FC2ブログ
酒を呑んで映画を観る時間が一番幸せ・・・と思うので、酒と映画をテーマに日記を書いていきます。 映画の評価額は幾らまでなら納得して出せるかで、レイトショー価格1200円から+-が基準で、1800円が満点です。
■ お知らせ
※基本的にネタバレありです。ご注意ください。
※当ブログはリンクフリーです。内容の無断転載はお断りいたします。
※ブログ環境の相性によっては、TB・コメントのお返事が出来ない事があります。ご了承ください
エロ・グロ・出会い系のTB及びコメントは、削除の上直ちにブログ管理会社に通報させていただきます。 また記事と無関係な物や当方が不適切と判断したTB・コメントも削除いたします。
■TITLE INDEX
タイトルインディックスを作りました。こちらからご利用ください。
■ ツイッターアカウント
noraneko285でつぶやいてます。ブログで書いてない映画の話なども。
■ FILMARKSアカウント
noraneko285ツイッターでつぶやいた全作品をアーカイブしています。
スター・トレック・・・・・評価額1650円
2009年05月31日 (日) | 編集 |
このところ、老舗シリーズの「ビギニング」が目立つハリウッド映画。
遂に、1966年以来43年もの歴史を誇る「スター・トレック」も、この流れの俎上に載せられた。
手がけるのは、ヒットメーカーとして台頭著しいJ・J・エイブラムス
意外にも、オリジナルにはそれほど思い入れが無いというエイブラムスだが、今回の場合はそれが良かったのかもしれない。
旧作を徹底的に研究し尽くした上で、壊すべきところは大胆に壊し、パワフルで魅力的な新たな「スター・トレック」を生み出す事に成功している。

23世紀。
宇宙艦隊の士官だった父を、赤ん坊の頃に亡くしたジェームス・T・カーク(クリス・ペイン)は、ケンカとナンパに明け暮れる日々を送っている。
ある日、父の友人だった宇宙艦隊のパイク艦長(ブルース・グリーンウッド)から、父が身を犠牲にして800人を救い、その一人がカーク自身だという話を聞き、宇宙艦隊への入隊を決意する。
三年後、艦隊でも問題児と成っていたカークは、どさくさにまぎれてパイクの指揮する最新鋭艦「U.S.Sエンタープライズ」に乗り込む事に成功するのだが、突然バルカン星を襲った謎の敵、ネロとの戦闘に直面する事になる。
血気盛んなカークは、あらゆる事を論理的に考えるバルカン人副官のスポック少佐(ザカリー・クィント)とことごとく対立し、遂には船を追い出されてしまう・・・


久しぶりに冒険心を掻き立てられる、スケールの大きな宇宙SFの快作だ。
冒頭、いきなりエモーションを揺さぶられる怒涛のバトルシーンから始まり、すわ若きカーク提督登場かと思いきや、これはカーク父のエピソード。
そこから少年カークのヤンチャっぷり、喧嘩っ早い青年時代、亡き父の後を追うようにしての宇宙艦隊入隊とスポックとの出会い、エンタープライズ号の処女航海に出るまでが矢継ぎ早に語られる。
カークってこんなにエキセントリックなキャラだっけ?と思わなくも無いが、傲慢ギリギリの若さ溢れる主人公はなかなかに魅力的。
今回は、旧シリーズ通しての名コンビであった、スポックとの実質的なダブル主役であり、未曾有の危機に襲われたバルカン星と地球を救うミッションを通して、彼らの葛藤と友情の絆が生まれるまでが描かれる。

元々テレビドラマのザ・ムービーであるこのシリーズは、劇場版も基本的にテレビの世界観とキャラクターをベースとしている。
そのお陰で、シリーズ誕生から40年以上の長きに渡って、作品もファン層も世代を超えて受け継がれてきている訳だが、一方で過去10本作られた劇場版の多くが、良くも悪くもテレビシリーズの延長線上にある事を感じさせる内容で、いま一つ大スクリーンを生かしきれていなかったのも事実だと思う。
本作と同じ「スター・トレック」というシンプルなタイトルを持つ1979年の劇場用映画第一作は、監督に巨匠ロバート・ワイズを招き、ロバート・エイブルからダグラス・トランブルへと受け継がれたVFXも見事で、大作の風格を感じさせる物だったが、テレビシリーズからあまりにも懸け離れた哲学的な内容に、オリジナルファンの評判はすこぶる悪かった。
以降、シリーズはよりテレビ的な方向性へと軌道修正され、内容的な良し悪しは兎も角として、コアなファンという閉じられた客層向けの作品に留まり続ける傾向がずっと続く事になる。
これは同じように数十年間にわたって作品を展開してきた、日本の「ガンダム」シリーズあたりにも言えるのだが、新世代へのキャラクターの一新をはじめ、色々な新機軸を投入してきたシリーズも、さすがに近年はマンネリを感じさせる様になってしまっていた。

