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ダイアリー・オブ・ザ・デッド・・・・・評価額1250円
2008年11月15日 (土) | 編集 |
ジョージ・A・ロメロ監督の、ライフワークとも言うべき「リビングデッド」物の最新作。
伝説的な「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」から「ランド・オブ・ザ・デッド」までの四作は、製作された年度に応じた飛躍はあるものの、基本的に同じ世界観の中で展開する物語だったが、今回の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」はやや毛色が異なる。
全体がフェイクドキュメンタリーの構成となっており、今までのシリーズ+ 「クローバーフィールド」という感じだ。

大学の映画学科の学生、ジェイソン(ジョシュ・クローズ)たちは森でホラー映画の撮影中、ラジオで奇妙なニュースを聞く。
各地で死者が蘇り、人々を襲っていると言う。
不安を感じたジェイソンたちは、メンバーのメアリー(タチアナ・マスラニー)の車で彼女の実家へ向かう事にするが、途中で生ける死者「リビングデッド」と遭遇し、車でひき殺してしまう。
メアリーは罪の意識から自殺を図り、ジェイソンたちは瀕死の彼女を救うために病院にやって来るのだが、そこは既に生きている者はいなかった。
大手マスメディアはパニックを恐れてか、虚偽の報道を繰り返しているが、ネットには世界中の人々が真実の映像を次々とアップしていた。
ジェイソンは、自らも事件を記録する使命感に駆られるのだが・・・


1968年に作られた「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」では、ラストシーンで唯一生き残った黒人男性が、リビングデッドと間違えられて白人のハンターたちにあっけなく射殺される。
低予算ホラー映画ではあったものの、当時ピークを迎えていた公民権運動に絡め、人種差別の問題をカリカチュアした秀逸な社会派映画でもあった。
続く「ゾンビ(ドーン・オブ・ザ・デッド)」では、リビングデッドに囲まれた巨大ショッピングモールを舞台に、消費文明の歪みを描き出し、冷戦末期に作られた「死霊のえじき(デイ・オブ・ザ・デッド)」には、軍人と科学者の対立を軸に、実は人間の不寛容が一番恐ろしいというテーマがあった。
このシリーズは、やや薄味のエンタメとして蘇った「ランド・オブ・ザ・デッド」も含めて、常に反権力的な社会派なテーマを「死者が蘇った世界」に投影することで比喩的に描いてきた。

今回の「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」でロメロが描こうとしているのは、情報が溢れすぎて、世界の真実の姿が見えにくくなっている現実への恐れだろうか。
果たして、この世界における真実とは何か?
テレビやラジオなどの大手メディアは、多すぎる情報をコントロールしようとするが、使命感に駆られた一般の人々がネットという武器を使って真実を明かそうとする。
この作品の主人公であるジェイソンもその一人であり、基本的に一人称のカメラによるフェイクドキュメンタリーという形をとっているのも、情報という物を象徴的に描くためだろう。

なるほど、いかにもロメロらしく、テーマとしては面白い。
しかし、正直なところこの映画のメディア感というか、ロメロ流の世界の感じ方は少々古臭く感じた。
大手メディアがブッシュ政権の嘘にコロリとだまされて大儀なき戦争に加担し、YouTubeなどの動画配信サービスが新しい情報発信ツールとして脚光を浴びていた数年前なら、タイムリーな作品だったかもしれないが、今やネット世界は真実と虚構が交じり合うメルティングポットの様な状態なのは誰もが知る事で、決してこの映画のように単純に割り切れるイメージではない。

またフェイクドキュメンタリーとしても、作り込みがやや中途半端だ。
途中からカメラが二台になることもあるが、明らかに演出を感じさせるカット割りが目立ったり、プロを感じさせるきっちりとした止めの画があったり、ハンディ感があまりない。
主人公らが映画学科の学生で、「クローバーフィールド」の様に全くのド素人という設定ではないという事を差し引いても、狙いを考えるとライブ感の欠落は大きなマイナスポイントだろう。

さらに、客観的な視点を強調して撮った事で、映画の嘘もかえって目立ってしまった。
一般的なホラー映画なら、まあお約束という事で気にならない、登場人物が危険に対してあまりにも無防備でマヌケすぎる事とか、非合理的な行動をとる事が気になってしまう。
彼らが、死者が蘇っているという普通ならネタとしか思えない話を、たった一つのラジオニュースで聞いただけで、不安に駆られて実家へ向かうのもあまり説得力を感じないし、死者が蘇り始めてから一日か二日で世界が崩壊してしまうのはいくらなんでも早すぎる。
少なくとも火葬の日本では、蘇れる死体の数などたかが知れている(笑
東京発のニュースを流すなら、日本の葬儀習慣くらいは調べて欲しかった。
そもそも、テレビ局やラジオ局が全滅しているという状況なのに、電気の供給やネット接続サービスだけは途切れないなどと言うことはありえないだろう。
「生ける死者たち」は、三大ネットワークは襲っても、YouTubeやYahooは襲わないでくれているのだろうか(笑

あくまでも、自分の作り出した稀有な世界観にこだわって、社会性のあるテーマを撮り続けるというロメロの拘りは買うが、正直今回の作品はスタイルに凝り過ぎてしまって、やりたい事と結果が空回りしている感が強い。
殆ど学生たちの心理劇の様相なので、リビングデッドとのスプラッターな攻防戦も僅かしか描かれず、そちらを期待してくる観客にもやや消化不良を感じさせるだろう。
普通の劇映画として描いた方が、より自由度の高い演出が出来たと思うが、たぶんドキュメンタリー映画の流行をみて影響されちゃったんだろうなぁ・・・
演出家には向き不向きがあると思うのだけど。

さて、リビングデッドといえば、日本ではゾンビと訳される事が多い。
ゾンビと言えば、ハイチのブードゥー教の呪術の産物。
という訳でハイチ産のラム「バンバンクール」の15年ものをチョイス。
フランス人のバンバンクールが、コニャックの蒸留法を持ち込んで150年ほど前に作り出した酒。
香り豊かでコクのある上質なラムで、これを飲めばたぶんゾンビでも酔いつぶれるだろう。

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