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2009年03月19日 (木) | 編集 |
ぶっちゃけ、ここまで期待されていない作品も珍しいだろう。
本来は2008年に公開される予定だったのが、急遽2009年に延期になり、その原因は「作品のクオリティ」という噂が世界を駆け巡ったのも記憶に新しい。
日本公開がいよいよ近づくと、予告編の冒頭に原作者の鳥山明自らによる「映画と原作は別物として楽しんで」という内容の、逃げ口上とも思える一文が付け加えられる始末。
果たして「DRAGONBALL EVOLUTION」は、原作、あるいはアニメ版から、一体何が「EVOLUTION(進化)」していたのだろうか。
高校生の悟空(ジャスティン・チャットウィン)は、祖父の悟飯(ランダル・ダク・キム)と拳法の修行に明け暮れる日々。
18歳の誕生日に、七つを集めると、どんな願い事でも叶うというドラゴンボールの一つを贈られる。
ところが、かつて封印された魔王ピッコロ(ジェームス・マスターズ)が復活、再び地球を支配しようと、ドラゴンボールを集め始める。
悟空が友達のチチ(ジェイミー・チャン)のパーティに行っている間に、悟飯はピッコロに襲われてしまう。
瀕死の悟飯は、悟空に「亀仙人を探せ」と言い残して息絶える。
そこへ奇妙な武器を持った女、ブルマ(エミー・ロッサム)が現れて、盗んだドラゴンボールを返せと悟空に迫るのだが・・・・
これが原作とはまったくの別物という事は覚悟していたし、それならそれで一本のアクションファンタジー映画として良く出来ていれば御の字かなあと考えていたので、観る前からかなりハードルは下がっていた。
にもかかわらず・・・正直、これはちょっとどうかと思う。
これが「ドラゴンボール」であるか否かと聞かれれば、まあそれなりには「ドラゴンボール」であったと言えるだろう。
確かにキャラのルックスは、アレンジというにはあんまりな位に原作とかけ離れているし、ビジョンが明確でない世界観も微妙なところ。
ストーリーラインも原作を抜粋しまくった上に、かなり強引につなぎ合わせている。
だが、映画を構成している要素そのものは、原作から借りてきているのは間違いなく、大きな部分には無頓着なくせに、妙な小技をちゃんと再現したりしているので、違和感バリバリなのに、原作の匂いは確かに感じるという妙な印象の作品になっている。
まあ徹底的にアニメのコスプレショーに徹した、「ヤッターマン」とは比べるべくも無いが、このぐらいのアレンジは一つの方法論として許容範囲だ。
問題は、やはり映画そのものの作りである。
原作のピッコロ編をベースにするのはまあ良い。
悟空がイケテない高校生なのも良いだろう。
実際、この冒頭のSF学園物みたいなシークエンスは、なんとなく「カラテ・キッド」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を掛け合わせた様な雰囲気でテンポも良く、原作とはかけ離れているものの、この部分だけ観れば別に悪くない。
ところが悟飯がピッコロに殺され、いよいよドラゴンボールを巡る冒険に出ると、映画は途端にリズムを失って失速してしまうのである。
何しろこの映画、上映時間が僅か90分ほどしかないので、展開がめちゃくちゃ急ぎ足。
とりあえず悪役ピッコロをはじめ、ブルマ、チチ、亀仙人にヤムチャとお馴染みの登場人物は出てくるのだが、彼らの背景すらろくに描かれないために、キャラクターに感情移入がまったく出来ない。
まあ唯一、主役の悟空だけは必要最小限描かれているが、ピッコロにいたっては封印されていたのがなぜ復活したのか、そもそもなぜ地球を征服したがるのかすら説明が無いので、単に悪のための悪、強いだけでキャラクターとしての魅力の欠片も無い存在になってしまっている。
また亀仙人が、原作のイメージからはずっと若いチョウ・ユンファになったために、一番弟子のはずの悟飯とどう見ても年齢が逆転してしまっている。
キャラのルックスが原作と違うなら、せめて設定を変えるとか、物語上で何か説明するとかすれば良いものの、このあたりはまったく無頓着。
ヤムチャなんかは出てきただけで、キャラとしてはまったく生かされていなかった。
キャラクターがこの調子だから、ドラマとしては盛り上がりようも無く、とりあえず意味も無く場所を移動しているだけにしか見えない。
