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252 生存者あり・・・・・評価額1200円
2008年12月12日 (金) | 編集 |
予告編を観た時、「え、『海猿』の後日談?」と思ってしまった。
何しろレスキュー隊の話で主演は伊藤英明だし、原作も同じ小森陽一で、製作も日テレなので、デジャヴを感じてしまうのも無理は無い。
もっとも実際の映画を観てみると、レスキュー隊員の青春にスポットを当てていた「海猿」とは異なり、こちらは未曾有の大災害に見舞われた東京で、生き残ろうとする人々と救い出そうとする人々の想いが交錯する群像劇。
どちらかと言うと、70年代に一世を風靡した、アーウィン・アレン製作によるパニック・スペクタクル映画の現代版という印象だ。

小笠原沖で起こった地震が原因で、太平洋のメタンハイドレートが融解を始め、上昇した海面温度によって超大型台風が発生し、その影響で発生した大潮が東京沿岸部を襲う。
洪水による地面の陥没で、新橋駅地下に閉じ込められた元ハイパーレスキュー隊員の篠原祐司(伊藤英明)は、聴覚障害を抱える娘のしおり(大森絢音)、研修医の重村(山田孝之)、大阪から出張中の藤井(木村祐一)、韓国人女性のキム・スミン(MINJI)らを束ね、何とか安全な場所を探そうと、出口の無い地下をさ迷う。
一方地上では、祐司の兄の静馬(内田聖陽)が率いるハイパーレスキュー隊が、必死の捜索活動を行っていたが、超大型台風の上陸で、新橋の地盤はいつ完全に崩落してもおかしくない状態となっていた。
そんな時、音響探査機が地下から聞こえてくる「2・5・2(生存者あり)」というシグナルをキャッチする・・・


最初から最後まで、どこかで観た様なシーンの連続だ。
大洪水によって壊滅的な打撃を受けた東京で、地下に閉じ込められて救助を待つ人々と、悪天候の中なんとか救出活動を続けようとするレスキュー隊のドラマが交互に描かれる。
救う側と救われる側のドラマが二元的に絡み合ってゆくのは「タワーリング・インフェルノ」だし、レスキュー隊の兄弟の話は「バックドラフト」、トラウマを抱えたリーダーが、生き残るために様々なバックグラウンドを持つ人々を束ねてゆくのは「ポセイドンアドベンチャー」を連想させる。
大都市が大潮によって水没するというのは、つい最近日本でもテレビ放送された「デイ・アフター 首都水没」というB級イギリス映画そのまんま。
他にも大なり小なり、様々な映画の引用だらけで、正直なところオマージュと言うほどには昇華し切れておらず、オリジナリティは限りなくゼロに近い。

東京を襲う大災厄が、今ひとつリアルに感じられないのも残念だ。
地震を起点として、様々な要因が折り重なって予測不能な超大型台風が発生するというのが、そもそもかなりご都合主義を感じさせるのだが、仮にそうなったとしてあんな巨大な大潮が発生する事などありえるのだろうか。
映像で見る限り、高さ100メートルはあったし、そうだとすると新橋どころかもっと内陸まで滅茶苦茶になっているのではないか。
フジテレビの「丸」が海にプカプカ浮いている様な状態で、新橋のホテルは大して汚れた形跡も無く、そのまま残っているという中途半端な被害状態も今ひとつ説得力が無い。
インド洋巨大地震で起こった現実の津波の映像を見てしまった後では、テレビ番組の災害予想シミュレーション映像程度のリアリティしか感じられなかった。
そういえば劇中では日テレのニュースは普通に流れていたけど、日テレのある汐留シオサイトも洪水に呑み込まれていた描写があったと思うのだが、あのニュースはどこから放送していたのだろう(笑

しかしまあ、東京大洪水というビジュアルそのものは結構良く出来ていて、新橋地下街壊滅のスペクタクルもなかなか迫力がある。
伊藤英明たち生き残りが、様々な危険を乗り越えてゆくドラマも、シチュエーションは過去の作品の焼き直しで、キャラクターも見事に型どおりとは言え、成功作のセオリーを踏襲している分、安心して観ていられる。
登場人物一人一人のバックグラウンドはそれなりにきちんと考えられており、我が身に降りかかった大災厄を通して、少しだけ人生を前進させるのも、お約束ながら、まあこれしかないよねという展開だ。
物語的には、大きな期待をしなければ、退屈する事もないだろう。

ただ、日テレのドラマ出身の水田伸生の演出は見せ場でややしつこさを感じさせ、特にクライマックスの救出シーンからラストまでの流れは、これでもかこれでもかという演出が逆に映画的なテンポを失わせて冗長な印象にしてしまっている。
十把一絡げにはしたくないが、どうもテレビ出身の演出家は、観客の事を信じていないというか、自分の演出力を信じていないというか、既に十分伝わっている事を、駄目押しの強引な演出で強調し過ぎて、逆にシラケさせてしまっている人が多い気がする。
色々な情報にさらされながら、家庭のリビングで観るテレビドラマと違って、映画館の暗闇では観客は最初からスクリーンに集中しているという事が判らないのだろうか。
テレビドラマと演出の方法論が同じで良いはずが無いのだ。

「252 生存者あり」は、まるで20世紀からタイムスリップしてきた様な古色蒼然としたパニック映画で、正直なところ一級品とは言い難い。
ただ、まあスペクタクルな映像は良く出来ているし、ベタベタではあるものの、群像劇としてはそこそこ纏まりも良い。
前提となる設定にあまり説得力が無いのが残念だが、もしも東京が大洪水に見舞われたら、という一種のシミュレーションと考えるとまあまあ楽しめるだろう。

今回は、東京壊滅のディザスタームービーという事で、東京の名を持つ黒ビール「東京ブラック」をチョイス。
コクのある本格的な黒ビールながら、クリーミーさはある程度抑えられ、スッキリとしてとても飲みやすい。
個人的には、日本の夏には辛口のあっさりビールも良いと思うが、冬に美味しいのはやはりこういう濃厚な味。
作っているのは「よなよなエール」や「軽井沢高原ビール」などで知られる、少量生産のスペシャリスト、長野県のヤッホー・ブルーイング
映画は正直安手の企画物の味なので、こだわりの詰まった黒ビールで物足りなさを補完しよう。

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