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ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー・・・・・評価額1550円
2009年01月06日 (火) | 編集 |
愛すべきオタク監督、ギレルモ・デル・トロマイク・ミニョーラの原作を受けて作り上げた、異色のコミック・ヒーロー映画の第二弾。
アメコミ原作物とは言っても、DCやマーベルの様な老舗メジャーレーベルの出身とは異なり、この異形のヒーローたちは、今回も妙な愛嬌いっぱいで、良い意味でB級テイストを漂わせて楽しませてくれる。
「ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー」でタイトルロールの猫派の赤い悪魔を演じるのは、もちろん怪優ロン・パールマンだ。

魔界からやって来た悪魔の子、ヘルボーイ(ロン・パールマン)は超常現象捜査防衛局「BPRD」のエージェント。
水棲人間のエイブ(ダグ・ジョーンズ)と発火能力者のエリザベス(セルマ・ブレア)とチームを組み、人間世界に現れる魔物退治に奔走している。
ヘルボーイとエリザベスは恋人同士だが、ある日エリザベスは自分の体に新しい命が宿っている事を知る。
そんな時、オークション会場に現れた、何でも食い尽くしてしまう「歯の妖精」退治に出動したヘルボーイたちは、マスコミに捉えられ、その姿を世間に報じられてしまう。
実はオークション会場での事件は、人間世界に隠れるように存在する、エルフ国の王子ヌアダ(ルーク・ゴス)が起こしたものだった。
彼は人間を抹殺して地上を支配するために、三つに分割された妖精王の王冠を集め、封印された無敵の軍団「ゴールデン・アーミー」を起動させようとしており、王冠の一部をオークション会場から奪っていたのだ。
事件の裏を追うヘルボーイたちは、妖精世界に通じる「トロール市場」に侵入するのだが・・・


悪魔でありながら人間の味方というのは、言わば「デビルマン」のアメコミ版か。
しかし壮大なカタストロフィを迎える元祖と異なり、「ヘルボーイ」に描かれる世界はどことなく能天気&ユーモラスで、今回もそれは変わらない。
物語の大筋は、人間を滅ぼして地上を支配しようとするエルフの王子ヌアダと、それを阻止しようとするヘルボーイたちの戦いだが、単純にアクションで流すだけでなく、色々とスパイスを効かせている。
人間と魔物の間で板ばさみになり、自分は一体何者で、どう生きるべきなのかというアイデンティティの問題に揺れるヘルボーイの姿は、そのままテーマに直結しているだろう。
ギレルモ・デル・トロは実に愛情深く、この異形のキャラクターを丹念に描き、しっかりと感情移入させる。
「お前は人間より俺たちに近い。お前なら世界の王にすらなれるのに」とヌアダに突きつけられた異形の存在の宿命を巡る命題と、エリザベスに宿った新しい命が物語の縦軸と横軸と成り、デル・トロならではのユニークなビジュアルも楽しく飽きさせない。

元々特殊メイク畑出身のデル・トロの造型感覚は、ダークファンタジーの傑作「パンズ・ラビリンス」を経てさらに磨きがかかり、地底世界のエルフの王国から封印されたゴールデン・アーミーに至るまで、不気味でありながら独特の様式美をもつ。
日本アニメの影響が強いのも相変わらずで、クライマックスに繋がる岩の巨人は「太陽の王子/ホルスの大冒険」を思わせるし、ゴールデン・アーミーの描写は「天空の城ラピュタ」に登場するロボット軍団が元ネタだろうか。
タイトルロールのヘルボーイ自体が、西洋の悪魔に日本の鬼とサムライのイメージを掛け合わせてデザインされているらしく、ヘアスタイルがチョンマゲなのもご愛嬌。
アニメ版には日本を舞台にした物もあり、このシリーズは「デビルマン」を含めて意外と根っこが日本と繋がるのである。
インタビューで宮崎駿や高畑勲や押井守の名前がポンポン飛びだし、ゴジラもガメラも大好きだと語るデル・トロが、心底楽しんで撮っているのは間違いない。
ある意味、オタクのおもちゃ箱の様な映画である。

ただ、惜しむらくは散らかりっぱなしの子供部屋の様に、物語の構成が複雑で、描ききれていない部分が多い事だ。
主人公の葛藤はもっと深く描けるだろうし、登場はしたものの描写が中途半端なキャラクターもいる。
ストーリーと脚本も手がけたデル・トロ自身が、これも、あれも見せたいと詰め込んでしまった感があり、その為にややメリハリを欠いてしまっているのは残念なポイントだ。
まあ、基本的にこの人は監督デビュー作の「クロノス」の頃から、物語を重層的にする傾向があるし、それはそれで面白いのだけど、今回のように構成要素がてんこ盛りだと、とっ散らかった印象になってしまう。
もっとも、不気味で美しい異形の者どもが織り成す、モンスターの悲哀をたっぷり含んだ冒険物語は十分に魅力的で、ファンタジー映画が好きな人には特にお勧めの作品だ。

ギレルモ・デル・トロの次回作は、あの「ホビットの冒険」で、公開予定は2012年。
本作の加速がかかったビジュアルを見ると、ピーター・ジャクソン版とは一線を画す「中つ国」が生まれそうだ。
いずれにしても、デル・トロとジャクソンという、究極のオタク二人が組む「ホビットの冒険」は、今から首を長くして待つ価値があるだろう。
あ、でもいつか「ヘルボーイ3」も作って欲しいなあ。

今回はストレートに「デビルズ」という名のカクテルをチョイス。
ポートワインとドライ・ベルモットを1:1でステアし、レモンジュースを適量加える。
好みでポートワインに変えて赤ワインを使っても良い。
風味の強い酒を使っているので、好みは分かれるだろうが、名前とは違ってマイルドで飲みやすい。
見た目とは違って、心優しく繊細なヘルボーイの様な酒だ。

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