世界観が作り込まれてないのも問題で、ヤムチャが穴掘って作った罠から、どうやったらあんな溶岩の流れる地底世界へつながってるのか、いくらなんでも強引過ぎるだろう。
アクションシーンになると、街中から突然山中の空き地にテレポートしてしまう、「戦隊シリーズ」ぐらいの違和感があったぞ。
確かに七つのドラゴンボール探しは、この上映時間では無理なのは判り切っているし、端折るのも仕方が無いとは思うのだが、継ぎ接ぎな作劇はあまりにも稚拙だ。
ジェームス・ウォン監督の演出も、冒頭の学園物以降は「ファイナル・デスティネーション」シリーズなどで見せた切れ味がまったく見られないが、この脚本では誰が撮ったとしても大した物にはならなかっただろう。
脚本家としても実績のある、ウォン監督自身が書いたほうが、まだ良かったのかもしれない。
「DRAGONBALL EVOLUTION」は一言で言って酷く中途半端な映画だ。
漫画の忠実なコスプレとしてはまったく物足りないし、一本の映画として観ても完成度は低い。
アクションがそこそこ良く出来ているので、絶望的につまらなくはないが、かといって面白くも無い。
正直、この内容ならあえて原作を使う必要性を感じないし、完全にオリジナルで物語を仕上げたほうが良かったのではないか。
まあ美点としては、悟空を演じたジャスティン・チャットウィンが結構アクションを頑張っていた事と、ブルマ役のエミー・ロッサムが可愛かったくらいか。
どうもチャウ・シンチーが、中途半端に名前を出している映画は、「地雷」という新たなジンクスが出来てしまいそうだ。
本人はいろいろ言い訳している様だが、プロデューサーとしてクレジットされているのだから、責任は免れないだろう。
まあ、さすがに「少林少女」の酷さを超える事は出来なかったようだけど(笑
今回はドラゴンつながりで、沖縄の泡盛瑞泉の10年古酒「黒龍」をチョイス。
マイルドでコクのある古酒ならではの深みのある味わいは、物語の本質を見失って表面的になってしまった映画に一番欠けていた物。
沖縄料理に豊かな古酒でも飲んでいると、無味乾燥な映画は直ぐに忘れ去られてしまいそうだ。
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本来は2008年に公開される予定だったのが、急遽2009年に延期になり、その原因は「作品のクオリティ」という噂が世界を駆け巡ったのも記憶に新しい。
日本公開がいよいよ近づくと、予告編の冒頭に原作者の鳥山明自らによる「映画と原作は別物として楽しんで」という内容の、逃げ口上とも思える一文が付け加えられる始末。
果たして「DRAGONBALL EVOLUTION」は、原作、あるいはアニメ版から、一体何が「EVOLUTION(進化)」していたのだろうか。
高校生の悟空(ジャスティン・チャットウィン)は、祖父の悟飯(ランダル・ダク・キム)と拳法の修行に明け暮れる日々。
18歳の誕生日に、七つを集めると、どんな願い事でも叶うというドラゴンボールの一つを贈られる。
ところが、かつて封印された魔王ピッコロ(ジェームス・マスターズ)が復活、再び地球を支配しようと、ドラゴンボールを集め始める。
悟空が友達のチチ(ジェイミー・チャン)のパーティに行っている間に、悟飯はピッコロに襲われてしまう。
瀕死の悟飯は、悟空に「亀仙人を探せ」と言い残して息絶える。
そこへ奇妙な武器を持った女、ブルマ(エミー・ロッサム)が現れて、盗んだドラゴンボールを返せと悟空に迫るのだが・・・・
これが原作とはまったくの別物という事は覚悟していたし、それならそれで一本のアクションファンタジー映画として良く出来ていれば御の字かなあと考えていたので、観る前からかなりハードルは下がっていた。
にもかかわらず・・・正直、これはちょっとどうかと思う。
これが「ドラゴンボール」であるか否かと聞かれれば、まあそれなりには「ドラゴンボール」であったと言えるだろう。
確かにキャラのルックスは、アレンジというにはあんまりな位に原作とかけ離れているし、ビジョンが明確でない世界観も微妙なところ。
ストーリーラインも原作を抜粋しまくった上に、かなり強引につなぎ合わせている。
だが、映画を構成している要素そのものは、原作から借りてきているのは間違いなく、大きな部分には無頓着なくせに、妙な小技をちゃんと再現したりしているので、違和感バリバリなのに、原作の匂いは確かに感じるという妙な印象の作品になっている。
