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WALL・E / ウォーリー・・・・・評価額1650円
2008年11月20日 (木) | 編集 |
ウォーリーと言っても、あのメガネでシマシマの服の人ではない。
「Waste Allocation Load Lifter Earth-Class」の頭文字をとったウォーリーは、ピクサー・アニメーションスタジオの最新作「WALL・E / ウォーリー」の主人公で、人類の去った地球を綺麗にするために、700年もの間一人ぼっちでゴミ集めをしていたロボット。
意外にもピクサーとしては9本目の長編にして初のSFとなる本作は、前半はほぼ二体のロボットだけで物語が進行し、ロボットが自分の名前を言う意外に台詞が無いなど、内容的にも非常に冒険的な作品となっている。

人類が地球そのものを浪費しつくし、巨大なゴミ貯めとなった故郷を放棄してから700年。
ロボットのウォーリー(ベン・バート)は、たった一人で今日も働く。
何時の日か人類が帰還する時のため、地球に残された何千と言うゴミ処理ロボットの最後の一体だ。
彼は毎日何時果てるともないゴミの山を、少しずつ処理して積み上げる。
友達は、一匹のゴキブリだけ。
幸せだった頃の人類が残した映画「ハロー、ドーリー!」のビデオを見て、ウォーリーは何時の日か、自分以外の誰かと手をつなぐ事を夢見ている。
そんなある日、地球に一隻の宇宙船がやって来て、ツルツルした卵のようなロボットを残してゆく。
ちょっとでもキケンを感じると、容赦なく熱線ビームをぶっぱなす、その美しくも物騒なロボットは、イヴ(エリッシャ・ナイト)と名乗った。
初めて出来たロボットの友達と、幸せな日々を過ごすウォーリー。
しかしある時、ウォーリーが偶然見つけた植物の苗を見たイヴは、それを体内に取り込んで突然機能を停止してしまう。
そして、イヴを回収するために、あの宇宙船がやって来るのだが・・・


前半と後半で、物語のタッチが大きく異なり、まるで二部構成の様になっている。
廃棄された地球を舞台に、二台のロボット(と一匹のゴキブリ)の生活を描く前半は、言ってみれば異色のラブストーリー
たった一人で過ごした700年の間に、ウォーリーには「感情」という奇跡が芽生えている。
あえて言葉は封印され、廃墟とゴミに溢れた世界を背景に、ゴキブリを立会人にした詩情あふれる物語は、そこに深遠な哲学すら感じさせる見事な出来栄え。
見るからに最新ハイテクなイヴに対して、ボロボロで無骨なデザインのウォーリーは、いわば美女と野獣の関係で、明確な表情すら持たないロボットを主人公に、これほどわかりやすく喜怒哀楽を感じさせるのだから、とてつもない演出力である。
その映像的なアプローチは非常に実写的で、ライブアクションの撮影には今回ILMが参加し、本作のプロデューサーもILM出身のジム・モリスが担当している。
劇中に実写映画の「ハロー、ドーリー!」の映像がそのまま流される事もあって、前半だけならVFXをふんだんに使った実写作品と見えなくも無い。
因みにウォーリーらの声を含むサウンドデザインは、「スターウォーズ」でロボット語を作り上げたベン・バートによるものだ。

ところが、ウォーリーがイヴを追って宇宙へ飛び出し、巨大宇宙船に暮らす人間たちが登場する後半は、良くも悪くも典型的なハリウッドアニメ調だ。
機械によって至れり尽くせりと世話されているうちに、怠惰のためにブクブク太り、歩く事すらままならなくなった人間たちは、「ハロー、ドーリー!」のバーブラ・ストライサンドやウォルター・マッソーとは似ても似つかない完全なアニメキャラにデザインされている。
イヴを想うウォーリーの一途な行動によって、機械に支配されていた人間たちが自らの意思をとりもどすという展開は正直なところ予定調和で、つい最近某映画で観た様な悪役キャラ(?)にしても超が付く位お馴染みの設定だ。
ただ、この作品はSF映画のパロディとしての側面もあり、類型的な展開が必ずしもネガティブに作用している訳ではないし、アンドリュー・スタントン監督は、ベタなお話でもパワフルな映像とテンポの良い演出でしっかりと見せ切る。
考えてみれば、名作の誉れ高い彼の前作「ファインディング・ニモ」も、お話そのものはごくごくありきたりな内容だった。
人間は、色々な物を失って初めてその大切さに気づく生き物だが、この映画でも自らの放漫さによって地球を巨大なゴミ貯めに変えてしまい、機械に頼ってようやく生かされている。
そんな堕落した人類を目覚めさせるのが、人間以上に人間的なちっぽけなロボットのささやかな恋心というのは、実際観てみると何気に筋が通っているのである。

スタントンは「ショート・サーキット」「E.T」をはじめ、過去の様々なSF映画から映画的記憶を引用しているが、一人ぼっちで延々とゴミを処理するウォーリーの孤独な姿は、ダグラス・トランブル監督の傑作SF「サイレント・ランニング」に登場する、三体のロボットを思い起こさせる。
地球最後の植物を載せた宇宙船のドームの中で、たった一体残ったロボットが黙々と植物の世話をする有名なラストシーンは、ウォーリーのイメージに極めて近い。
思えば「サイレント・ランニング」は、人類による環境破壊をSFという手法で警告したパイオニア的な作品であり、同一のテーマを含む本作が大きな影響を受けていても何ら不思議ではないだろう。
エコロジーから心の在り様まで、「WALL・E / ウォーリー」が含む内容は広くて深い。
子供が楽しめるのはもちろん、大人にも十分な感銘を与えてくれる秀作である。

人類を管理する宇宙船のコンピューターを演じているのは、あのシガニー・ウィーバー
彼女の声は「エイリアン」のパロディにもなっている。
また、ウォーリーの起動音がマックの起動音と同じなのも笑える。
ウォーリーが作られたのは22世紀という設定だが、まさかOSは未来のマック?(笑
ピクサーの育ての親が、アップルの創業者スティーブ・ジョブスであることはよく知られているが、このあたりマックファンはニヤリとしてしまうだろう。
その他にも細部に色々とマニアックな仕掛けが施されており、遊び心も相変わらず満載だ。

今回は、カリフォルニア州エマリービルのピクサー・アニメーション・スタジオから程近い、バークレーにあるビール会社ピラミッド・ブリュワリーズの「Pyramid Broken Rake」をチョイス。
秋限定のこの酒は、アルコール度数が高めにもかかわらずマイルドで非常に飲みやすい。
ピラミッドは、残念ながら日本には正規輸入されていないが、西海岸なら手に入りやすいので、お土産などにお勧めだ。
このビールの本社はシアトルだが、バークレー工場に併設されたバー「Alehouse」では、作りたてのビールを飲む事が出来、ピクサーのスタッフも仕事帰りによくやって来るという。
行ってみたらスタントンやラセターに会えるかも?
http://www.pyramidbrew.com/

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