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2009年01月16日 (金) | 編集 |
「感染列島」というタイトルからして、古色蒼然としたパニック映画。
設定に一定の説得力はあるものの、物語の展開や描写があまりにも大味かつお粗末。
正直なところ、あまり上等な映画とは言えない。
医師の松岡剛(妻夫木聡)の勤務する病院に、全身から出血し、瀕死の患者が担ぎこまれる。
同じ頃、病院に程近い養鶏場で鳥インフルエンザが発生した事や、患者の症状から新型
インフルエンザが疑われたが、原因となるウィルスは発見されない。
しかし、患者の血を浴びた同僚の医師の安馬(佐藤浩市)も同じ症状で倒れ、謎の感染症は原因がわからないまま、日本のあちこちに広がってゆく。
事態を重く見たWHO(世界保健機関)は、メディカルオフィサーの小林栄子(檀れい)を、対策チーフとして送り込むのだが・・・
致死率の高い鳥インフルエンザが、人から人へ感染するように変異し、世界中で流行することが懸念されている現在、この作品の設定にはある程度リアリティが感じられる。
実際、映画が始まって新型インフルエンザに似た謎の病気が、瞬く間に日本中に広まってゆくシミュレーション的な描写はなかなかに興味深く、発生源と疑われた養鶏場の経営者一家に降りかかる災厄も説得力がある。
しかしながらこの映画が輝きを放つのは、残念ながらそこまで。
病気の脅威が日本社会を制圧し、同時に対策チームがその正体に迫り始めると、映画は徐々に混沌としたカオスに落ち込み、二度と回復しないのである。
監督は脚本も兼任する瀬々敬久。
この人の映画は「MOON CHILD」しか観ていないので、どの程度の実力者なのかはよく判らないが、少なくともこれは褒められた仕事でないのは確かだ。
とにかく、中盤以降辻褄の合わない描写が多すぎる。
特に肝心の病気の描写の珍妙さは致命的で、明らかに話の展開にあわせるために、潜伏期間も症状もバラバラにしか見えず、御都合主義も甚だしい。
佐藤浩市などは、全身から血を噴出して死んでしまうのに、これが女性キャラだと一縷の血の涙を流して美しく最期を迎えるのだから、作品のシリアスさを疑われてもしかたがないだろう。
一番酷いのは病気の発生源たる某医療関係者で、コイツだけ一体何週間持ちこたえてるのか。
そもそも医療関係者が、自らの感染症を疑いながら、感染させたかも知れない家族にも知らせずに出国してしまうという展開はあり得ないだろう。
ある意味、病気が主役の映画で、考証がこんな適当で良いわけが無い。
また日本でパンデミックが進むと、なぜか車がそこら中でひっくり返っていたり、ビルの窓ガラスが全部割れていたと、まるで市街戦でも起こったかのような有様になるのだが、何で病気の蔓延でこんな風景が生まれるのか??