最後の劇場版「ネメシス/S.T.X」から7年、テレビシリーズの「スター・トレック:エンタープライズ」の放送終了から4年、満を持しての新作は、いわばシリーズの原点回帰にして仕切りなおし。
ふつーに観てはいたけれど、特にシリーズの熱烈ファンという訳ではないJ・J・エイブラムスは、脚本家チームに自他共に認める熱烈ファンであるロベルト・オーチーと、そうでもないというアレックス・カーツマンを起用、歴史あるシリーズへの配慮と、新しい試みの両方を成立させようとして、結果的に成功している。
まあ、オーチーのファン魂が勝ったのか、全体の雰囲気や世界観は、予想以上に旧シリーズの色が強く残っていて、エイブラムスの狙った「ファン以外でも楽しめる映画」になっていたかは微妙なところ。
バルカン星人のメンタリティとか、惑星連邦の概念とか、ロミュラン人との確執などあまり説明されない背景は、一見さんにはやや敷居が高いかもしれない。
その分、物語を通してエンタープライズ号のオリジナルキャラクターたちが続々と登場してくる展開や、大迫力の宇宙戦闘シーンはファンにとってはたまらない。
特に、旧シリーズと本作を繋ぐ「あの人」の登場は感涙もので、「ファン以外でも楽しめる」かもしれないが、「ファンの方がより楽しめる」のも間違いないだろう。

もっとも、細かな突っ込みどころは多い。
そもそも全ての根源たるネロの復讐自体が完全に勘違いの逆恨みであり、いくら不意を突かれたとしても地球もバルカン星も無防備過ぎだろう。
終盤の展開がやや荒っぽいのも勿体無いし、宇宙SFと時間SFを組み合わせるという凝った作りなので、タイムパラドックス絡みの疑問点も多々ある。
だが、この作品は些細な欠点よりも魅力の方がずっと多い
何よりも、若者たちが未知なる世界へ旅立つという、テレビシリーズの第一作が持っていた冒険心を前面に出したのは大正解。
強大な敵との戦闘シーンは確かに最大の見せ場であるのだけど、物語のテーマ的には映画の最後で「あの人」が語るお馴染みのフレーズに集約されるのだ。
また、時間SFの要素を持ってくる事で、物語の基点は旧シリーズだったとしても、終わりの部分はパラレルワールドの別の歴史になっている訳で、今後シリーズが続くとしたら旧シリーズの流れに囚われないという免罪符を手に入れた事になる。
エイブラムス版の「スター・トレック」が、文字通り「新シリーズ」として真価を発揮するのは二作目以降なのかもしれない。

ウイリアム・シャトナーからカーク役をクリス・ペインが受け継ぎ、スポックに「HEROES」のサイラー役でブレイクしたザカリー・クイントと、主役級に若手を配する一方、メイクで一見すると誰だか判らない敵役のロミュラン人、ネロにエリック・バナ、スポックの母にウィノナ・ライダーといった大スターを配するなど、遊び心のある贅沢なキャスティングも楽しい。
シリーズのファン、SF映画ファンには文句なしのお勧め作品だ。

今回は、宇宙艦隊の本部があるサンフランシスコから、地ビールの「アンカースチーム」をチョイス。
高温醗酵のスチームビールならではの、華やかな香りと深いコクを味わえる知る人ぞ知るシスコ名物。
ラベルのアンカー(錨)マークは、軍港としても知られる港町サンフランシスコならでは。
23世紀の宇宙戦艦に、さすがに錨は無いだろうけど(笑
ちなみに「スター・トレック」の世界には、時たま異星のお酒が登場するが、やはり酒というものは全宇宙共通の嗜好品なのだろうか。
クリンゴンの酒とか強烈に強そうだ。

ランキングバナー 
記事が気に入ったらクリックしてね

こちらもお願い





スポンサーサイト