンマン」は、大人も子供も楽しめるSFアクションの快作と言える。
ストレートにヒーローの活躍に喝采を送るもよし、ひねくれた設定を裏読みしてニヤリとするもよし。
いくら出来が良くても「ダークナイト」はさすがに暗すぎるという、正しいアメコミファンには特にお勧めだ。
ただ、陰謀の黒幕である悪のボスキャラが結局何をやりたかったのか良く判らないのは、作劇上の大きなマイナスポイントだ。
クライアント全部を敵に回して、自分専用パワード・スーツを作ったところで、彼には何のメリットも無い様な気がするのだが。

ちなみに、原作の描かれた60年代には考えもつかなかっただろうが、現在人間が装着するパワード・スーツは主に日米で開発が進められ実用化間近の段階にあり、特にアメリカのはバリバリの軍事用である。
また先日、ジェットエンジン付きのウェアラブル・ウィングを開発したスイス人の男性が、
ドーバー海峡を横断したというニュースもあり、この映画に登場するテクノロジーは既に100%荒唐無稽とは言えず、現在においては一定の説得力がある。
近い将来、現実世界に空飛ぶアイアンマン軍団が登場するのかもしれない。

今回は、カリフォルニアから「アイアンマン」じゃなくて「アイアン・ホース」のピノ・ノワール2006年ものを。
国防総省ならぬホワイトハウス御用達のスパークリングワイン、のウエディング・キュヴェで有名な銘柄だが、赤もおいしい。
桃を思わせる柔らかな果実香りが楽しめる芳醇でエレガントなワイン。
とても飲みやすいのも特徴だ。

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