極めつけは、いつの間にか「デビルマン」を思わせる感染者狩りが行われており、「感染者を匿うのは犯罪です」などという標語が掲げられていたりするのだが、そもそも治療を受けなければ死んでしまう病気で、匿うも何もないだろう。
目や口から血を流した感染者が、防護服の自衛隊員から走って逃げ回るゾンビ映画みたいな描写もあったが、何で彼らはそんなに元気なのか(笑
登場人物やエピソードがやたらと多いのに、その多くが明確に特定の役割を表現するだけに存在する類型的なキャラだったり、単なる泣かせに終わっているのも萎える。
たとえば国仲涼子演じる、幼い子供を持つ献身的な看護士の女性は、登場した瞬間悲劇性を強調する死に役なのがバレバレ。
藤竜也演じるウィルス学者などは「ウィルスと共存できないものかねえ?」などと、意味不明な事を言う不思議ちゃんキャラになってしまっている。
彼は癌に罹った事から、その様な考えを持つように成ったらしいのだが、そもそも人にうつらない癌とウィルスはまるっきり違うだろう。
「癌との共存」というフレーズは確かにメディアでよく目にするが、単にその響きだけを使って、何となく深い映画であるというイメージを作るだけの、限りなく浅いキャラクターである。
演出センスも正直なところ酷い。
何しろ叙情的なシーンになると、必ず雨か雪が降り出すのだ。
ぶっちゃけ今時韓流ドラマでもやらないベタな演出だけど、一回だけならまだしも、二度三度と繰り返されると、もはやギャグに見えてきてしまう。
本来なら感動的で泣かせるシーンなんだろうけど、あまりのセンスの無さに違う意味で泣けてきた。
まあ「感染列島」というタイトルを聞いたときから、何となく嫌な気配は感じていたのだけど、残念ながら予感的中。
未知のウィルスのパンデミックによる社会の崩壊というモチーフそのものは、それなりに説得力が感じられるのだから、泣かせキャラも不思議キャラも下手糞なメロドラマも全て切り捨てて構成要素を絞り込み、未曾有の脅威に直面した徹底的にリアルな人間ドラマを描けばもっとずっと面白くなっただろう。
しかし「252 生存者あり」といい、この作品といい、なぜ70年代からタイムスリップしてきた様な大味なパニック映画が今連続して作られるのだろう。
ネタがないのか、世相が当時と似ているのか、どちらにしても独創性は感じられない。
そう言えばウィルスって、私が子供の頃はビールスと表記されていた様な記憶があるが、いつ頃からウィルスとなったのだろう。
という語呂合わせで、今回は寒い冬にホット専用ビールとして知られる「リーフマンス グリュークリーク」をチョイス。
さくらんぼ味の甘いビールで、これを50度くらいの燗で飲む。
ポカポカ暖まるのでナイト・キャップにも良いかも。
ちなみにビールをホットで飲むのは、冬の寒さの厳しいヨーロッパでは、比較的知られた飲み方で、専用ビール以外でも、黒ビールにシナモンや砂糖を加えて飲むと美味しい。
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設定に一定の説得力はあるものの、物語の展開や描写があまりにも大味かつお粗末。
正直なところ、あまり上等な映画とは言えない。
医師の松岡剛(妻夫木聡)の勤務する病院に、全身から出血し、瀕死の患者が担ぎこまれる。
同じ頃、病院に程近い養鶏場で鳥インフルエンザが発生した事や、患者の症状から新型
インフルエンザが疑われたが、原因となるウィルスは発見されない。
しかし、患者の血を浴びた同僚の医師の安馬(佐藤浩市)も同じ症状で倒れ、謎の感染症は原因がわからないまま、日本のあちこちに広がってゆく。
事態を重く見たWHO(世界保健機関)は、メディカルオフィサーの小林栄子(檀れい)を、対策チーフとして送り込むのだが・・・
致死率の高い鳥インフルエンザが、人から人へ感染するように変異し、世界中で流行することが懸念されている現在、この作品の設定にはある程度リアリティが感じられる。
実際、映画が始まって新型インフルエンザに似た謎の病気が、瞬く間に日本中に広まってゆくシミュレーション的な描写はなかなかに興味深く、発生源と疑われた養鶏場の経営者一家に降りかかる災厄も説得力がある。
しかしながらこの映画が輝きを放つのは、残念ながらそこまで。
病気の脅威が日本社会を制圧し、同時に対策チームがその正体に迫り始めると、映画は徐々に混沌としたカオスに落ち込み、二度と回復しないのである。
監督は脚本も兼任する瀬々敬久。
この人の映画は「MOON CHILD」しか観ていないので、どの程度の実力者なのかはよく判らないが、少なくともこれは褒められた仕事でないのは確かだ。
とにかく、中盤以降辻褄の合わない描写が多すぎる。
特に肝心の病気の描写の珍妙さは致命的で、明らかに話の展開にあわせるために、潜伏期間も症状もバラバラにしか見えず、御都合主義も甚だしい。
佐藤浩市などは、全身から血を噴出して死んでしまうのに、これが女性キャラだと一縷の血の涙を流して美しく最期を迎えるのだから、作品のシリアスさを疑われてもしかたがないだろう。
一番酷いのは病気の発生源たる某医療関係者で、コイツだけ一体何週間持ちこたえてるのか。
そもそも医療関係者が、自らの感染症を疑いながら、感染させたかも知れない家族にも知らせずに出国してしまうという展開はあり得ないだろう。
ある意味、病気が主役の映画で、考証がこんな適当で良いわけが無い。
また日本でパンデミックが進むと、なぜか車がそこら中でひっくり返っていたり、ビルの窓ガラスが全部割れていたと、まるで市街戦でも起こったかのような有様になるのだが、何で病気の蔓延でこんな風景が生まれるのか??