まあ徹底的にアニメのコスプレショーに徹した、「ヤッターマン」とは比べるべくも無いが、このぐらいのアレンジは一つの方法論として許容範囲だ。
問題は、やはり映画そのものの作りである。
原作のピッコロ編をベースにするのはまあ良い。
悟空がイケテない高校生なのも良いだろう。
実際、この冒頭のSF学園物みたいなシークエンスは、なんとなく「カラテ・キッド」と「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を掛け合わせた様な雰囲気でテンポも良く、原作とはかけ離れているものの、この部分だけ観れば別に悪くない。
ところが悟飯がピッコロに殺され、いよいよドラゴンボールを巡る冒険に出ると、映画は途端にリズムを失って失速してしまうのである。
何しろこの映画、上映時間が僅か90分ほどしかないので、展開がめちゃくちゃ急ぎ足。
とりあえず悪役ピッコロをはじめ、ブルマ、チチ、亀仙人にヤムチャとお馴染みの登場人物は出てくるのだが、彼らの背景すらろくに描かれないために、キャラクターに感情移入がまったく出来ない。
まあ唯一、主役の悟空だけは必要最小限描かれているが、ピッコロにいたっては封印されていたのがなぜ復活したのか、そもそもなぜ地球を征服したがるのかすら説明が無いので、単に悪のための悪、強いだけでキャラクターとしての魅力の欠片も無い存在になってしまっている。
また亀仙人が、原作のイメージからはずっと若いチョウ・ユンファになったために、一番弟子のはずの悟飯とどう見ても年齢が逆転してしまっている。
キャラのルックスが原作と違うなら、せめて設定を変えるとか、物語上で何か説明するとかすれば良いものの、このあたりはまったく無頓着。
ヤムチャなんかは出てきただけで、キャラとしてはまったく生かされていなかった。
キャラクターがこの調子だから、ドラマとしては盛り上がりようも無く、とりあえず意味も無く場所を移動しているだけにしか見えない。
世界観が作り込まれてないのも問題で、ヤムチャが穴掘って作った罠から、どうやったらあんな溶岩の流れる地底世界へつながってるのか、いくらなんでも強引過ぎるだろう。
アクションシーンになると、街中から突然山中の空き地にテレポートしてしまう、「戦隊シリーズ」ぐらいの違和感があったぞ。
確かに七つのドラゴンボール探しは、この上映時間では無理なのは判り切っているし、端折るのも仕方が無いとは思うのだが、継ぎ接ぎな作劇はあまりにも稚拙だ。
ジェームス・ウォン監督の演出も、冒頭の学園物以降は「ファイナル・デスティネーション」シリーズなどで見せた切れ味がまったく見られないが、この脚本では誰が撮ったとしても大した物にはならなかっただろう。
脚本家としても実績のある、ウォン監督自身が書いたほうが、まだ良かったのかもしれない。
「DRAGONBALL EVOLUTION」は一言で言って酷く中途半端な映画だ。
漫画の忠実なコスプレとしてはまったく物足りないし、一本の映画として観ても完成度は低い。
アクションがそこそこ良く出来ているので、絶望的につまらなくはないが、かといって面白くも無い。
正直、この内容ならあえて原作を使う必要性を感じないし、完全にオリジナルで物語を仕上げたほうが良かったのではないか。
まあ美点としては、悟空を演じたジャスティン・チャットウィンが結構アクションを頑張っていた事と、ブルマ役のエミー・ロッサムが可愛かったくらいか。
どうもチャウ・シンチーが、中途半端に名前を出している映画は、「地雷」という新たなジンクスが出来てしまいそうだ。
本人はいろいろ言い訳している様だが、プロデューサーとしてクレジットされているのだから、責任は免れないだろう。
まあ、さすがに「少林少女」の酷さを超える事は出来なかったようだけど(笑
今回はドラゴンつながりで、沖縄の泡盛瑞泉の10年古酒「黒龍」をチョイス。
マイルドでコクのある古酒ならではの深みのある味わいは、物語の本質を見失って表面的になってしまった映画に一番欠けていた物。
沖縄料理に豊かな古酒でも飲んでいると、無味乾燥な映画は直ぐに忘れ去られてしまいそうだ。

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