極めつけは、いつの間にか「デビルマン」を思わせる感染者狩りが行われており、「感染者を匿うのは犯罪です」などという標語が掲げられていたりするのだが、そもそも治療を受けなければ死んでしまう病気で、匿うも何もないだろう。
目や口から血を流した感染者が、防護服の自衛隊員から走って逃げ回るゾンビ映画みたいな描写もあったが、何で彼らはそんなに元気なのか(笑
登場人物やエピソードがやたらと多いのに、その多くが明確に特定の役割を表現するだけに存在する類型的なキャラだったり、単なる泣かせに終わっているのも萎える。
たとえば国仲涼子演じる、幼い子供を持つ献身的な看護士の女性は、登場した瞬間悲劇性を強調する死に役なのがバレバレ。
藤竜也演じるウィルス学者などは「ウィルスと共存できないものかねえ?」などと、意味不明な事を言う不思議ちゃんキャラになってしまっている。
彼は癌に罹った事から、その様な考えを持つように成ったらしいのだが、そもそも人にうつらない癌とウィルスはまるっきり違うだろう。
「癌との共存」というフレーズは確かにメディアでよく目にするが、単にその響きだけを使って、何となく深い映画であるというイメージを作るだけの、限りなく浅いキャラクターである。
演出センスも正直なところ酷い。
何しろ叙情的なシーンになると、必ず雨か雪が降り出すのだ。
ぶっちゃけ今時韓流ドラマでもやらないベタな演出だけど、一回だけならまだしも、二度三度と繰り返されると、もはやギャグに見えてきてしまう。
本来なら感動的で泣かせるシーンなんだろうけど、あまりのセンスの無さに違う意味で泣けてきた。
まあ「感染列島」というタイトルを聞いたときから、何となく嫌な気配は感じていたのだけど、残念ながら予感的中。
未知のウィルスのパンデミックによる社会の崩壊というモチーフそのものは、それなりに説得力が感じられるのだから、泣かせキャラも不思議キャラも下手糞なメロドラマも全て切り捨てて構成要素を絞り込み、未曾有の脅威に直面した徹底的にリアルな人間ドラマを描けばもっとずっと面白くなっただろう。
しかし「252 生存者あり」といい、この作品といい、なぜ70年代からタイムスリップしてきた様な大味なパニック映画が今連続して作られるのだろう。
ネタがないのか、世相が当時と似ているのか、どちらにしても独創性は感じられない。
そう言えばウィルスって、私が子供の頃はビールスと表記されていた様な記憶があるが、いつ頃からウィルスとなったのだろう。
という語呂合わせで、今回は寒い冬にホット専用ビールとして知られる「リーフマンス グリュークリーク」をチョイス。
さくらんぼ味の甘いビールで、これを50度くらいの燗で飲む。
ポカポカ暖まるのでナイト・キャップにも良いかも。
ちなみにビールをホットで飲むのは、冬の寒さの厳しいヨーロッパでは、比較的知られた飲み方で、専用ビール以外でも、黒ビールにシナモンや砂糖を加えて飲むと美味しい。

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